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2015年2月16日
西日本電信電話株式会社
株式会社NTTファシリティーズ
東京大学
茨城大学
鈴与株式会社
鈴与商事株式会社
東京大学、茨城大学、鈴与株式会社、鈴与商事株式会社、株式会社NTTファシリティーズ(以下、NTTファシリティーズ)、西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、共同研究契約を締結し、鈴与グループの農業生産法人ベルファーム株式会社(静岡県菊川市、以下「ベルファーム」)にて、次世代トマト施設栽培方式である低段密植栽培※1の大規模実証試験(以下、「本実証試験」)に、2014年5月より取り組んでおります。
この度、主としてNTT西日本、NTTファシリティーズが手掛ける農業関連情報の「生育環境」、「生育状況」、「農作業」の3つの情報※2(以下、3軸)を統合的に可視化するシステム等および生育環境モニタリングシステムにおいて進捗がありましたので、お知らせいたします。
[参考] IT融合による統合型次世代農業プロジェクトについて
本実証試験(全体統括:東京大学・山田一郎教授)は産学連携体制で、IT融合による統合型次世代農業システムを開発し、日本農業の課題解決を図るとともに、日本の経済成長・国際戦略への貢献を目的としています。この統合型次世代農業システムでは、ITを活用した「生育環境」、「生育状況」、「農作業」の3軸モニタリングを実施し、ビッグデータ解析に基づく最適栽培管理を実現します。本共同研究における主とする役割分担は以下の通りです。
〔東京大学、茨城大学〕
最適栽培方式の開発、生育状況、農作業モニタリング技術の開発およびビッグデータ解析
〔鈴与株式会社、鈴与商事株式会社(以下、鈴与グループ)〕
実証試験サイトの構築と運営、最適栽培方式の開発およびビジネスモデルの検討
〔NTTファシリティーズ〕
実証試験サイトの構築、生育環境モニタリング技術の開発、「農業経営支援システム(agRemoni、以下、農業経営支援システム)※3」を元にした生育環境、生育状況モニタリングシステムの開発、省エネ・省資源のための環境制御技術の開発
〔NTT西日本〕
農作業モニタリングシステムの開発、 「生育環境」、「生育状況」、「農作業」の3軸モニタリング情報を統合表示可能とするシステム(以下、「3軸モニタリング統合表示システム」)の開発およびITの農業分野への展開
ハウス内で栽培管理をする熟練農作業者の動線データをRFID (Radio Frequency Identifier)※4の技術を用いて把握するとともに、作業模様を撮影した動画データや、作業者がタブレットを使って登録する作業工程履歴データを蓄積する「農作業モニタリングシステム」を構築しました。(【別紙】図1〜3)
また本システムを、NTTファシリティーズが開発した「生育環境」のモニタリング情報を取得、蓄積する「農業経営支援システム」(後述)を発展させた「生育環境モニタリングシステム」、「生育状況モニタリングシステム」※5と連携することによって、栽培に必要な3つの情報である「生育環境」、「生育状況」、「農作業」を統合的に可視化する「3軸モニタリング統合表示システム」を実現しました。
生育環境をモニタリングし、栽培管理等を行える「農業経営支援システム」に、新たに電力使用量・重油使用量等の「栽培資源」情報、農場における位置情報を3次元でモニタリングする機能を追加し、「生育環境モニタリングシステム」を開発しました。またその上で、ハウス内外にモニタリング環境を構築し、モニタリング情報を元に区画毎の温熱環境の分布の状況を確認、検証を行いました。
さらに、手作業で取得した、生育状況モニタリング情報(葉面積、茎伸長、茎径、果実重量、糖度、酸度など)を手動登録し、収集することができる仕組みを設け、生育環境モニタリングシステムと連携させました。
東京大学では、最適栽培方式の確立をめざして、主として、生育状況・農作業モニタリング技術の開発を進めています。生育状況モニタリングに関しては、トマト苗・果実の成長計測手法およびロボットによる成長計測手法の自動化の研究開発を進めており、さらに、蓄積した生育環境データ、生育状況データを用いて、ビッグデータ解析の検討を開始しました。また、茨城大学は東京大学と連携して、生育状況モニタリングに基づく生育診断、養液管理などの最適栽培方式の検討を進めています。
低段密植栽培に関する最適栽培方法の確立に向け、本実証試験サイトでの栽培管理とデータ取得、およびそれらを通じた栽培家・事業家ニーズの研究へのフィードバックを進めるとともに、農業分野における新たなビジネスモデルの開発に向けた検討を開始しています。
熟練者の作業を事細かにモニタリングし、作業を理解する上でより有効な方法(静止画や動画など)で記録したデータを表示することができるので、従来に比べて容易に且つスピーディな技能伝承の実現を可能とし、日本の農業の課題である後継者問題の解決に寄与します。
将来的には、本システムを活用し、蓄積した3軸モニタリング情報をビッグデータ解析し、その結果を用いることで、「生育環境」「生育状況」「農作業」の相関を解明し、効率的な栽培方法に関する知見の収集を行います。また、得られた知見を基に、次に起きる事象を予測し、必要な作業を提案できる、農作業支援ツールの開発などへの展開も検討しています。
また農業分野のみならず、特殊な技能を必要とする他業種にも応用、活用できると考えています。
生育環境の影響により生産物の品質・収量にバラつきが生じます。本実証試験では、栽培環境条件の異なる区画において、水平方向20点、それぞれ高さ方向4点を3次元で測定し、温熱環境の要因を把握することで、バラつきを削減する環境制御に活用していきます。
また、収量・品質(結果)との相関をデータ化することで、生育環境・経営情報※7による総合的な指標を導き出し、栽培目的別・施策別の評価への活用をすすめていきます。
今後、多拠点の生育環境・生育状況の取得データをビッグデータ解析することで、環境評価・予測ツールを作成し、最適環境制御に活用していきます。(【別紙】図8)
本プロジェクトでは、計測した3軸モニタリング情報をビッグデータ解析することで、相関を明確にし、将来的には生育環境の分布予測や、省エネ・省資源・栽培目的に対応した最適環境制御、技能伝承と栽培作業支援が可能な統合型次世代農業システムを実現してまいります。
また2015年度末を目途とし、以下の取り組みを進めてまいります。
<参考>2014年5月26日 鈴与商事ニュースリリース
ITを活用した次世代トマト施設栽培の大規模実証試験を開始
〜IT融合による統合型次世代農業プロジェクトについて〜
http://www.suzuyoshoji.co.jp/common/pdf/2014/0526.pdf
別紙・参考資料
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 山田・割澤研究室
TEL:03−5841−6364
NTT西日本 技術革新部
技術部門
研究開発センタ
TEL:06−4793−3741
NTTファシリティーズ スマートコミュニティプロジェクト本部 農業ビジネス推進室
TEL:03−5444−2488
鈴与商事株式会社 アグリ事業・EMS共同研究プロジェクト
TEL:054−273−7819
※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
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審査 14-3107-1