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no.01

挑戦心を育てる

沖口 誠氏の画像

※この対談は2020年3月23日時点のものです

特別対談今回のお相手

未来のオリンピアンを育てる

沖口 誠(おきぐち・まこと)

北京2008オリンピック体操競技 男子団体総合 銀メダリスト。自身が運営する「沖口まこと体操クラブ」を通じて、子どもたちに体操・トランポリンの楽しさや、技を習得するよろこびを伝える活動をおこなっている。

人と地域の思いを、未来へとつないでいく特別対談。 「思いをつなぐ」ナビゲーターの太田雄貴さんが、スポーツ指導者の沖口誠さんを訪問。オリンピックメダリストのふたりが「挑戦心を育てる」ことについて語り合いました。
(以下、敬称を略させていただきます)

楽しみながら「できるよろこび」を育んでいきたい。

太田 北京オリンピックでご一緒しましたよね。現在は子どもたちの体操教室をされているとお聞きしました。

沖口はい。この教室では、楽しみながら子どもたちに「できるよろこび」をたくさん経験してもらいたいと思っています。

太田楽しむって前向きな力になりますよね。フェンシングでも小学校を訪問する活動を実施しています。そこには、子どもたちに本物を見せてあげたい、そして、応援する楽しさやよろこびを伝えたいという思いがあります。たとえば、うかがった先の学校ではフェンシング選手と子どもによる試合を実施します。学校代表として出場する子どもを、全校生徒が一丸となって応援するから、すごく盛り上がります。こういう、人が人を応援する心持ちや姿はとても良いものです。それを子どものうちに経験してもらいたいと思っています。沖口さんも、子どもに教える際に、何か工夫されていることはありますか。

沖口子どもの目線に立った表現を用いて、指導するようにしています。例えば、高くジャンプしてもらいたいときは「跳んで」と言うより「バネになって」と伝えると、すごく高く跳んでくれます。力を入れるときは「氷になって」と伝えます。

太田それは素晴らしいコーチングですね。私も感じていますが、今は教える側の力量がとても問われています。コーチも学び続けなくてはいけませんね。

インタビューイメージ

人間力を育んで、苦難を乗り越えていける
大人に育ってほしい。

太田沖口さんがこの体操教室に込める思いを聞かせてください。

沖口私の思いは「子どもの挑戦心を育てたい」ということです。体操は技という型がたくさんあるぶん、成長を実感しやすいんですね。ひとつ挑戦して、ひとつできるたびに、その子にひとつ自信がついていく。運動が苦手で消極的な子どもが、体育の時間に手をあげてクラスの見本になったという話もあります。

太田気持ちが積極的になったということですね。私も子どもへの指導で経験があるのですが、スポーツは身体だけでなく、心まで変えることができると思っています。さらにこの先、子どもたちの未来へつないでいきたい思いはありますか。

沖口「身につけた挑戦心を、大人になっても持ち続けてほしい」です。それは、スポーツじゃなくてもいいと思っています。体操を生きる力にしてほしい。たとえば将来、大変な仕事と向き合うことがあっても、負けずに、強い心で挑める人間になってもらいたいと願っています。

太田なるほど、体操を通じて人間力を育んで、人間形成をする。そして、子どもたちには、苦難を乗り越えていける前向きな気持ちを持ち続けてほしいですね。

インタビューイメージインタビューイメージ

対談イメージ

これからもスポーツを通じ子どもたちの心を育て、
未来の可能性をひろげていきましょう。