当館について
開設の経緯
「北九州ルネッサンス構想」(門司港レトロめぐり海峡めぐり推進事業)に調和した文化的建造物である
旧NTT門司営業所の建物に、電信・電話で活躍してきた古い設備や過去を語る貴重な史料などを
歴史的遺産として保存するとともにその一部を一般公開し、
少しでも地域文化の振興に役立てていただくため開設しました。
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当館および所蔵品は、平成20年度に経済産業省より
「近代化産業遺産」として認定 -
2013(平成25)年に北九州市より、その外観が
景観上の特徴を有する「景観重要建造物」として指定
建物の概要
門司電気通信レトロ館の建物は、1924(大正13)年に逓信省門司郵便局電話課庁舎として建築されました。
電信電話の需要拡大を背景に、新型交換機導入のための条件となる重量・高さ・防塵に優れた内装、流水防火装置を備える
鉄筋コンクリート造り三階の建物で、100年前の技術の粋(すい)を集めた情報通信建築の先駆けと言われています。
設計者は、当時逓信省営繕課の技師であった山田守氏です。
過去の建築様式にとらわれることなく、新しい建築を創造する「分離派建築会」を大学時代(大正9年)に結成。
日本の建築会に影響を与え続け、後の代表作には「京都タワー」や「日本武道館」などがあります。
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1924(大正13)年建築当時の様子
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かつての交換業務風景
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重要な設備を延焼から守るために「内田式流水防火装置」を内蔵
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裏側の構造も曲線が特徴的
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建設当時のまま残っている漆喰の天井装飾
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優美な曲線を意識させる階段室
館長ごあいさつ
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門司電気通信レトロ館の建物は、1924(大正13)年、逓信省門司郵便局電話課庁舎として建築されました。京都タワーや日本武道館などを手掛けた建築家山田守氏による、日本における希少な逓信建築です。この歴史ある建物を「電信・電話の博物館」として活用し、明治以降に活躍した古い設備や過去を語る貴重な史料などを展示・保存しています。
当館を通じ、いつの時代においても伝えることに力を注ぎ、もっと身近にもっと便利にと知恵と工夫を重ね、つなぐ使命を担ってきた先人たちの知識や技術を皆さまにご覧いただけますと幸いです。また、通信技術が飛躍的な進展を遂げる中、私たちはこの歴史を次の世代へ受け継ぐこと、多くの皆さまにその価値に触れていただけるようにすること、そして当館を古くから支えてくださっている皆さまのお力になれるよう、地域の活性化などにも貢献していくことが大切な使命であると考えています。
展示や体験を通して、ご来館いただく皆さまそれぞれの懐かしい記憶や経験と結び付き、好奇心をくすぐり、世代によっても様々な異なる角度からお楽しみいただける博物館です。多くの皆さまのご来館をスタッフ一同、心よりお待ちしております。
門司電気通信レトロ館館長
江後 紀久子