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岡山県真庭市様・ 対談会 最近の主な取り組み 2018年9月

Dialogue 地域における社会課題の解決について
 〜地域活性化と環境保護の取り組み〜

―司会:
雄大な自然とのどかな風景が広がる岡山県真庭市に来ております。古来より豊かな森と自然との共存による暮らしを行ってきた、ここ岡山県真庭市は近年バイオマスを活用した「まちづくり」で、全国的な注目を集めていますが、本日は、社会課題の解決という観点から、地域活性化とバイオマスを活用した環境保護について、岡山県真庭市の太田市長と、西日本電信電話株式会社岡山支店 西谷支店長、環境経営推進室 原課長にお話しいただこうと思います。
さて、明治後期に建てられた歴史的建築物「旧遷喬尋常小学校」ですが、太田市長、素晴らしい建物ですね!


―太田市長:
ありがとうございます。今年で111年目になるそうです。開校以来大修繕はしておらず、ほぼ当時の建物が現存しています。国の重要文化財であり、現在は真庭市の文化施設として市民の皆さまに親しまれています。

「バイオマス産業都市」真庭

―太田市長:
真庭市は14年前に9つの町村が合併してできました。面積約828K?中8割が山で南北に長く、距離にして約50km。南端はほとんど雪が降りませんが、北側にはスキー場があるなど、地域ごとに特徴があり、「多彩な真庭」と表現されます。林業が盛んで、山の整備も比較的進んでいます。とはいえ第一次産業だけでは地域経済は成り立たないことから、積極的に産業団地などの誘致も行っています。現在、「ランセット」という採血用の医療器具の製造販売を手がけ、シェアで日本の7割、世界の4割を占めている企業など、小規模ながら優良な企業が真庭市を活動拠点にされています。
日本の農山村特有の実情として人口は減ってはいるのですが、4万6000人強です。
市のほぼ全体が旭川流域にあたるここ真庭市は、農山村としては活気があると思います。市民の皆さんのおかげです。

―司会:
真庭市の林業では、CLTという新たな木材にも着目されているということですが、CLTについてお教えいただけますか?

―太田市長:
CLT =Cross Laminated Timberの略ですね。ひき板を並べた層をタテヨコ、タテヨコと直交するように重ね合わせて接着したものでコンクリートの代わりになる板です。
湿度を吸収し、軽量なので基礎工事も小規模で済み、工期が早いのが特長です。そして、木製の板なのでコンクリートよりも製造時のCO2の排出が圧倒的に少ないのも魅力です。
コンクリートと同等の強度を出すことができます。建築基準法でも使用が認められましたので、今後増えていくと思います。

―司会:
真庭市は全国でも数少ない「バイオマスビジネス」の成功事例として、一般的に知られています。

―太田市長:
真庭には30ほどの製材所があり、製材時に端材が大量に出るのです。20万m3製材して約6割が製品、4割が端材、すなわち産業廃棄物になると聞いています。ほかにも、山の木を育てるのに間伐を行いますが、その際に放置する小さな木や木の根、木の皮、さらには広い庭のある一般家庭で庭木の剪定後に残る枝葉など、建築廃材以外の廃材が大量に出ます。それらをチップにすると、約10万トン強で、このチップを燃料にして発電する仕組みです。
今現在、約1万キロワットの発電力を有し、地元の木材を燃料として発電しています。
市、第3セクター、民間会社が出資し、開業から今年で4年目を迎えたのですが、チップの売り上げ額も年々伸びて約13億円に達しました。今まで経済価値のなかったもの、むしろ産業廃棄物として処分代金が発生していたものが、地域経済を支える収入源となったのです。さらに、山の美化にも大きく貢献します。美しい山には良質の樹木が育つ。つまりはCO2削減にも繋がる、といいことずくめです。

1万キロワットというのは、家庭用の電力に換算しますと、およそ2万2000世帯をカバーするに値するでしょうか。太陽光や水力発電も含めた自然再生エネルギーが、真庭市全体のエネルギー需要の約32%を支えています。エネルギーの地産地消ができているといえますね。かつ環境にも良く、雇用を含め、地元経済の活性化にも大きく貢献しています。

―西谷支店長:
世の中にはバイオマス発電で使用する燃料を海外から仕入れている事業形態もあると聞いたことがありますが、真庭市の場合は市内で行われている製材・木工業などで出た端材を利用し電力に変えていますので、地産地消の成功例だと思います。
この、真庭市における地産地消で経済が成り立っている状況は「里山資本主義」という言葉で喩えられています。
そこが、真庭市の特長ではないかと思います。

―太田市長:
北房に農業用のダムがあるのですが、その水を使って発電する小水力発電所を先日開設しました。年間4万キロワット時程度ですし、水利権などの問題はありますが、それらをクリアすれば水力発電の場合、50年以上は持続できるそうです。高い目標ではありますが、このような取り組みを積み重ねて将来的には、自然再生エネルギーを100%にしたいと考えています。

NTT西日本グループの環境経営

―原課長:
NTT西日本グループでは、「地球環境憲章」を制定し、「グリーンNTT西日本戦略」と称する、環境に配慮したさまざまな取り組みを行っています。
NTTグループは特に電気の消費量が多い企業です。電力会社の発電のうち、NTTグループ全体で日本の総発電量の約1%、NTT西日本グループで約0.2%の約18億キロワット時を消費しています。

そのため、さまざまな目標を立てて省エネルギーに取り組んでいます。
電力については、2010年度から全電力消費量を20%削減するという目標を立てて、2020年度には達成する見通しです。廃棄物については、最終処分率を1%以下に抑える取組みを「ゼロエミッション」と名付け、2012年以降5年間連続して達成しています。また、ペーパーレスについては、1ヶ月1人当たりの事務用紙使用枚数を406枚以下に抑えるという目標を、2016年に達成し、更なる削減に向けて業務のデジタル化を含めて取り組んでいます。

―太田市長:
領収書や請求書も「ペーパーレス」が進んできていますね。

―西谷支店長:
NTTグループの社内でもICT化が進み、社内の決裁文書も紙から電子決裁へ移行しています。
年間18億キロワット時の電力を消費する企業だからこそ、環境保護への取り組みに対する使命は大きいと思います。

―原課長:
また、NTT西日本では社員に呼びかけ、生物多様性の保全に貢献するボランティア活動への参加などを推進しています。西日本30府県で、1万人規模の活動を展開しています。

―西谷支店長:
岡山支店では、生物多様性への取り組みの一環として、年に1回、カブトガニの繁殖地である笠岡で清掃活動を実施、同じく年1回、8月に行われる旭川の清掃活動にも参加させていただくなど、県下で環境保全や地域の活動にも意欲的に取り組んでいます。

―司会:
カブトガニとは、あの水族館で飼育されているカブトガニですか?

―西谷支店長:
「生きた化石」のカブトガニですね。笠岡には繁殖地とみられる砂浜があって、そこに野生のカブトガニが生息しているといわれています。

―太田市長:
最近は生息数が若干増えつつあると聞いています。岡山県の海岸線はもともと遠浅で、かなりの数のカブトガニがいたようです。それが埋め立てられて、棲息地も減少の一途をたどります。水島臨海工業地帯が、その例ですね。結果、絶滅危惧種に指定されるようになったのだと考えられます。保護活動を盛んに行った甲斐あり、近年は少し戻りつつあると聞いています。皆さん方の努力の賜物ですね。

関連サイト

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