「自然(地球)」との共生 人と自然が寄り添う未来へ
⽣物多様性の保全
- 基本的な考え方
- ⾃然環境との調和は、⼈類にとっての重要な責務であると認識しています。豊かな地球環境を守っていくため、社員⼀⼈ひとりによる環境保全活動・⽣物多様性保全活動として展開する「みどりいっぱいプロジェクト」を推進しています。
通信設備周辺の自然保護
通信ネットワークは人々の暮らしを支える社会基盤として不可欠であり、その整備のために、多数の設備を設置・運用しています。これらの設備は自然環境の近接地にも設置されることがあるため、陸上生態系を含む自然環境への影響に配慮することが必要です。
NTTグループにおいて、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言に則った自然関連の依存・影響評価を実施しており、基地局が周辺の生態系に影響を及ぼす可能性があると特定されました。この評価結果を踏まえ、NTT西日本グループでは自然への影響が大きいと考えられる基地局、通信設備、データセンターを対象に、KBA(Key Biodiversity Areas:生物多様性重要地域)をもとにスクリーニングを実施しました。その結果、全体の0.37%にあたる16拠点が自然保護地区内に位置していることを確認しました。これらの拠点については、周辺環境における生態系への配慮状況を調査し、現時点では生物多様性への顕在的な悪影響や事業上生じうるリスクは限定的と判断しています。
今後も、事業活動が自然資本に与える影響を適切に把握・管理するとともに、生物多様性の保全に配慮した設備運用に努めます。
視える化指標
| 視える化指標 | 対象範囲 | 2024年度目標 | 2024年度実績 | 2025年度目標 |
|---|---|---|---|---|
| 自然保護地区に設置した事業用設備数および、全体に占める割合 | NTT西日本グループ | モニタリング開始 | 0.37%(16拠点) ※生物多様性に与えるリスクが無いことを確認 |
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「みどりいっぱいプロジェクト」の推進
NTT⻄⽇本グループは、地球環境保護にも積極的に取り組んでいます。
かねてから各地で実施してきた生物多様性保全活動を発展させるため、2012年11⽉より活動名称を統⼀し、NTT⻄⽇本「みどりいっぱいプロジェクト」として展開しています。
「みどりいっぱいプロジェクト」の概要
NTT西日本「みどりいっぱいプロジェクト」は、植樹を核として、地域の⾃然的・社会的条件に応じた⽣物多様性の保全のため、⾃治体・NPO等と連携しながら展開する⽣物多様性保全活動です。⻄⽇本エリア30府県で地域密着の活動を実施しています。
視える化指標
| 視える化指標 | 対象範囲 | 2024年度目標 | 2024年度実績 | 2025年度目標 |
|---|---|---|---|---|
| みどりいっぱいプロジェクト活動府県※ | NTT西日本グループ | 30府県 | 30府県 | ― |
- ※ 2024年度までの目標
「みどりいっぱいプロジェクト」さまざまな活動例
- 森の保全・再生
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ヒノキの下草刈り
下草刈り等の適切な森林管理、人工林の針広混交林化や広葉樹林化等の生物多様性に配慮した多様な森づくりの活動

- 身近な緑地・水辺の保全・再生・創出
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グリーンカーテンの展開
都市公園等における樹林地の保全、建築物の敷地の緑化やビオトープの整備等、生きものの生息・生育空間となる身近な緑地や水辺等を保全・再生・創出する活動

- 絶滅危惧種の保全・再生
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ニッポンバラタナゴの保護
絶滅危惧種や、種の保存法に基づき指定されている国内希少野生動植物種の保護増殖等に取り組む活動

- 外来種の防除
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琵琶湖の外来魚駆除
外来種を防除し、その地域本来の生態系を保全・回復する活動

- 里山・緑地・水辺の保全・再生
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センサーネットワークによるニッポンバラタナゴの育成条件調査
植生、動植物等の状況やその成立条件となる気象、水質、土壌等、地域の生物多様性の現況を把握・評価するための調査活動

- 調査活動
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長良川の清掃による環境保全
自然草原、風衝草原、極相林等の自然度の高い環境や、里地里山の森林・農地・ため池、公園緑地やビオトープ等において、生きものの生息・生育環境を保全する活動

- 普及啓発活動
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葵サミット
生物多様性を保全するための活動の意義等を普及啓発するために行う自然観察会や体験イベント、シンポジウム等の活動(地域の生物多様性を活かしたエコツーリズムを通じた活動等も含む)

- 間伐材の利用など側面から支える活動
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間伐材の利用等の側面から支える活動
活動場所の提供、活動に伴う生産物・副産物の利用や販売の促進等、生物多様性を保全するための活動を側面から支援する活動

「みどりいっぱいプロジェクト」の活動報告
全府県、1万⼈を⽬標として、18府県、約2,000人からはじまった活動は、2014年度に30府県、1万⼈を達成しました。地域主体等との連携協定締結、遠隔地を結んだサミット(葵サミット)や⽣物多様性授業(ニッポンバラタナゴの保護)の開催等、ICTを活⽤した活動も展開してきました。
2020年度からは、⻄⽇本エリア30府県において地域密着の活動を実施することを⽬標にさらなる活動の活性化をめざし、地域の⽣物多様性保全に積極的に取り組んでいます。2024年度は達成することができ、2025年度においても引き続き西日本エリア30府県での活動を実施します。
| 2024年のプロジェクト件数 | 744件 |
|---|---|
| プロジェクトの参加者数 | 26,416名 |
| プロジェクトへの支出額(みどりいっぱい活動のみ) | 169.1百万円※ |
- ※ 2024年度より、支出額の算出方法を見直しています。
環境マスコットキャラクター「⼋千草 結(やちぐさ ゆい)」
環境経営のさらなる進展に向けて、社員の地球環境保護意識を養い、参画意識を向上させるために、NTT ⻄⽇本グループの環境マスコットキャラクターを社員から募集しました。環境マスコットキャラクター「八千草 結」は、⾃然の多様性や⼈々とのつながりを⼤切にしていきたいというコンセプトから⽣まれ、地球環境の⼤切さを直感的にイメージしてもらえるようデザインされています。
ICTサービスの提供を通じて、⼈々が⾃然とともに豊かに⽣きていける地球環境を守り、未来へとつないでいくためのNTT⻄⽇本グループの⽇々の活動について、八千草 結がわかりやすく、楽しく伝えています。