環境報告書2006トップへ戻る

NTT西日本グループ環境報告書2006「資源の循環利用」

循環型社会の実現、これは、不使用物品を2次利用、3次利用する仕組みを作るとともに、再利用できなくなったもの(廃棄物)をいかに再資源化するかに掛かっています。しかし、廃棄物の再資源化の方法は廃棄物の種類によって様々であり、技術面でも、制度面でも多くの課題が存在します。ここでは、当社の事業活動において、こうした課題を克服し、実績を上げてきた取り組みについて報告します。

撤去通信設備のリサイクル

撤去通信設備のうち再利用されないものについて、品目、材料に応じて様々な用途にリサイクルを推進しております(図1)。リサイクルの推進にあたっては図2に示すように、リサイクル方法にプライオリティをつけて検討しています。即ち、当社が排出したものは、まず自ら使用する物品へマテリアルリサイクルの実現の可否を検討します(NTTクローズドリサイクル)。NTTクローズドリサイクルができない場合は、社外でのリサイクルを検討します(オープンリサイクル)。オープンリサイクルができない場合は、熱源等への利用を検討します(サーマルリサイクル)。


図1 撤去通信設備のリサイクル実施状況

排出物の品目 主なリサイクル用途 リサイクル実施率
(概算値)
通信
ケーブル
メタル
ケーブル
再生メタルケーブル、
再生架空光ケーブル外被
100%
光ケーブル 擬木、建設資材、
セメント原料、燃料
97%
交換機等
所内系設備
金属材
建設資材
99%
コンクリート電柱 路盤材
金属材
100%
木柱 角材、板、チップ、燃料 100%
端末機等 金属材
擬木、建設資材、燃料
95%
バッテリー 再生バッテリー 98%
図2リサイクル方法の検討順位
   
図3プラスチックのクローズドリサイクル事例 図4マテリアルリサイクル再生商品(リペレット)化量の推移

■通信設備のクローズド(循環型)リサイクルへ向けた取組み

先に記述したように、NTT西日本では、リサイクルを推進するにあたり、まず、自ら使用する物品へのマテリアルリサイクル(NTTクローズドリサイクル)を検討することとしております。

これは、我が国の課題であるエネルギー資源の枯渇及び最終処分場の逼迫問題等の克服へ向けた「循環型社会の形成」への貢献策として、当社が果たすべき責任であると考え、その推進に努めております。

↑このページのトップへ

■ケーブル外被のリサイクル

撤去されたメタルケーブルは、これまで、心線部分の銅などの金属材料についてのみ、クローズドリサイクルを実施しておりましたが、2002年度、ケーブル外被のプラスチック部分についても、再び同じケーブル外被へ再利用する循環型リサイクルシステムを構築し、運用を開始いたしました。

通信ケーブル外被のように高い品質が要求される製品を同じ製品へ再生する本格的な循環型リサイクルシステムの構築は、世界的にも例がなく、通信キャリアとして先進的な試みであり、その成果は第5回エコバランス国際会議(*)においても高く評価されました。

2005年度には、このメタルケーブル外被からメタルケーブル外被へリサイクルするノウハウを活かし、メタルケーブル外被から光ファイバケーブル外被への再利用を実現し、メタルケーブル外被のNTTクローズドリサイクルシステムが完成しました。

2005年度におけるリサイクル実績は、151tとなり、これはドラム缶2,600本分の石油資源削減に寄与するものであります。

図5ケーブル外被のリサイクルフロー

↑このページのトップへ

■プラスチック製品のクローズドリサイクル

メタルケーブル用接続端子函や電柱支線ガードなどのプラスチック製品を同じ製品へ再生するクローズドリサイクルを実施しており、NTT西日本発足(1999年)から昨年までの期間で、のべ2,303tのリサイクル実績を計上し、現在も光ケーブル用接続端子函の品目追加など更なる拡大へ向けた検討を継続して行っております。

図6プラスチック製品のクローズドリサイクルフロー

↑このページのトップへ

■光ファイバケーブル外被部分のクローズドリサイクル実施へ向けた取組みについて

当社では、通信環境の大容量化・高速化(ブロードバンド化)の実現に向け、通信ケーブルをこれまでのメタルケーブルから光ファイバケーブルへ急速にシフトさせています。

これまで、撤去された光ファイバケーブルは、産業廃棄物として製造サプライヤと連携し、材料毎のオープンリサイクルを実施しておりましたが、現在、撤去光ケーブル外被のプラスチック部分を、再び同じ光ケーブル外被へ再利用する循環型リサイクルシステムの構築へ向けた検討を行っております。

光ファイバケーブルはメタルケーブルより構造上、複雑であることから外被部分の剥離に高い技術が必要となりますが、将来の廃棄量増加を見据え、早急なクローズドリサイクルシステム構築を実現させたいと考えております。

*エコバランス国際会議:
 LCA(*)をはじめとする環境調和性の評価手法とその適用に関する研究や実践の成果に関する国際会議で文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省が支援している。
 1994年以来2年ごとに、つくば市で開催されており、2002年の第5回会議(11月6日〜8日)では、研究関係者約450人が参加し、そのうち海外からは欧米・アジアを中心に21ヶ国・93人が参加した。
*LCA(Life Cycle Assessmentの略)
 製品の「ゆりかごから墓場まで」の環境負荷をなるべく定量的、かつ総合的に評価する手法

↑このページのトップへ

■通信設備のリユースの取り組み

当社では、環境負荷低減活動の一環として、2004年度より、Bフレッツサービスの解約に伴いお客様宅から撤去されたBフレッツ用ONU(お客様宅に設置される光回線終端装置)のリユースの取組みを始めました。
2005年度に撤去されたBフレッツ用ONUのうち、約73,000個を再利用可能な状態に再生し、約55,000個を再利用しました。

2006年度は、2005年度よりサービスが開始されたフレッツ・光プレミアム用端末のリユースにも取り組んでいきます。


図1Bフレッツ用ONUのリユース

↑このページのトップへ

情報端末における資源のリサイクル化に向けて

情報端末の地球環境保護活動の推進について

NTT西日本グループの回収推進活動は、以下のホームページで公開していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

また、社内啓蒙活動として「販売・工事・保守担当者の地球環境保護活動ハンドブック」を発行し、情報端末の再資源化に取り組むとともに、販売・工事・保守などに携わるNTT西日本グループの社員一人一人が情報端末の地球環境保護活動を積極的に推進しています。

■コードレスホンの使用済み電池の回収・再生

当社のコードレスホンなどで使用されている小形二次電池には、ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池などの種類があります。小形二次電池は数百回もの充電・放電を繰り返すことができる高機能で経済的な電池ですが、小形二次電池にも寿命があるため、使用済みとなったものを一般廃棄物として捨ててしまうことがあります。一方、小形ニ次電池にはニッケル、カドニウム及び鉛などの再資源化できる金属が使用されており、リサイクル部品として回収することにより、再び資源として有効に活用できます。

2001年4月に資源有効利用促進法が施行されたことに伴い、小形二次電池を部品として使用している機器製造メーカが使用済み小形二次電池を自主回収することなどが法制化され、社会的意識も高揚しているところであり、当社においては1994年からニカド電池の回収とリサイクルの取り組みを実施しており、2001年以降はニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池などについても拡大しています(図1)。

  図1使用済み小型二次電池回収リサイクルシステム

*当社が加盟している「有限責任中間法人 JBRC」の回収・リサイクル体制に協力している小売店の団体組織名

■普通紙FAXの使用済みトナーカートリッジの回収・再生

当社では、従来使用後は廃棄処分するだけであった普通紙FAXのトナーカートリッジについて、NTT西日本グループ会社と連携し、回収・リサイクルシステムを構築しています(図2)。

この回収システムでは、普通紙FAXを使用しているお客様からの要請に応じて、回収希望日に使用済みトナーカートリッジを無償で回収し、回収後はリサイクル工場に送付し、再生しています。

  図2使用済みトナーカートリッジ回収リサイクルシステム

■使用済みパソコンの回収・再生

当社では、2003年10月に資源有効利用促進法が施行・改正されたことに伴い、ご家庭(個人のお客様)で使用済みになったパソコンを製造メーカが自主回収及び再資源化するように定められ、NTT西日本が提供するサザンクロスシリーズ及びNTTネオメイトが提供するOZFAシリーズのパソコンについても、この資源有効利用促進法に基づき、製造メーカと連携し、回収・リサイクルシステムを構築しています(図3)。

この回収・リサイクルシステムでは、サザンクロスあるいはOZFAシリーズを使用しているお客様から各商品の製造メーカに回収をお申込みいただくと、まずパソコン回収専用のエコゆうパック伝票がお客様宅に送付されます。次にお客様ご自身で梱包いただき、引取り依頼を行っていただくと、郵便局から回収に伺うしくみになっています。回収後の使用済みパソコンはリサイクル工場に送付され、当該工場で貴金属などに再生しています。

  図3使用済みパソコン回収リサイクルシステム

↑このページのトップへ

お問い合せ先:環境対策室