Third-party Opinions 第三者意見
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神戸大学大学院経営学研究科教授 國部克彦 様 大阪市立大学大学院経営学研究科後期博士課程修了。博士(経営学)。大阪市立大学助教授、神戸大学助教授を経て、2001年より神戸大学大学院経営学研究科教授。2014年より2016年まで同研究科長。ISO/TC207/WG8議長、日本MFCAフォーラム会長などを務める。主な著書に、『アカウンタビリティから経営倫理へ』(有斐閣、2017年)、『CSRの基礎』(中央経済社、2017年)、『低炭素型サプライチェーン経営』(中央経済社、2015年)などがある。 |
ソリューション型環境改善を環境活動の中心に
NTT西日本は、NTTグループの「ソリューション環境ラベル」の認定を初めて取得しました。NTT西日本のCO2の排出量を見ると、スコープ3(サプライチェーン全体)でのCO2の発生が最大になっています。環境グランドデザインは、自社の中の活動ですが、今後はサプライチェーン全体での環境負荷の削減が重要になると思います。その時に、「ソリューション型環境改善」の技術が役に立つのではないでしょうか?現在のスコープ3は、サプライチェーンでのCO2の排出量を計算しているだけですが、今後は、サプライチェーンでのCO2排出量の削減へ向けて、一歩を踏み出してほしいと思います。
環境活動の統合的な推進を
NTT西日本では「みどりいっぱいプロジェクト活動」を実施され、生物多様性維持のため貴重な活動をされています。このプロジェクトは社員が中心になって活動されているようで、大変重要なことと思います。CSRや環境保全活動は、トップダウンでやるばかりでなく、このようなボトムアップの活動も非常に重要です。今後は、地域との連携を強化して、会社としてこのような活動に参加する希望のある社員を積極的に啓発して、活動を進めてられることを期待します。
ステークホルダーダイアローグの推進を
今年度の報告書では上賀茂神社とNTT西日本の幹部の方のステークホルダーダイアローグが掲載されています。このような試みは大変ユニークなもので、興味深く読みました。地域の取り組みに協力して発展させることは、NTT西日本のような西日本全域に支店を持つ企業にとっては、非常に重要な社会貢献になると思います。このような活動は単発の試みに終わらせるのではなく、支店ごとに地域の環境取り組みを支援するような全社的な活動へ発展させていくことはできないでしょうか?「みどりいっぱいプロジェクト」と連携させることも一案と思います。
CSR活動との連携を
環境報告書に関してだけの意見を述べていますが、今後は環境報告書だけで見るのは不十分で、CSR活動全体の中で環境活動を評価する視点が必要になります。個別の活動の良し悪しだけでなく、コーポレートガバナンスのような全社的な仕組みの中で、環境や社会がどのように意識されて、組み込まれているのかも重要な論点になります。
第三者意見を受けて昨年よりNTT西日本グループの地球環境保護活動につきましてはCSR報告書に統合して公表しておりますが、CSR報告書に掲載できなかった各種データや取組みについて環境年次報告に記載しています。 西日本電信電話株式会社 技術革新部 環境経営推進室 |