このページの本文へ移動

ここから本文です。

第61回じまんの家族図画・作文コンクール
特賞(作文の部)5学年の部

城岳小学校 浦崎 直生(うらさき なおし)

「サンドイッチ」

 「うきみそーち。」(おはよう。起きましたか?)
朝起きたばかりのぼくへ母が言う。
「おはよう」
と父が言い、ぼくは目をこすりながら、
「おはよう、まだねむたいな」
と朝のあいさつをするのが日課だ。
 母はすかさず、
「朝の準備をして。そのあとうちゃとーして。(仏だんにお茶をそなえる)」
と言う。ぼくは言われたとおりに、朝の準備をすませて、仏だんのじぃじぃとばぁばぁにうちゃとーをする。
「ちゅーん(今日も)、一日、みーまってぃくみそーりよー。(見守って下さい)」
とうーとーとー(手を合わせる)をする。幼い頃からのぼくのルーティンだ。
「なんで毎日うちゃとーするの。」
と聞くと母は、
「だれがいたから、あなたが生まれたの。お父さん、お母さんだよね。でも、おじぃちゃんとおばぁちゃんが出会って、お母さんが生まれたよね。うやふぁーふじ(ご先ぞ様)がいるから、あなたがいるんだよ。これがぬちぬバトンだよ。このつながりを大切にするためにうちゃとーをするんだよ。」
と言った。ぼくは先ぞに毎日感謝するためなんだなと思った。
 ぼくは、仏だんのじぃじぃやばぁばぁに会ったことがない。じぃじぃは、大工さんだったと聞いた。じぃじぃが生きていたら大きな家を作ってほしかったな。母もぼくも物作りが好きだ。これはじぃじぃの血を受けついでいるかもしれない。ばぁばぁは、いつもうちなー口を使っていたそうだ。そのおかげで母はうちなー口が上手でぼくに教えている。ぼくは、うちなー口が大好きだ。じぃじぃもばぁばぁも会ったことはないけど、つながっている感じがする。
 そんな話をしていると父が会社に行く時間になった。父は玄関でまっている。ぼくは急いで父の元へ行き、母をよんだ。
 そして、いつものサンドイッチの時間だ。サンドイッチとは、父と母の間にぼくをはさむハグのことだ。それをぼくらは、「サンドイッチ」とよんでいる。これが、二つ目の朝のルーティンだ。
 サンドイッチをすると家族のぬくもりや温かさが伝わってくる。じぃじぃやばぁばぁもそこにいるような気がする。家族のつながりを感じる、幸せホルモンが出るしゅん間だ。
 そこに、飼いねこがやってきて父の足元をグルグル周り、スリスリを始めてニャーと鳴いた。ねこも仲間に入りたいと言っているようだ。父も母もぼくも笑顔になる。
 そして、父が笑って
「行って来ます。」
と言い、玄関を出る。
 この朝の時間は一日の中で、とても大切な数秒だと思う。
あたり前にいつまでもありそうな毎日だけど一分一秒でも父や母と一緒につながるサンドイッチの時間を他の人にまねしてほしいじまんできることだ。これからも大切にしていこうとぼくは思っている。

  1. ※掲載画像の無断複写・複製・転載はご遠慮ください。

前のページに戻る