京都ノートルダム女子大学さまの事例概要
データ可視化による学修者本位の
教育実現をめざして
一人ひとりの学修をフォローできるデータ活用へ
アメリカから来日したシスターにより設立された京都ノートルダム 女子大学さまは、既に90年代から世界標準のインターネット文化を取り入れてきました。
ITリテラシーの高い文系女子大学として、教育DXにも積極的に取り組み、その一環としてNTT西日本と共同で電子教科書の利用状況等を含む多様なデータを活用して教育の高度化をめざす取り組みを開始。
2021年には文部科学省大学改革推進等補助金「デジタルを活用した大学・高等教育高度化プラン」※に採択されるなど、学修者本位の教育の実現に向けて、新しい学びの構築を進めています。
- ※取組1「学修者本位の教育の実現」での採択は、関西の女子大学で唯一
科目の特性に応じた
柔軟なデジタル化が必要
-
吉田さま
-
私自身は10年以上前から主に英語の本を電子書籍で読んできましたが、学生が新しいことを学ぶ教科書としては、紙の本がよいというポリシーを持っていました。
ただ、近年のアメリカの大学教育において、紙の教科書が使われていないという情報を聞くようになり、電子教科書を受け入れざるを得ないと考えるようになりました。
また、小・中学校でのICT活用がGIGAスクール構想により、これまでと全く違う形にかわってきています。
特に子どもを持つ教職員はそれを実感しており、大学でも電子教科書を準備する必要性を感じています。
-
小林さま
-
当初、教育DXの取り組みとしてNTT西日本へ相談した際に、九州大学や広島市立大学では、電子教科書、電子教材の利 用やそこから得られる学習データを活用した指導を行っているという事例を知りました。
既に全国的に小中高等学校では電子教科書が 導入されていて、いずれ教科書が電子化することは、大学においても時間の問題だろうということは認識していました。
ただ、大学や高等教育機関で扱うような専門書は、全てが電子化されているわけではありません。
出版社の賛同を得て電子化してもらう必要があり、多くの先生方が取り組まないと広がっていくことは難しく、そこは課題だと感じています。
一方で、すべてが電子になればよいということではなくて、手触りや厚みが記憶の助けになるというような紙の良さもあります。
逆に電子だと検索が効率良くでき、いつでもどこでも読めることもあって、それぞれの科目の特性によって使い分けていくことも必要だと思います。
-
京都ノートルダム女子大学
社会情報課程 課程長 教授
吉田 智子さま -
京都ノートルダム女子大学
事務局次長 兼 戦略企画室長 兼 教育支援部長
小林 忍さま
学修データを可視化することで
学生への的確なサポートを実現したい
-
吉田さま
-
2023年度は、私が担当する本学の独自科目である「ノートルダム学」の電子教科書を作り、履修者30名程度に使ってもらいました。
そして授業開始時に、紙の教科書もあると伝えたところ、10名の学生が紙の本でも利用したいと希望がありました。
まだ紙の教科書で学修するニーズもあるようです。それぞれにメリットがあり、学生にもいろいろなタイプがいますので、学びの多様性を担保することも大切です。
今回の「ノートルダム学」は自校教育科目ですので、専門書ではありません。
電子教科書を利用するときに蓄積されていく学生のデータ活用には向かないかもしれませんが、学生たちの学修スタイルに合わせて電子教科書のメリットを組み合わせることで、相乗効果を発揮していけたらと思っています。
-
小林さま
-
学生がどのぐらい教科書を読んでいるとか、平均と比べるのがよいのかどうかはわかりませんが、傾向として明らかになったことのひとつに、勉強のできる学生ほど夜中に学修しないということが あります。
たとえばどの部分を集中的に読んでいるか、どれほど時間をかけているかなどのデータが取れたときに、それをどう役立てるのか、仮説と検証のサイクルを回していきたいと思っています。
その意味ではやっと緒に就いたところです。イメージとしては健康診断のようなものかもしれません。
学生の学修についてのデータを見ながら、ここが弱いからもう少し学修しましょうとか、今、考えられるのはそのぐらいですが、もっと進めば、あなたの勉強スタイルはこうで、あなたのタイプならこうした方がもっと伸びますなどと面談でアドバイスできるようになるでしょう。
小規模な女子大学で担任制もあるため、先生と学生の関わりは緊密なのですが、データを可視化することで、さらに的確にサポートするためのツールとして使えるものにしていきたいと考えています。
-
良き伝統と最新のデジタル技術が共存する緑豊かなキャンパスには京都の大学らしく、お茶室もある。
-
「学生たちの学修スタイルに合わせて電子教科書のメリットを組み合わせることで、相乗効果を発揮していけたらと思っています。」
お客さま情報
-
1961年の設立以来、キリスト教精神による女性の教育と「徳と知(Virtus et Scientia)」を兼ね備えた女性を育成することを建学の精神に掲げています。
現在、国際言語文化学部、現代人間学部の2学部、社会情報課程と大学院2研究科を有する小規模女子大学としてのメリットを活かして、ひとりひとりの学生に向き合う丁寧な教育・ 学生支援と、女性の立場からキャリアを考えるライフキャリア教育に注力し、知性と品性を併せ持つ自律・自立した人間形成をめざす教育を実践しています。
- ※サービス導入効果は、ご利用者さまの声に基づくものであり、お客さまのご利用状況により、効果は異なります。
- ※記事の内容は、2023年7月時点のものです。