「⽂化(集団‧社会〜国) 」の共栄
CASEVRを用いた体験型学習で新たな学びの機会を創出
社会の著しい変化に伴い、小・中学校で求められる教育のあり方も大きく変わりつつあります。次代を担う子どもたちが自ら未来を切り拓いていく力を養っていけるよう、NTT西日本は先進ICT技術を活用し、次の時代を見据えた新たな教育モデルの創出に挑んでいます。
NTT西日本グループがめざすSDGsへの貢献
NTT西日本グループは「ソーシャルICTパイオニア」として、さまざまな社会課題の解決を通じ、SDGsの達成に貢献しつづけます。
社会課題解決
デジタルの力で新たな学びの機会を創出
解決から生み出される社会的効果
ICT技術を活用した新たな教育モデルの創出
地域差等による教育格差をなくした平等な社会
Social Issue「生きる力」を養う教育へとシフト
技術や情報を取り巻く変化のスピードが加速度的に速まり、将来の予測がますます困難になりつつあります。社会変化の著しい時代にあって、次代の担い手となる子どもたちが未知の状況に対応し、自ら未来を切り拓いていくための「生きる力※」を養っていけるよう、初等・中等教育の現場では、新学習指導要領で示されているように「主体的・対話的で深い学び」が求められています。重視されるのは、学ぶことに興味や関心を持ち、協働・対話・先人の考え方等を手掛かりに自身の見識を広げながら、各教科で身に付けた見方・考え方を相互に関連付けて深く理解したうえで解決策を見出していく力の習熟を見据えた教育です。社会の変容と向き合いながら、答えの決まっていない課題、経験したことのない事象にも対応できる課題解決能力を育むカリキュラムの必要性が高まっています。
※2017年に改訂された小・中学校の新学習指導要領で、ひとりの人間としての資質や能力を指す力として掲げられ、「知(確かな学力)・徳(豊かな人間性)・体(健康・体力)のバランスのとれた力」と定義
津山市教育振興基本計画(第3期)令和4年度~令和7年度(4年間)


パートナーの声
岡山県津山市では、「自立」を教育基本理念の1つに掲げており、自立して、自己の将来を切り拓き、たくましく生きていく力を育てるためには、主体的に学ぶ意欲の育成が必要です。GIGAスクール構想により、学校現場でのICT活用が加速している今、児童生徒一人ひとりの興味や関心を引き出す取組みに親和性の高いVR等を中心とした先進技術を活用し、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた研究を行っています。
津山市教育委員会 教育総務課 主任河野 潤
Solution10年後を見据え先進ICT技術を教育分野で有効活用
社会の変化を背景に求められる初等・中等教育が変わりゆくなかで、NTT西日本は先の時代を見据えた新たな学びの機会の創出をめざしてきました。2021年には、岡山県津山市・同市教育委員会と連携協定を締結し、岡山支店が中心となって未来を支える人材の育成を視野に入れた、先進ICT技術の教育現場での有効活用に取り組んでいます。
2023年2月には、津山市教育委員会、狂言・能の普及に努める万作の会、VRコンテンツの開発・提供を手掛けるNTTスマートコネクトと連携し、市内の小中学校を対象に、狂言の学校巡回公演をオンラインかつVRを用いた新たな授業形態で実施しました。VRの特性を活かして院内学級等の訪問型公演ではカバーしきれない環境に置かれる子どもたちにも体験型の学びの機会を提供した本公演は、実体験に近い没入感のある体験を通して学習への主体性や探求心を喚起した他、物語やその文化・歴史的背景から型の動きや発声、音楽に至るまで、STEAM教育※につながる教科横断的な学習の場としても機能しました。
他にも、自転車通学が主体の市内の中学校で交通安全教育に用いる等、VRを活用した体験型学習の推進を図っています。「主体的・対話的で深い学び」を体現する新たな価値を生み出せる教育モデルの創出へ、VRの教育分野へのさらなる活用に努めていきます。
※STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)に加え、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲の分野をA(Arts=芸術)と定義し、各教科等での学習を実社会での問題発見・解決に活かしていくための教科等横断的な学習を推進する教育方針


担当者の声
この「VR狂言授業」の取組みは津山市の小中学校、津山教育委員会、万作の会の皆さまの協力で実現することができました。また、VR技術を活用することで「日本トップレベルの野村萬斎氏の狂言を岡山で体験する」を達成しました。今後、このように教育にICTを導入することで「距離・時間」等の制約の解消につながると思います。日本の教育の課題解決に向けて引き続き取り組んでいきます。
エヌティティスマートコネクト
メディアビジネス部 XRチーム シニアマネージャー笹原 貴彦
Social Issueレジリエントで魅力溢れる地域社会の実現に貢献
狂言授業、交通安全教育ともにVRを用いて実施した体験型学習では、生徒・教師から多くの好意的な意見が寄せられ、子どもたちの学びへの主体性や意欲・関心の向上に向けての有効性が確認できました。教科を選ばない汎用性と教科横断的な学習手法、時間・場所の制約を受けないVRならではの特性にもポジティブな手応えを実感し、先進ICT技術を用いた教育現場での新たな価値の創出に向けて大きく前進しました。
今後はVRがもたらす教育的効果のさらなる検証を重ねるとともに、教育機関や自治体、関連する企業との連携強化、全国への水平展開を図りながら、「主体的・対話的で深い学び」を実践する新たな教育モデルの確立と定着に向け、VRを活用した体験学習を一層推進していきます。そして、子どもたちの「生きる力」を育む手助けをしていきます。


担当者の声
VR体験後、先生からは「大人しい子が活発に体験していた」「自主学習で題材を調べる子どもが増えた」等、主体性向上を感じる声を聞くことができました。私たちは、その他にも体験が難しい環境下の子どもへの学びの提供や、教科横断的な学習の推進等、VRが学校教育をより良くするツールの1つであると感じています。今後も、ICTを活用し、「新しい学びの創出」と「教育データ利活用による学校改革」を両軸で推進し、未来を支える人材の育成に貢献していきます。
NTT西日本 岡山支店 ビジネス営業部
ビジネス推進部門島津 帆乃夏