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第61回じまんの家族図画・作文コンクール
特賞(作文の部)6学年の部

嘉芸小学校 瑞慶村 あゆり(ずけむら あゆり)

「いつもありがとう」

 私の母は、介護の仕事をしている。お年寄りの食事の介護や移動の補助、お風呂や着替えの世話などが主な仕事のようだ。何度か、母の職場についていったことがあるが、何度見ても大変そうで、きつそうである。
「お母さん、大変そうだね、大丈夫。」
と私がたずねると、決まって母は
「つかれた!」
と言うけれど、お家でゴロゴロしたりはしない。そこが、私と母との違いだなと思う。
 小学生の私よりも細いうでの母。お年寄りのお風呂の手伝いをしたり、だきかかえてベッドに寝かせたりするなんて、細身の体のどこから、そんなパワーが出てくるのか不思議になる。そんな大変な仕事を終えて母は、家に帰ってもやることがいっぱいだ。妹を迎えに行き、帰ったらすぐに夕食を作ってくれる。
「今日は何にしようか。」
と考えてる姿を見て、私も一緒に手伝うこともある。それから、父のおつまみを作って、その後は、妹の宿題を見ている。それが終わると、一息つくひまもなく、私や姉の習い事の送迎だ。
「お母さん、休むひまないね。」
姉妹でそう言いながらも、結局母の手をかりないとできないことがいっぱいで、母にたよってしまうのだ。
 私は母の手料理が大好きだ。特に好きなのは母特製のカレーだ。母の作るカレーには牛乳が入っている。だから、どこで食べるカレーよりもマイルドで食べやすくておいしい。私達家族はみんな、母のカレーが大好きだ。どんなにいそがしくても手作りのご飯を作ってくれる母に感謝している。
「私が大好きなダンスを思いっきりおどれるのは、母の手料理のおかげだな。」
と思ったりする。おいしいご飯を食べていると、家族みんな笑顔になる。最近、反抗期で母とケンカばかりしている姉でさえも、おいしそうに母の手料理を食べる。母の手料理は私達家族が元気に過ごせる源なのだ。
 しかし、時々母のことがイヤになることがある。それは、母の口ぐせ「早くして」が連発して聞こえてくる時だ。
「今、やろうとしていたんだよ。」
強い口調で私が言い返すと、母もおこってけんかに発展する。これまで何度も何度もけんかをしてきた。その度に母のことがイヤになった。でも、心のイライラが落ち着くと、母がなぜ私に言ってきたかが分かる。
「私に、時計を見て動ける子になってほしい。しっかりした大人になってほしい。」
そういう思いで私にきびしく対応していることだととらえている。私が幼い頃から、母はずっと同じように私に言ってきた。そのおかげで、今の自分があるのだと私はわかっている。
 今、私が、そして家族みんなが笑顔で過ごしていられるのは、いつも母が私達を支えてくれているおかげだ。だから、母に対する感謝の気持ちは大きい。家族のために生きる母は、私にとって何よりも違大な存在なのだ。
「お母さん、これからも私を、家族みんなを支えてください。お願いします。きっとこれからもたくさんけんかをするだろうな、と思っています。お姉ちゃんのように、はげしく反抗するときも来るかもしれません。でも、お母さんに対する感謝の気持ちは常に持ち続けていこうと思います。お母さん、いつもありがとうございます。そして、これからもよろしくね。」

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