News Release
ネットワンシステムズとNTT西日本、IOWN APNを活用した分散データセンターでの次世代オートメーションの学習・推論実験に成功
~AI×ロボティクス×超高速通信により、次世代オートメーション実現に向けた有効性を確認~
2026年1月13日
ネットワンシステムズ株式会社
NTT西日本株式会社
ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史、以下「ネットワンシステムズ」)とNTT西日本株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長:北村亮太、以下「NTT西日本」)は、IOWNオールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、以下「IOWN APN」)を活用した次世代オートメーション実証の結果、模倣動作によるモデル学習における分散データセンターの有効性、自律型協働ロボティクスの遠隔推論、マルチベンダーデバイスとのAPN接続といった有効性を確認し、社会実装に向けた重要な成果が得られました。
1.背景・目的
我が国では労働人口の減少により、小売・製造・医療など現場で担い手不足が深刻化しており、AI協働ロボットや自律化技術を活用した次世代オートメーションへの期待が高まっています。こうした高度な自律システムを実装するためには、大量のセンサーデータや高精細映像・音声のリアルタイム処理を必要とし、従来のネットワーク環境では遅延や帯域不足により、各拠点にGPU等の高性能端末を配置せざるを得ず、管理負担や消費電力・コスト増が課題となっています。
こうした課題に対し、本実証では、低遅延・大容量・高安定性のIOWN APNと分散クラスタ型AI基盤を組み合わせ、次世代オートメーションの実現に向けたリアルタイム制御の可能性を検証しました。
| 参照 | ネットワンシステムズとNTT西日本、IOWN APNを活用した次世代オートメーションの共同実験を開始 https://www.ntt-west.co.jp/news/2508/250827a.html |
2.本実証の概要
NTT西日本が運営するIOWN APN実証環境として、大阪京橋、堂島および福岡の3拠点を接続し、分散データセンターでAI処理を行うシステム構成の実験を実施しました。また、このシステム構成上で、模倣学習によるAI基盤でのモデル学習と、IOWN APN経由での自律型協働ロボティクスの実験を実施しました。
(1)実施期間
2025年8月27日~2025年11月18日
(2)実施場所
大阪府大阪市、福岡県福岡市
(3)役割分担
ネットワンシステムズ:
- 分散クラスタ型AI基盤及びIOWN APNとの統合設計・インテグレーション
- 機能・性能検証、ユースケース創出とビジネスモデル検討
- 模倣学習による協働ロボティクス環境の提供※
- ※TechShare株式会社の技術を利用
NTT西日本:
- IOWN APNに関する3拠点実証環境の構築・提供
- ユースケースの実証、ビジネスモデル検討
3.本実証の成果
本実証では、大阪京橋、堂島および福岡の3拠点をIOWN APNで接続し、分散データセンターを構成した環境において、自律型協働ロボティクスの模倣動作によるモデル学習及び遠隔推論動作に成功しました。
この取り組みは、労働人口減少などの社会課題解決に向けた次世代オートメーションの実現を目指し、AIの処理負荷を分散データセンターで制御・管理する新たなシステム構成の有効性を確認したものです。これにより、社会実装の可能性を大きく高める重要な成果となりました。
主な成果:
- ① 自律型協働ロボティクスの模倣動作によるモデル学習における分散データセンターの有効性の確認
- ② IOWN APNによる遠隔からの自律型協働ロボティクスの推論動作への影響確認
- ③ OpenZRを用いたマルチベンダーデバイスによるAPN接続の実現
約600km離れた拠点を含む3拠点のGPUノードを活用した分散学習において、ネットワーク遅延に対するチューニングを実施した結果、ローカルデータセンター環境と比較して約86.0%の処理能力を達成(学習時間は約1.17倍)しました。
この結果、自律型協働ロボティクスの模倣学習によるモデル学習において、分散データセンター間であっても複数のGPUを同時に利用し、GPUリソースを効率的に活用できる可能性を確認しました。
また、IOWN APN経由で、福岡拠点のデータセンターに配置した学習済みモデルを用いた推論処理を稼働させ、約600km離れた大阪京橋に設置した自律型協働ロボティクスの推論動作を実行できることを確認しました。本実証では、以下の3環境で比較検証を行いました。
- (ⅰ)大阪京橋(ローカル)
- (ⅱ)福岡(遠隔拠点)
- (ⅲ)インターネット疑似環境
ロボットの推論処理は、カメラ映像を都度データセンターに送信し、処理結果を受け取る仕組みであるため、ネットワーク帯域と遅延が推論頻度(単位時間あたりの推論回数)に直接影響します。その結果、以下のような差異が確認されました。
- 表は左右にスクロールできます。
| 拠点 | 距離 | 遅延 | 推論頻度 | 動作状況 |
|---|---|---|---|---|
| (ⅰ)大阪京橋 | - | 0ms | 18.2回/秒 | 正常動作 |
| (ⅱ)福岡 | 約600km | 6ms | 8.7回/秒 | 正常動作 |
| (ⅲ)インターネット疑似環境 | - | 40ms | 3.5回/秒 | 動作のガク付き、タスク失敗が発生 |
推論頻度の低下は、データ伝送の遅延による影響であり、一定以下になると正常な動作が困難であることが分かりました。今回の結果では、IOWN APN経由では約600km離れた環境でもロボットの推論動作が安定して実行可能であることを確認しており、今後はロボット固有の要因も考慮しつつ、ネットワーク遅延が正常動作に与える影響の閾値を見定めていきます。
さらに、本実証環境において、IOWN APNとのマルチベンダーデバイスによるAPN接続にも成功しました。具体的には、 HPE(旧Juniper Networks)社 、およびアリスタネットワークス社の400GコヒーレントオプティクスをAPN-Tの代替として商用スイッチに搭載しIOWN APNに接続。ネットワークの正常動作(リンクアップ、疎通、通信帯域、性能)を確認しました。この成果より、APNの導入において多様なニーズに対応可能な柔軟な実装方法への可能性が広がりました。
4.今後の展望
本実証を通じて、小売・製造・医療・社会インフラなど、事業ごとに異なる社会課題に対し、AI×ロボティクス×IOWN APNによる自律オートメーションの可能性を検証することができました。
例えば、将来的には熟練者の操作をAIに学習させることで、数百キロメートル離れた遠隔地においてもロボットが作業を担うといった活用が想定され、人手不足への対応や運用効率化など、コスト面での効果も期待されます。
今後は本成果をもとに、低遅延、大容量、揺らぎのない通信を実現するIOWN APNと分散クラスタ型AI基盤の統合設計を行い、即応性と拡張性を両立する次世代のオートメーションシステムによるリアルタイムなロボット制御を実現し、労働人口減少などの社会課題解決に向けたユースケースの実証およびビジネスモデルの検証を行ってまいります。
NTT西日本とネットワンシステムズは「社会課題解決」に向けて、今後も様々な実証実験、トライアル、商用化検討を推進してまいります。
我々は、この取り組みを共に歩んでいただけるパートナーを募集しています。共に新たなネットワークの可能性を切り拓き、未来を創造していきましょう。
マルチベンダーデバイス接続の検証にご協力いただいた企業からのコメント
日本ヒューレット・パッカード合同会社 執行役員 HPE Networking 事業統括本部長 本田 昌和 様
本実証実験において、ネットワンシステムズ社およびNTT西日本社と提携できたことを光栄に思います。我々の提供する統合型光ルーティングアーキテクチャーおよび400G OpenZR+モジュールによるAIネイティブネットワーキングテクノロジーは今と未来の社会課題を解決するための新たな可能性において選択肢を広げるものです。両社との連携を一層強化し、社会課題の解決に貢献します。
アリスタネットワークスジャパン合同会社 代表社員 職務執行者 社長 稲富 裕樹 様
ネットワンシステムズ社およびNTT西日本社による本実証実験の成功を心より歓迎します。本実証において、当社の400Gコヒーレントオプティクスを用いたマルチベンダー環境でのIOWN APN接続が実証されたことは、オープンで柔軟な次世代ネットワークの実現に向けた重要な成果です。今後もアリスタは、高性能かつ拡張性の高いネットワーク技術を通じ、社会課題解決に貢献してまいります。
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。変更になる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。

