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ふくそうのしくみ

ふくそうのしくみ

地震などの大災害発生時は、安否の問合せやお見舞の電話がその地域に殺到し、電話がかかりにくくなることがあります。これは、被災地への電話が通信設備(回線や交換機)の許容量を越えてしまった場合に起こる現象です。

災害時ばかりでなく、コンサートのチケット予約、通信販売の注文などによっても同じ現象が起こり、このようなときには影響が各地の交換機にも波及し、全国的に電話がかかりにくくなることもあります。

交換機の一定時間内に処理できる能力を越える電話が集中することにより発生するいわゆる「電気通信網の渋滞」のことを「輻輳(ふくそう)」といいます。

ふくそうは、電話がつながらないことにより相手につながるまで繰り返し電話をかけ直す行為により増大します。

ふくそうの与える影響は、お客さまの通信が確保されないことのみならず警察や消防などの重要な通信へも影響を与える恐れがあるため、NTT西日本では必要に応じて制御を行います。

ふくそう制御について

ふくそうが集中的に発生すると、交換機の処理量も比例することとなり、電話の接続処理が滞るだけでなく、やがては交換機処理自体が停止してしまう恐れがあります。

このような状態が発生する前に異常を検知し、交換機の処理を守ると共にふくそう状態においても最低限の通信(警察、消防などの重要な通信)を確保するように必要な制御を行います。

ふくそう制御のしくみ

災害時に発生するふくそう制御の概要とイベント等によるチケット予約により発生するふくそう制御の概要を紹介いたします。

災害時のふくそう制御のしくみ

  • ここでは、災害による電話網のふくそうについて紹介いたします。災害が発生するとテレビやラジオなどで災害の発生のニュースが流れます。
  • 家族や親戚、友人などへ安否を問い合わせる電話(見舞い呼)をします。全国から被災地に向けて電話が集中します。ある一定以上の電話が集中すると交換機の処理が圧迫されます。
  • 交換機の処理が限界に達する前に、トラフィック制御装置に対してふくそうの通知を行います。
  • ふくそうの通知を受けたトラフィック制御装置は、全国の交換機に対して接続量の制御を行います。接続量の制御を行うことで交換機のパンクを防ぐとともに災害復旧等に必要な重要な通信(警察、消防など)を確保します。

まとめ

制御しない場合 制御する場合 記事
一般の電話からのご利用の場合
[制御しない場合]
被災地への見舞い呼が増大し、かかりにくくなります。
交換機の処理に支障をきたし、つながらなくなる恐れがあります。
[制御する場合]
被災地への見舞い呼が増大し、かかりにくくなります。
交換機で処理できる範囲内で最大限おつなぎいたします。
[記事]
災害時は、公衆電話などの優先電話の方がつながりやすいです。
優先電話(公衆電話など)からのご利用の場合
[制御しない場合]
優先電話も一般の電話同様につながりにくくなります。
[制御する場合]
一般の電話を制御するため、優先電話から発信されるお客さまの通話は、確保されます。
[記事]
災害時は、公衆電話などの優先電話の方がつながりやすいです。

チケット予約時のふくそう制御のしくみ

  • コンサートのチケット予約を例に紹介します。チケットを予約するときは、事前にチケット予約に関する情報を雑誌や新聞などから入手します。
  • チケット予約の開始時刻と同時にチケット予約センターへの電話が一斉に集中します。たくさんの電話が集中すると交換機の処理が過負荷の状態となります。
  • 交換機は、処理の過負荷を自動的に検出し、トラフィック制御装置へ通知をおこないます。
  • ふくそう情報を受信したトラフィック制御装置はチケット予約センターの電話受付回線数に見合うように全国の交換機に対して、電話番号により接続量を制御します。

まとめ

制御しない場合 制御する場合 記事
チケット予約で電話をされているお客さま
[制御しない場合]
受付回線が話し中でなかなか接続できません。
リダイヤルにより交換機の処理に支障をきたし、接続できなくなるおそれがあります。
[制御する場合]
受付回線数に応じて接続量を適正に制御します。
[記事]
チケット予約の電話は、制御されても結果的につながる量は同じとなります。
それ以外でご利用のお客さま
[制御しない場合]
チケット予約の電話に圧迫され、電話がつながりにくくなります。
[制御する場合]
チケット予約の電話に圧迫されず平常時と同様のつながりやすさが確保されます。
[記事]
一般の電話でも公衆電話のような優先電話でも同様に制御され、つながりやすさは同じとなります。