「⽂化(集団‧社会〜国) 」の共栄安心安全でレジリエントな社会へ
通信サービスの安定性‧信頼性確保
- 基本的な考え方
- NTT⻄⽇本グループは「通信サービスとは、⼈と⼈、⼈と社会をつなぐためになくてはならないもの」と考えています。社会を⽀え⽣活を守る重要なインフラを提供する企業グループとして、災害にも強い情報通信サービスの提供に努め、いつでも、どこでも、だれとでもつながる安⼼と信頼を提供しています。
重大故障発生件数 | 2022年度目標 | 2022年度実績 | 2023年度目標 | 関連するおもなSDGs |
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0件 | 1件 | 0件 |
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安定サービス提供率(2022年度まで目標設定) | 2022年度目標 | 2022年度実績 | 2023年度目標 | 関連するおもなSDGs |
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99.9% | 99.9% | ー |
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⾃治体等との災害対策訓練等の実施件数(2022年度まで目標設定) | 2022年度目標 | 2022年度実績 | 2023年度目標 | 関連するおもなSDGs |
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- | 143件 | ー |
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通信サービスの安定性‧信頼性確保に向けた取組み
NTT西日本グループが提供する通信サービスは、人々の生活を支える重要インフラであり、自然災害の頻発やコロナ禍以降の働き方の変容、DXの進展等、社会が変化するにつれて、その重要性はますます高まりつつあります。そうした状況下、通信サービスの安定性・信頼性確保は当社グループにとって最優先事項と認識し、目標として重大事故発生件数0件、安定サービス提供率99.9%を掲げ、日々取り組んでいます。
NTT西日本グループの情報インフラの概要
⼤⼩さまざまな島で形成される⽇本列島には、⼈の住む離島が約420島あり、そのうちの8割強が⻄⽇本エリアにあります。NTT⻄⽇本グループは、これらの島と島、島と本⼟の間の通信サービスを提供するため、約4,600kmにもおよぶ海底ケーブルを敷設し、⽇常の点検から故障修理に⾄る保守業務までを⼀貫して⾏っています。
⾼品質で安定した通信サービス
お客さまが常に安⼼してサービスをお使いいただけるよう、24時間365⽇、通信サービスを監視するネットワークオペレーションセンターにて、リアルタイムに通信サービスの状況を⼀元的に監視‧制御するとともに、予期せぬトラブルが発⽣した際に迅速かつ的確に回復措置がとれるよう努めています。さらに、障害検知から復旧に至る業務の⾃動化等、ICT活⽤によるプロアクティブな運⽤をめざしていきます。
また、お客様ご自身でも通信サービス状況を確認いただく仕組みとして、Webサイト等で適宜情報等を提供しており、高品質、安定通信サービスの視える化にも取り組んでいます。
重大事故発生を受けて、更なるサービス品質向上に向けた取組み
サービス品質向上に向けたさまざまな取組みを実施してきましたが、2022年度から2023年9月末までに2件(伝送装置の故障(2022年8月25日発生)、マルチキャスト通信受信時の装置不具合(2023年4月3日発生))の重大事故が発生しました。
伝送装置故障につきましては、同時故障によりつながらない状況が発生し、別の迂回路へ切替えを行いましたが、通信経路の一部帯域不足によりつながりにくい状況が発生いたしました。
これを受けて、不具合を生じたソフトウェアの改修はもちろんのこと、設備構成の見直しや同事象が発生した際の措置手順の確立、さらには社外へのタイムリーな情報発信等、さまざまな再発防止策を実施しています。
マルチキャスト通信による不具合につきましては、特定の通信装置において、マルチキャスト通信の内部処理に未知の不具合が内在しており、装置再起動が繰り返されたことでつながらない状況が発生しました。
こちらについても、内部処理不具合の改修をするとともに、通信機器メーカーと新たな連携体制強化を構築し、装置検証等において、リスク項目の洗い出し強化に努めています。
これからもお客さまや地域の皆さまが抱える課題に対してどのようにサポートできるかを個々人や各職場担当が一緒に考え、意識を高めていくとともに、具体的な行動につなげていくための研修や訓練、職場議論を重ね、さらなるサービス品質向上に取り組んでいきます。
災害時の通信確保に向けた取組み
NTT西日本グループの災害対策方針
お客さまが常に安⼼してサービスをお使いいただけるよう、24時間365⽇、通信サービスを監視するネットワークオペレーションセンターにて、リアルタイムで通信サービスの状況を⼀元的に監視‧制御するとともに、予期せぬトラブルが発⽣した際にも迅速かつ的確に回復措置がとれるよう努めています。また、障害検知から復旧に至る業務の⾃動化等、ICT活⽤によるプロアクティブな運⽤をめざしていきます。
災害への対策は、情報通信サービスを提供する企業として果たすべき重要な役割の1つです。NTT⻄⽇本グループは、以下の基本⽅針の下、災害に強い通信設備の構築、万⼀の被災時における重要通信の確保および早期復旧を図る等、災害対策に取り組んでいます。
災害対策方針
ネットワークの信頼性向上
地震‧⽕災‧⾵⽔害に強い設備づくり、通信伝送路の多ルート化、24時間365⽇のネットワーク監視および制御 等
サービスの早期復旧
災害対策機器等の活⽤や復旧⽤資機材調達、復旧要員確保 等
重要通信の確保
110番‧119番等の緊急通信や重要通信の確保、災害⽤公衆電話(特設公衆電話)、災害⽤伝⾔サービスの提供 等
行政や自治体等との連携
災害対策基本法に基づく指定公共機関として、防災に関して取るべき措置を定め、円滑かつ適切な災害対策を遂行するために「NTTグループ防災業務計画」を定めるとともに、本計画に基づく初期動作がスムーズに行えるように、災害の規模、状況などに応じた対応が取れる体制を整えています。さらに、行政・自治体や他の指定公共機関等と綿密な連携を図り、災害復旧と重要通信の確保に努めています。
南海トラフ地震発生の懸念や昨今の風水害等の大規模災害が相次いでいます。早期復旧のためには、災害発生時の通信設備の被災状況、道路啓開、活動拠点等、各自治体と連携した対応が必須であり、事前に協定へ必要内容を盛り込むことで、連携・対応強化を図っています。
今後も災害時における通信の早期復旧に向け、各自治体等とさらなる連携・体制強化に努めていきます。
社会に寄り添った災害時の被災者向けサービス
災害用伝言サービス
災害等の発⽣によって連絡が取りづらい場合に安否情報をより確実で円滑に確認できる⼿段として、「災害⽤伝⾔ダイヤル(171)」、インターネットを利⽤した「災害⽤伝⾔板(web171)」を提供しています。より多くの⽅にご利⽤いただけるよう、「毎⽉1⽇および15⽇」、「正⽉三が⽇」、「防災とボランティア週間」、「防災週間」に体験利⽤期間を設け、ご利⽤者さまの確実で円滑な利用をめざしています。
災害時の公衆電話の無料化および特設公衆電話
災害救助法の適⽤が想定されるような災害等によって、交通機関の遮断等の社会的混乱が発⽣し、関係事業者における固定電話および携帯電話の通話規制が発⽣する可能性がある状況等を総合的に勘案し、必要と判断した場合には、公衆電話から発信する際の通話料等を無料としています。また、多くの被災者が集まる避難所等に、速やかに特設公衆電話(無料)を設置します。なお、⼀部の避難所へは⾃治体と連携して特設公衆電話の事前設置を⾏っています。
南海トラフ巨大地震をテーマとした総合防災訓練の実施
NTT西日本は迅速な災害対応に向けた「総合防災訓練」を毎年実施しています。2022年は南海トラフ巨大地震への対応について、2023年度は発災後のみならず、予兆発生時からの行動についても事前に計画・訓練を行いました。
発災前の前兆として地盤がゆっくり滑りだした事象に伴い、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表したという仮定の下、NTTグループ「防災業務計画」に基づき「第三非常態勢による情報連絡室」を設置。緊急呼び出しシステムにより本部メンバーを招集するとともに事前に議論、計画していた内容をもとに実践的なToDo対応を実施しました。
今後もNTT西日本は、今回の訓練で抽出された課題の検討や実践を重ね、グループ全体に水平展開を行うことで災害対応力を強化していきます。
主な取組み
大規模データセンターを曽根崎に開設
NTTスマートコネクトは2000年の設立以来、大阪都市部の堂島・北浜・日本橋エリアで計6つのデータセンターを開設し、西日本最大級のインターネットエクスチェンジ※としてお客さまのIT環境を支えてきました。2022年4月には、社会の変容を勘案し、堂島近接エリアに新たに「曽根崎データセンター」を開設しました。
昨今、企業の社内外向け映像配信や人々の動画視聴への需要増に伴い、トラフィックは増加の一途をたどっています。さらに、5Gや自動運転等のIT技術の発展もあり、そのさらなる増加は必至です。これまで、NTTスマートコネクトは2021年5月に日本橋データセンターを開設してお客さまの要望に応えてきましたが、今後の一層の進展が見込まれる社会のDX化に首尾よく対応していくべく、大規模データセンターの新設に踏み切りました。
100ラック超のハイスケールなハウジングに対応する曽根崎データセンターは、堂島・北浜・日本橋データセンターと直結しているため、それらデータセンターを利用中の事業者とも相互接続できるうえ、高い信頼性やセキュリティを保つことができます。また、震度6強の地震に耐えうる免震構造を有し、自家発電による72時間連続無給油運転、異変電所からの電力供給も可能と災害に強く、24時間365日の常駐体制で専門の技術スタッフが対応する等保守・サポート面にも注力しています。
災害に強いデータセンターのご提供により、自然災害発生時における強靱なインフラの確保および安心して暮らせる生活基盤の提供を実現することで、持続的なまちづくりに貢献しています。
今後も曽根崎、日本橋等のハイスペックなデータセンターを通じ、お客さまの重要な通信とデータを保護し、安心して社会活動ができる持続的な社会の実現に寄与していきます。
- ※インターネットサービスプロバイダー(ISP)、インターネットデータセンター(IDC)同士の相互接続ポイント。インターネット相互接続点とも呼ばれる
G7広島サミットへの通信サービスの安定的な提供
NTT西日本は、2023年5月19~21日に開催されたG7広島サミットにおいて、通信設備の独自特別防備保守等を行いました。
G7広島サミットに関連する公共施設(警察、消防等)を中心に、通信設備の増強、保守要員の追加配置等を実施し、万が一の通信トラブル発生の際にも、サービス復旧優先を優先とした万全の体制を整えました。
また、マンホールに施錠キーを追加、封印シールの貼り付け等、テロ対策をはじめとする予防保全を実施し、サミットを通信サービスで支えるため、積極的な行動に努めました。
自治体や関連会社と連携した危険木の事前伐採トライアル
鳥取県では、2023年1月に降った大雪の影響で、倒木による集落の孤立や停電等の被害が相次ぎました。被害が出た集落が多数あった一方、事前に道路沿いの木を伐採していた地域では、倒木による被害が少なかったことから、NTT西日本 鳥取支店では、鳥取県や各市町村、中国電力等と連携し、倒れると通信設備に被害を及ぼす可能性がある木を事前に伐採するしくみづくりの検討を行っています。主な道路沿いの木の伐採だけでなく、携帯基地局につながる林道等にある危険木の伐採方法等についても議論を進めています。引き続き、万一の災害時における重要通信の確保および早期復旧をはじめ、現在活用中のelganaによる関係機関との被災情報連携についてもさらなる高度化を進める等、災害対策のICT化に取り組んでいきます。
わくわくウォーキング×設備110番
電話線の垂れ下がりや電柱の損傷をはじめとする不安全な設備は重大な事故につながる可能性があります。NTT西日本 熊本支店では、こうした不安全設備解消に向けた意識向上を図るため、設備の安全意識の徹底と社員の健康維持・促進の2つを目的としたイベント「わくわくウォーキング×設備110番」を2022年12月に開催しました。グループ会社を含めたチーム熊本に所属する契約社員・派遣社員・社員・その家族を対象に実施した当イベントは、熊本城二の丸広場から約7キロのコースを設備安全に関連するクイズラリーを交えてウォーキングし、そのさなかに安全を阻害しかねないNTT西日本の設備を探して、見つけたら当社設備の不安全情報を報告するスマホアプリ「設備110番」に投稿するという企画で、参加者のリフレッシュと不安全設備の解消に向けた意識の醸成を同時に促しました。
イベントにあたっては、設備部内の各部署が事前に組織横断でクイズラリーの対象柱を選定し、当日も、出発前のミニ研修から、対象エリア内の巡回や安全確認、撤収作業、投稿件数の集計に至るまで、支店内の各部・各担当の協力を得ながら進行しました。こうした組織横断による運営が結果的に社内コミュニケーションの強化をもたらす等、企画当初の想定を上回るポジティブなイベントとなりました。