遠隔授業を臨場感あふれる「教室」にする方法【遠隔授業ソリューション】
(2016年3月31日掲載 株式会社ワオ・コーポレーションさま導入事例)
「教育で日本を変える!」
ワオ・コーポレーションが取り組む
遠隔授業とは?
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業種 サービス業 社員数 805名⚹1 概要 『能開センター』『個別指導Axis』などの学習塾・予備校・資格スクールを経営する総合教育事業グループ。
教育という観点から「どう伝えるか」にこだわりを持ち、教育アニメのコンテンツ製作なども手がける。「リアルとネットの融合」「教育とゲームの融合」「教育とエンタメの融合」を掲げ、私塾と教育系コンテンツの領域にイノベーションを生み出し続けている。- ⚹1 2015年3月現在
概要
公教育を補完するという私塾としての役割を超え、「もっと面白く、もっと刺激的な、もっと社会に出てから役立つ教育プログラム」を「もっと安価」に生徒一人ひとりに提供したい。その想いで遠隔授業(ネットによる遠隔授業など)事業を開始した株式会社ワオ・コーポレーション。
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「日本を変えるには、教育を根本から変えていかなくてはならない」という信念のもと、教育を通して子どもたちをどう育てるか、そこにどのように人を介在させるか、どう伝えていくか、ということを常に追求してきました。
まるで教室で授業を受けているかのような臨場感のあるコミュニケーションが可能な遠隔授業の実現。それは、いまだ技術的にも先進的な取り組みであるため、産みの苦しみも味わいました。しかし、取り組みを始めてからわずか1年で、今では受講者数も増加し遠隔授業に挑戦する講師は2倍になりました。どのようにして、この成果を得られたのでしょうか。そして、進化する遠隔授業がもたらすさらなるワオ・コーポレーションの理想とは…。
背景
遠隔授業を始めた当初は、他社が提供する有料の動画共有サービスを利用していましたが、めざすべき「講師・生徒間のコミュニケーション」と「その実現力」に課題がありました。
ただ動画を流すだけでは「授業(教育)」にならない!
以前遠隔授業で利用していたサービスは、単に動画を共有するだけのものでした。そのため、遠隔授業に参加する生徒も少ない状況でした。また、積極的にチャレンジする講師の数も伸び悩んでいました。
さらには、スマートフォンや携帯電話は校舎では使用禁止としながら、新たな遠隔授業をめざそうとすると、SNSやチャットなどと組み合わせなければならない、という矛盾もありました。
システムが「突然止まる」「突然仕様が変わる」「カスタマイズできない」「事前共有もない」
以前利用していた動画共有サービスの場合、操作画面や機能のカスタマイズができず、サービス提供会社に相談もできなかったため、ワオ・コーポレーションがめざす遠隔授業を作り上げていくには限界がありました。さらに、システムの仕様の変更が突然実施されたり、突然最大3日間サービスが利用できなくなったりというトラブルも多々あり、それに関する事前共有もトラブル報告もないため、対処策を検討できませんでした。
「『ただサービスを利用している』だけで、限界を感じていました。」と、そのシステム導入・運用にも携わっていた前能開センター部門 大学受験担当の甲野純正氏は話します。
NTT西日本の提案
何が原因なのかかもわからないまま、答えのないトラブルに突然対応せざるを得ない日々が続くなかで、自社の構想を実現できるシステムと相談にのってもらえる信頼できるパートナーを探しはじめていた甲野氏。そこに、ワオ・コーポレーションの現状の課題解決と将来像を見越した提案をしてきたのが、NTT西日本でした。
提案のスピードとクオリティー、機能面での双方向性の可能性
笑いながら甲野氏は話します。「どこで聞きつけられたか知らないですが、ちょうど悩んでいた時に突然提案されました。また、他社からは自社のサービスや製品の機能説明はされましたが『御社のビジネスにはもっと可能性があります。NTT西日本のサービスと組み合わせることで、こんな未来が実現できます。一緒にできませんか?』という企画提案をされたのは、NTT西日本だけでした。また、機能面でも遠隔授業で双方向コミュニケーションの可能性を考えると、NTT西日本の提案しかなかったんです。」
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さらに、NTT西日本からは遠隔授業を活用した『在宅・リビング学習』という新しい授業スタイルも提案が。すでにワオ・コーポレーションでも同じ未来を描いていたということもあり、当時、営業本部長であった藤原敬太氏は「単にシステムを使ってくださいということだけではなく、もっとインタラクティブになっていく、もっと双方向が実現するんじゃないか、企画のお話を聞きながらそう思い、ぜひ一緒にやっていきたいと感じた」のだそうです。
NTT西日本グループだからこそできるサポート体制
さらに、システムのサポートも提案には盛り込まれていました。NTT西日本のグループ会社が通信や授業の視聴方法に関するお問い合わせを一元的に受ける仕組みです。
「将来『在宅・リビング学習』をサービス展開した際、何かトラブルが発生した際の対応はワオ・コーポレーションのシステム担当者だけでは限界があります。生徒の家に訪問して障害の切りわけなどをすることも想定されます。NTT西日本グループは各府県域に保守サービス拠点があり、ICT機器のサポートに強いと聞いていますので、『在宅・リビング学習』の事業展開にも活用できると考えました。」
こうした将来のビジョンと合致するサポート体制があったことも、NTT西日本の遠隔授業ソリューションの導入を決定したポイントのひとつになったと、甲野氏は言います。
導入効果と今後の展望
画質の向上、カメラ・マイクなどの活用によりクレームが減り、コストも軽減
まず圧倒的に改善されたのは『画質』です。生徒からの「見にくい」という苦情が減り、アンケートでは「わかりやすい」という答えが増えました。教室の黒板に書かれてある文字に何が書かれてあるかわからないような映像になってしまうと、生徒の遠隔授業への参加意欲が著しく低下します。そのため、『画質』の良さは遠隔授業において非常に重要なポイントなのです。
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また、NTT西日本からの提案もあり、遠隔授業だからこそかかるコストも以前より少なくなりました。天吊り型のカメラを導入した教室では、撮影スタッフが不要となったことで、アルバイトのシフトの調整や作成の必要がなくなりました。また、録画方法もNTT西日本と共に改善し、授業の再撮影の必要もなくなったことで、撮影にかかる手間や人件費が削減できました。
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さらに、『埋め込みマイク』を導入。これには思わぬ効果がありました。それまで使っていたワイヤレス型のピンマイクは講師の声だけをクリアに拾うため、遠隔で見ると誰もいない教室でひとりで講師がカメラに向かってしゃべっているような感じでした。しかし、埋め込みマイクは生徒の声などの周りの音も拾うので、遠隔授業の動画の音声に教室の熱気を感じるような臨場感を持たせることができたのです。このことで、生徒がひとりで動画を見ていてもまるでその教室にいて授業を受けているような臨場感のある遠隔授業の実現に一歩近づくことができました。
NTT西日本グループのサポートで運用を改善し、パートナーシップも向上
NTT西日本グループは、遠隔授業に関するシステム面のサポートを一元的に受け、トラブルの発生から今後の対策までをまとめ、そのレポートをワオ・コーポレーションに定期的に提出しています。この内容を共有することで、他拠点で同様の運用トラブルが生じても迅速に対応できるようになりました。
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また、よりよい授業の実現に向けて、カメラの撮影方法やマイクの活用方法など運用面の改善を関係者全員が共に考え動くなかで、パートナーシップはより強固なものになった、と現在営業本部長の軽部丈晴氏は語ります。
「NTT西日本さんの方からは第2弾、第3弾と提案をいただきこれまで進んできた。それは非常にありがたいですね。成果も少しずつ出てきて、NTT西日本さんがわれわれと一緒に同じ方向をめざせるパートナーになってくれたことで、スタッフ自身も将来的な見通しと期待感を持てるようになり、勇気づけられました。」
ワオ・コーポレーションの遠隔授業にかける理想と、NTT西日本グループ各社の技術力とサービス、これらをまとめるNTT西日本の企画・提案・サポート力。それぞれが一丸となることで、トラブルが起きても前向きに運用を改善し、理想にまい進できるようになったのです。
遠隔授業に取り組む講師が2倍に!授業の質も上がり、受講者も増加!
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「具体的な成果で言うと、遠隔授業の受講者は去年に比べて増加しました。また、『見にくい』などの生徒からの苦情も減り『わかりやすい』という声が多くなった。遠隔授業に挑戦してくれる講師も2倍に増えた。そのことで、先生同士も刺激を与え合える環境になってきた。」と教育本部 能開部門担当の平田強氏は語ります。遠隔授業の質が上がると共に、いろんな成果が出てきました。
「わかりやすい授業」から「やる気が出る授業」へ
NTT西日本の遠隔授業ソリューションの導入による狙いはふたつありました。ひとつは「品質の向上により遠隔授業自体がよりわかりやすくなる」ということ。もうひとつは「生徒が先生の話をよく聞いて、やる気が高まる」ということ。
この点について、「アンケート結果からも『わかりやすい』という声は出てきていますが、後者に関しては、場所・距離の制約を意識させず、先生の熱意やその臨場感、同時性を共有するレベルの双方向性にはまだ到達できていない」と話す平田氏には、「いかに伝えるか」にこだわるワオ・コーポレーションならではの理想に向けた想いが垣間見られます。
軽部氏からも「今のかたちをどこまでリアルなものへ近づけていけるかが、まずは第一目標。次のステップでは、ひとりで遠隔授業を見ていてもみんなと一緒にがんばっている感覚、みんなが同じ教室で机を並べているような感覚を持てるようなものにしたいですね。」と、きびしくも前向きに将来の展望について語られました。
日本の教育を変えていくワオ・コーポレーション、それを支える「NTT西日本グループ」
「民間企業だからこそできることは沢山あります。民間で実証実験を行い、公教育に反映しながら教育全体をよりよいものにし、社会に貢献したい」と語る平田氏。
「今朝の朝礼でも、社長は『教育で日本を変えたい』と言っていました。少子化が進むなかで教室に通う生徒数を増やすのは限界がありますが、遠隔授業により平等な教育を受けられない人たちに学びの場を提供することで、多くの視聴会員を抱えることができる可能性があると思います。」と、最後に軽部氏は将来の展望を語りました。
ワオ・コーポレーションの理想は、今後の進化する遠隔授業の実現によりかなえられる。NTT西日本グループもその可能性にこれからも共に挑戦し続けます。
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