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岡山県真庭市様・ 対談会 最近の主な取り組み

Dialogue 地域における社会課題の解決について
 〜地域活性化と環境保護の取り組み〜


地域の社会課題とソリューション

―司会:
ここまでは真庭市のバイオマス事業やNTT西日本グループの環境経営についてお話を伺ってまいりました。ここで、太田市長から真庭市における課題を伺ってみたいと思います。

―太田市長:
まずは、人口減少の流れを緩やかにすることが大事です。この農山村で安全安心、豊かに暮らせる環境を整え、持続・繁栄する地域社会を築いていくことが大きな課題です。「真庭ライフスタイルの実現」と称し、大都市にはないが真庭にあるものを最大限に活用し、真庭流の豊かな生活を築きたいと考えています。
先日、第一回目の「SDGs未来都市の選定」が行われ、ここ真庭市を含め、岡山県岡山市など29団体が選ばれました。持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals→SDGs)は、 2015年9月の国連サミットで採択された2030 年を期限とする、先進国を含む国際社会全体の17の開発目標です。その項目に倣い、将来永続的に繁栄する町づくりをめざします。
このSDGsに取り組むとともに、行政発信というより市民の力、あるいは企業の力を合わせて大きな市民運動にしていくのが理想です。

先ほど「里山資本主義」という言葉が語られましたが、我々はバイオマス発電のように市経済全体、あるいは市全域に効果をもたらすような「大きな里山資本主義」と、地域ごとに産出できる「小さな里山資源」を上手く結び付けていきたいと考えています。
各地域で今、そういう取り組みが進んでいて、その一例として、車の中でジビエ料理(※)の調理ができる「ジビエカー」を国の補助を受けて購入し、廃校になった中学校を改装してジビエ料理の缶詰製造を行っています。
ほかにも、天然素材の石けんや地ビールの製造なども進めています。

  • ※ジビエとは、狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化[出典 一般社団法人 日本ジビエ振興協会HP]

―司会:
西谷支店長、過疎化、人口減少問題とか、長寿問題など、地方が抱える諸問題について何かNTT西日本だからできる解決策はありますか。

―西谷支店長:
ここ真庭市様とは「真庭ひかりネットワーク」を構築しご支援させていただいております。2014年には情報化に関する包括連携協定を締結させていただき、その中で、観光、交通、災害に関するICTを使った検討なども行っています。大規模災害への備えとしても十分な協力体制を構築します。
先ほど、SDGsの取り組みに関して太田市長からお話を伺いました。我々NTT西日本グループの社会課題を解決する取り組みも、結果的にはSDGsへの貢献に繋がるという意識で、CSRの中にも組み込んでいます。
特に、IoTやビッグデータを使った人・モノ・地域につながる安心でより安全な社会づくり、イノベーションを育む豊かな社会づくりなど、社会の課題×ICTという形で取り組ませていただいております。
たとえば林業において、鹿が木の皮を食べることで木が枯れてしまうという「獣害」の解決策としては、センサーと檻を使って、鹿の動きや居場所などを遠隔確認しながら駆除していくことができるICTの仕組みがあります。
より効率的に課題を解決する中で、我々のICTを有効活用いただければと思います。

―司会:
SDGsに関してはNTT西日本グループも、そして自治体としても各地でいろいろ取り組んでいらっしゃいますが、NTT西日本が進める、環境問題に対するICTソリューションサービスについて教えていただけますか?

―原課長:
NTTグループ各社のICTソリューションのうち、一定の環境負荷低減効果が期待できるものを「環境にやさしいソリューション」として「ソリューション環境ラベル」を認定・付与する制度を、2009年から運用しています。たとえば、テレワークのソリューションを提供することでお客さまの移動を減らせるのでCO2削減に貢献できます。NTT西日本グループでも社会の環境負荷低減が期待できるソリューションに積極的にラベルを付与していく、といった取り組みを推奨しています。
SDGsでは去年の例ですと、太陽光パネルを遠隔で保守点検するサービスを認定し、広げていく取り組みを推奨しています。

―太田市長:
太陽光パネルは定期的に清掃など整備・保守点検を行わないと、効率が悪くなる・止まってしまうようですね。

―原課長:
作動停止すると発電ができなくなってしまいますので、なるべく早く対応しなければ発電の機会を逃してしまいます。遠方に設置されているものでも遠隔監視ができれば、問題をすぐに見つけて解決できます。

―西谷支店長:
ソリューションやICTは、社会の課題や各企業が抱える問題点などにかけ合わせることで、結果的にさまざまな環境負荷低減に活用できます。ソリューション環境ラベルに関しては我々NTT西日本グループ各社内でも知恵を絞って何にかけ合わせたらいいのかを練っている状況ですね。そのためには我々が積極的にお客さまの声に耳を傾け、課題を汲み取る努力を続けていかなければならないと思っています。

―太田市長:
私どもも総務省のICTを駆使して山の実態を把握するシステムを構築しました。ドローンを使って山のその写真を撮り、それを地図情報として落としこみます。そして、山林の伐採時に届け出を提出する際など、現地に行かずとも、データのやり取りで物事が進められます。まさにペーパーレスで、処理も早い。この森林専用のICTを使ったシステムは「真庭モデル」と呼ばれて全国に普及しています。

―西谷支店長:
ドローンだけでは今みたいな発想にはならないと思うのです。ドローンは機械ですから、ドローンを使って何ができるかを考え、実践し、それらが繋がって結果的にエコになるのだと思います。

―司会:
では、最後に本日の会談の感想を伺ってまいりたいと思います。

―西谷支店長:
はい。太田市長とはしばしばお話を伺う機会もありますが、今日はまた、真庭市のさまざまな取り組みを知り、あらためて魅力を発見することとなりました。私自身もっと真庭市について学ぶべきだと心を新たにしました。

―太田市長:
NTT西日本グループが社会課題、そして地域災害などの問題を解決するためにICT技術や培われたノウハウをフル活用されている姿勢に感銘を受け共感も覚えました。我々行政は、素直にそのお力をお借りする一方で、今後もいい意味で学ばせていただきたいと思っています。

―司会:
本日は、有難うございました。


【対談会ご出席者プロフィール】

太田 昇(おおた のぼる)
岡山県真庭市長
京都府庁入庁後、知事室長、総務部長、京都府副知事を歴任し、平成25年4月より現職
趣味は地域史の勉強と、各地方への旅
座右の銘は、孔子の「近き者説(よろこ)び、遠き者来たる」
西谷 紀彦
西日本電信電話株式会社 岡山支店長 中国事業本部 副本部長 兼務
原 美永子
西日本電信電話株式会社 技術革新部 環境経営推進室課長

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