「文化(集団・社会~国) 」の共栄
CASE
「3D教育メタバース」を活用した
不登校児童生徒の新たなる学び場の創出
昨今、全国の小・中・高等学校の不登校児童生徒が急増しています。
長引く新型コロナウイルス感染症の拡大等の影響も指摘されるなか、
根底として子どもたち一人ひとりの人格の完成や
社会的自立をめざす学校や学びの在り方が問われています。
NTT 西日本グループは、ICT 技術を活用した不登校児童生徒の学び合いや自主性を促進し、
子どもたちの学習機会の確保、また学習環境の整備に貢献していきます。
Social Issue 不登校によって学習機会を失う児童生徒の増加
近年、国内の小・中・高等学校の不登校児童生徒は30万人を超え、年々増加傾向にあります。また、90日以上の欠席が続いているにもかかわらず、適切な支援や相談を受けていない児童生徒は約4.6万人にも上るとの調査結果もあり、深刻な状況となっています。
この状況に対し、文部科学省では「誰もが学び続けられる環境を保障する不登校対策(COCOLOプラン)」を作成し、不登校による学びにアクセスできない子どもたちをゼロにすることをめざしています。また、COCOLOプランの実現に向け、学校、地域社会、各家庭、NPO、フリースクール関係者等に対し、相互に理解や連携をしながら、子どもたちのためにそれぞれの立場からできることを進めることが必要と呼びかけています。
COCOLOプランに沿った対応のほか、不登校となってしまった児童生徒へ必要な支援は子どもたち一人ひとりの状況によって異なるため、こども家庭庁や地方公共団体、学校等と連携し、児童生徒一人ひとりに応じた多様な支援が求められています。
不登校児童数の推移
参考:文部科学省 COCOLOプラン
https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-cc.pdf
参考:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
担当者の声
不登校児童生徒は年々増加しており、全ての児童が安心して学べる「多様化した学びの環境」が求められています。
学校だけでなく、地域社会には地域コミュニティや、家庭との連携強化等、子どもたちを支えるつながりが必要です。
その中で3D教育メタバースを活用し、新たな学びの場を提供しました。今後も自治体様と連携しながら、
メタバース空間自体の運営支援も検討し、より安心できる多様化した学びの場の提供を目指します。
NTT西日本 京都支店
エンタープライズビジネス営業部門
社会基盤営業担当
長谷川 昂平
Solution メタバースを活用した新たな学習空間の提供
不登校児童生徒の学習機会を保障するため、京都府城陽市では、適応指導教室(ふれあい教室)での学習支援や体験活動を通じ、学習の喜びや仲間とのつながりを感じ取る機会を提供し、子どもたちの社会的自立を促進してきました。2024年度より、これまで以上に、子どもたちが安心できる居場所や多様な学びの場を確保するため、オンラインによる支援機能を強化し、新たな学習空間の創出をめざしています。
城陽市とNTT西日本グループはこれまで、よりリアルな交流が可能なメタバースの提供について協議を重ね、NTTスマートコネクトが開発した「3D教育メタバース」の導入と活用に向けた調整を進めてきました。3D教育メタバースは、探求学習アクティブラーニング、他校との交流事業等で活用できるよう教室や集会所、面談室等の小ルーム、アクティブラーニングルーム等、教育に特化した仮想空間を提供し、授業や全体集会、グループワークや面談といった学校特有のシーンでの活用が可能なサービスです。仮想空間ならではの3Dオーディオによる臨場感のある会話や、翻訳を含めた音声の自動テキスト化と吹き出し形式での表示等のコミュニケーション機能も充実しており、音声や映像等のログ保存による出席確認や活動状況の振り返り、テキストチャットのNGワードフィルタリング等も搭載しており、仮想空間での学び舎として適したサービスとなっています。
2024年4月より、城陽市のふれあい教室(適応指導教室)において、3D教育メタバースを導入し、適応指導教室に通う不登校児童生徒を対象とした支援を開始しました。この取組みでは、3D教育メタバースを活用し、性別や外見に関する懸念を超えて自由に自己表現できるアバターを介したコミュニケーションを促進し、協働的な学習活動や体験活動に利用されることをめざしています。引き続き、この取組みを進めるとともに適応指導教室に通っていない子どもたちの支援へと対象を拡充していきます。
「3D教育メタバース」の仮想空間イメージ
担当者の声
不登校対策については、城陽市としてもスクールカウンセラーの拡充配置や不登校対応教育充実補助員の配置、中学校における校内適応指導教室の設置等、さまざまな対策を行ってきました。
2024年度より、さらなる対策の1つとして、不登校の児童生徒が気軽に相談でき、学びたいと思ったときに学べる環境を整えるために、3D教育メタバースを導入しました。
今後、ふれあい教室通室生のうち、継続的な通室に至っていない児童生徒に対してアプローチし、拡充する予定です。さらに、不登校およびその傾向にある児童生徒に対象を広げ、教育相談や交流の場としての充実を図っていきます。
城陽市教育委員会事務局 学校教育課 主幹
堤 大輔
Effective Frame
ICT技術を駆使したDX教育を通じ、
次代を担う人材の育成に貢献
NTT西日本は、城陽市における3D教育メタバースの提供を通じ、不登校児童生徒にとって新しい学びの場の創出を後押し、子どもたちの「学びたい」と思ったときに学べる環境の整備を促進していきます。また、メタバースをはじめとするICT技術を駆使したデジタルトランスフォーメーション(DX)教育をより多くの自治体へと拡げ、すべての児童生徒が学びの機会にアクセスできる環境を整え、個々の能力を最大限に引き出すことで社会的自立へと導く支援の実現をめざしています。
さらに、DX教育プログラムにより、子どもたちにとって個別最適な学びと協働的な学びを実現するとともに、誰もが自らの力で未来を切り拓く力を身に付けることができる、次代を担う人材育成支援を展開していきます。
担当者の声
NTTスマートコネクトは、ICT技術を活用した、教育の多様化や不登校を始めとする学校教育が抱える課題解決を目指して3D教育メタバースを開発いたしました。
2023年度に開始したサービスではあるものの城陽市様をはじめ、5つの案件(2自治体、・3学校)で導入いただいており、大きな可能性を感じています。
今後は、運用面でのサポート等含めた教育現場の課題を解決できるサービスの拡充を図っていきたいと考えています。
エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト
メディアビジネス部 主査
瀬川 正之
NTT西日本グループがめざすSDGsへの貢献
NTT西日本グループは、さまざまな課題に対し、
ICTを活用し解決する先駆者として社会の発展、SDGsの達成に貢献します。
社会課題解決
デジタルの力で
新たな学びの機会を創出
解決から生み出される社会的効果
ICT技術を活用した
新たな教育モデルの創出
地域差等による
教育格差をなくした
平等な社会