社長メッセージ

私たちは、気候変動や世界情勢の混乱といった地球規模の課題に加え、生産年齢人口の減少や社会資本の老朽化といった日本の構造的課題に向き合っていかなければなりません。

大きく変化する時代の中でも地域社会やお客さまとともに発展し、成長し続けるため、NTT西日本グループは2021年に「『つなぐ』その先に『ひらく』あたらしい世界のトビラを」というパーパス(新たな存在意義)を定めました。私たちは、地域密着の事業会社として地域社会やお客さまとともに新たな価値創造に挑戦し、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。

サステナビリティの重要性がますます高まる中、NTT西日本グループは「NTTグループサステナビリティ憲章」に基づき、グループ一体となり持続可能な社会づくり、社会課題の解決に取り組むとともに、今までにないサービスを生み出す挑戦を続けています。

環境問題に対しては、2040年までのカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、IOWN構想の推進、通信設備・オフィスでの節電施策による電力消費の削減、再生可能エネルギー由来電力の利用拡大、社用車EV化等を進め、デジタル・トランスフォーメーション（DX）を絡めた各種サービス等の提供による社会の環境貢献に取り組んでいます。

社会全体のデジタル化が加速する中、地域社会やお客さまを起点とし、ICTを活用した経営課題の解決、社会や産業のDX支援や、お客さま体験（CX）の高度化の推進を通じ、コスト競争力も強化しながら、お客さまに選ばれ続ける企業グループをめざしていきます。たとえば、持続可能な林業と地域活性化を同時に実現する「森林・林業DX」、食品ロスや廃棄物処理コストの課題に対して、環境負荷低減と資源循環を両立する「地域食品資源循環ソリューション」、地域交通の維持やドライバーの不足等に関する課題解決に資する「マクニカ社と連携した自動運転サービスの社会実装」の推進等、多様なプロジェクトをサステナビリティの視点で進めています。

また、生産年齢人口の減少等に伴い、公共・教育・企業分野におけるITの重要性が増す中、私たちはクラウドやマネージドサービス、AIやセキュリティサービスの強化・提供を通じて社会全体のデジタル基盤の発展にも貢献していきます。さらに、グループ会社を通じた新領域における社会課題解決の取組みや、「QUINTBRIDGE（クイントブリッジ）」を事業共創の場として、企業・スタートアップ・自治体・大学等とのコラボレーションを促進し、新たな価値を創出、社会課題の解決にも取り組んでいます。

一方、私たちは、社会基盤を支える情報通信インフラを提供する事業者として、ケーブル敷設、日常の点検から故障修理に⾄る保守業務まで一貫して⾏い、安定かつ持続的に通信サービスを提供し続ける使命があります。レガシー系サービス等の光サービスへの着実な移⾏、フレッツ光クロス(10Gbps)のさらなる提供エリア拡大等、光サービスの成長・拡大への対応や、高品質・大容量、低遅延、低消費電力での伝送を実現する「IOWN（アイオン）」のさまざまな分野での社会実装にも取り組んでいます。今後も激甚化する災害やスマート社会に対応するため、通信ネットワークの強靭化と高度化に努め、危機管理を含め「つなぐDNA」をアップグレードしながら、引き続き高品質で安定した通信サービスを提供してまいります。

私たちが社会課題の解決を図り、企業として成⻑するための要は「⼈」です。人権尊重、ダイバーシティ&インクルージョン、安全労働、健康経営、社会貢献活動、オープンで革新的な風土醸成を推進することで、社員一人ひとりが幸せを感じることができる社会をめざし、全社を挙げて取り組んでいます。

また、コンプライアンスの徹底については事業活動の基盤として、経営上の最重要課題と位置づけ取り組むとともに、「セキュリティファーストカンパニー」として、お客さまの大切な情報をお預かりし、しっかりと守るための対策やセキュリティガバナンスの強化等、不断の取組みを通じ、信頼回復と企業の健全性の確保に引き続き努めていきます。

NTT西日本グループは、地域社会、お客さま、社員、パートナーの皆さまとともに、ICTの力で社会課題を解決する先駆者として、Well-beingに満ちた、持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。
皆さまにおかれましては、引き続きご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。