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NTT西日本グループ環境報告書2006「紙資源節減」

電話帳、電報台紙をはじめとして、事業活動において紙資源の利用は不可欠です。森林資源の直接の消費につながる純正パルプの総使用量について2010年に向けた削減目標を設定し、その使用量の多い電話帳、電報台紙、事務用紙について実行管理しています。2005年度の純正パルプ使用量は約1.3万tで、2004年度より約24%削減しました。

電話帳における再生紙利用

当社では、1年間に約7,000万部の電話帳を発行しており、紙の総使用量は約4.0万tに達します(図1)。
発行部数の多さは利用価値の高さを物語っていますが、これだけ紙を使う電話帳だからこそ、環境に配慮した様々な取り組みをあわせて行い、電話帳事業活動とその環境負荷低減の両立を図っています。具体的な取り組みはエコチャレンジ!電話帳(*1)のホームページでも紹介しています。

*1:エコチャレンジ電話帳!
エコという言葉でエコロジー=環境を表現し、チャレンジという言葉で行動姿勢を表現したもので、環境への積極的な取り組みを行うことを宣言するスローガンです。

図1 電話帳の紙使用量

■純正パルプの使用量削減

2005年度は、純正パルプ使用量の目標値を1.7万tに設定し、新しく電話を引かれるお客様や引越しされるお客様への電話帳要否確認の徹底、さらにハローページの発行方法を見直す(*2)ことで、紙資源の削減に結びつけるとともに、用紙を製造する際の古紙配合率(*3)を向上することで、純正パルプ使用量の実績は、1.3万tと目標を達成することができました。2006年度も引き続き継続的な改善に取り組み、前年度と同様に1.3万tを目標値とし、削減に努めていきます(図2)。

図2 電話帳純正パルプ使用量と古紙配合率の推移

*2:ハローページでの個人名検索のご利用傾向の変化や環境への配慮の観点から、ハローページを企業名編と個人名編に分冊し、個人名編については、事前にお客様のご要望を確認したうえで作成し、ご希望されるお客様のみへお届けする取り組みを2001年7月から実施しています。

*3:電話帳用紙は、木材チップ(写真)を原材料とした純正パルプと古電話帳等を原材料とした古紙パルプをブレンドして作られています。紙の品質を一定以上に保つためには、古紙パルプに純正パルプをブレンドすることが必要不可欠ですが、環境保護の観点から、極力、純正パルプの使用量を減らすため、製紙会社の協力を得て、古紙パルプの使用量の割合を年々増やしており、2005年度の古紙配合率は67%を達成しました。また、純正パルプの使用についても、森林資源の直接消費を抑えるため、家を建てる際に使用された木材の残材などを使用しています。 木材チップ

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■電話帳リサイクルの推進

(1)「電話帳クローズドループリサイクルシステム」を確立

古い電話帳を新しい電話帳用紙に再生する循環型リサイクルシステムとして「電話帳クローズドループリサイクル」を確立しました。

このシステムは、電話帳用紙製造時に配合する古紙パルプの原材料を「新聞古紙」でなく、「古電話帳」自身でまかないたいという考えから生まれた新しいリサイクルシステムです。図3に示すように、従来の電話帳作製においては、改版毎に新たな古紙(新聞古紙)を供給する必要があったことから、版を重ねる毎に古紙の使用量が累積していきます。一方、クローズドループリサイクルシステムでは、原理的に版を重ねても、前回使用古紙を再度古紙として循環使用することができ、古紙使用の最小化が図れます。このシステムを実現するため、まず第一段階として白色用紙を使った電話帳(*4)の発行を2000年2月から始めました。そして、2001年3月にはすべての電話帳をこのタイプに代替することを完了しました。

図4のように、回収された電話帳は製紙会社で電話帳用紙に再生され、印刷・製本を経て、新しい電話帳に再生されます。全国のお客様にご利用いただいている電話帳は、このような仕組みで再びお客様のお手元に届けられます。白色用紙で作られた電話帳を回収し、その電話帳を再生紙として使った新しい電話帳は、2001年9月から発行しています。

図3電話帳クローズドループリサイクル導入の意義 図4電話帳クローズドループリサイクル

*4:職業別電話帳は世界各国で「イエローページ」と呼ばれており、その名の通り黄色用紙が使われています。当社の職業別電話帳(タウンページ)も、日本版イエローページとして黄色の染色用紙を使用していましたが、電話帳用紙に再生する場合、完全脱色がうまくできないことが問題でした。このため用紙自体を白色用紙に変え、白色用紙に黄色のインクを塗布することで黄色の紙面を作る方式を採用しました。

(2)古電話帳の回収拡大が電話帳クローズドループリサイクル成功の鍵

本リサイクルシステムを進めるうえで必要不可欠となるのが、原材料となる古電話帳の回収拡大です。新しい電話帳をお届けする際に利用期間の過ぎた電話帳の回収を徹底し、ご不在の場合は、タウンページセンタ(*5)へご連絡いただければ無料で回収に伺っています。 こうした取り組みにより、古電話帳の回収量を高く維持しています(図5)。

今後さらに、これらの古電話帳回収拡大に向けた施策を積極的に進めた上で電話帳クローズドループリサイクルを実施し、新たな消費を最小限にすることで、循環型社会の実現に貢献していきます。


*5:タウンページセンタ
TEL.0120-506-309 (平日9時〜20時、土曜・祝日9時〜17時、日曜・年末年始は休業)
FAX.0120-817-548(24時間)

図5 古電話帳の回収量と回収率

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■グリーン購入の推進

電話帳の作製にあたっては、環境に与える影響ができるだけ少ない原材料を選択するグリーン購入を推進しています。電話帳用紙、背のり、インクなどの購入時には、有害な化学物質を含まないものを購入するよう製紙会社及び電話帳印刷製本会社に協力を呼びかけるとともに、様々な化学物質調査を通じてチェックを行い、利用者の皆さまに安心してお使いいただける電話帳をお届けする努力を続けています。

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電報台紙における再生紙利用

電報台紙の紙部材への再生紙利用促進を図り、純正パルプの使用量削減に取り組んでいます。電報メッセージをパッケージングする電報台紙は、慶祝・弔慰・一般紙を合わせ32種類(2006年7月末現在)あり、紙を使用したものや布地を素材としたものがあります。2005年度に取り扱った電報通数は1,068万通(全国2,026万通)に上り、このうち紙製電報台紙による紙総使用量は797tです。電報台紙などへの再生紙導入の取り組みとして、紙製台紙を用いた新商品の開発時や、既存台紙のリニューアル時に古紙配合率を上げるなどの取り組みを進めてきました。

2005年度は、紙製台紙の純正パルプ使用量の年度目標値(対前年度5%削減の185t)に対し、使用量実績を163t(対目標値22t減)に抑えて目標を達成し、紙総使用量に対する古紙配合率は2004年度を6%上回る80%を達成することができました。

2006年度は、第3四半期以降に複数の新商品を発売予定であり、開発にあたっては、古紙配合率を高めた仕様を目指しており、再生紙利用促進が期待できます。

紙製台紙の他に、「キティちゃんDENPO」、「ドラえもんDENPO」、「くまのプーさんDENPO」、「ミッキーマウスDENPO」、「ミニーマウスDENPO」、「アンパンマンDENPO」などの布地を素材としたぬいぐるみ型の電報があり、これらの本体素材にはセミダルボア生地又はベルボア生地(いずれも1974年度厚生省令第34号アセチルアセトン法《ホルマリン含有量75ppm以下》に適合したもの)を使用するなど、環境に負荷を与えない素材を使用しています。また、メッセージを入れる紙筒に古紙を利用するなど、純正パルプ使用量削減にも取り組んでいます。

今後も電報台紙の開発については、古紙配合率を高めるとともに、「環境負荷のより少ない素材」を使用する取り組みを推進していきます。

写真1【手づくり刺しゅう電報「はな」】 写真2【キャラクターパックDENPO「ミッキーマウス&ミニーマウス」】

写真1【手づくり刺しゅう電報「はな」】

写真2【キャラクターパックDENPO「ミッキーマウス&ミニーマウス」】(C) Disney

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事務用紙の純正パルプ使用量削減

事務用紙については、100%再生パルプを用いて製造された再生紙に切り替えたことから、2005年度に事務用紙における純正パルプの使用はなくなりました。今後は、紙使用量そのものの低減を継続して進めていきます。

事務用紙純正パルプの使用量の推移

オフィス・ペーパー・リサイクルかなざわの取り組み

「オフィス・ペーパー・リサイクルかなざわ」とは、地球規模の環境問題や地域のゴミ問題に少しでも貢献するため、「地域での古紙リサイクルの輪」を完結させている、金沢市及びその付近の企業・法人及び団体が集まっているサークルです。

オフィスから排出されるゴミの大半は、リサイクル可能なゴミで占められており、オフィスで適切に分別してリサイクルすれば、原料から紙を作るためのエネルギーが大幅に削減されるだけでなく、貴重な森林資源が節約され、地球規模の環境問題と地域のゴミ処理問題の両面に貢献できることになります。
当サークルでは、オフィスから排出される使用済みの紙(コピー用紙等の上質紙・新聞紙・ダンボール・雑誌等)を分別して回収するとともに、回収した古紙を原料として再生した製品(トイレットペーパー・フラットファイル等)を会員自らが積極的に購入・使用しています。

今では分別回収やリサイクルは、ISO14001をはじめとする環境保護活動意識の高まりによって、当たり前のこととなってきましたが、当サークルでは約10年前から「地域での古紙リサイクル」に取組んでいます。

平成7年のスタート時には42社だった会員数も、現在では107社(H18.3現在)となっています。 事務局は、北陸電力 (株) 石川支店・西日本電信電話 (株) 金沢支店の二社が合同で運営しています。

「オフィス・ペーパー・リサイクルかなざわ」回収実績の推移
 
「オフィス・ペーパー・リサイクルかなざわ」回収フロー図
 
リサイクル専用ボックス(ダンボール)の写真

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その他の紙資源節減の取り組み

■定期刊行物

社外への情報発信及びNTT西日本グループ社員への各種情報提供・意識啓発のために、毎月発行している以下の広報誌について、純正パルプ使用量の削減を順次展開しています。

2004年度においては「西広場」における純正パルプ使用量をなくしました。また「fromNTT西日本グループ」については2005年度末で休刊とし、2006年度からはNTT西日本公式ホームページ内に新たに開設した「NTT西日本グループマンスリージャーナルNewREPORT」にてNTT西日本グループのニュースやサービス・商品情報を掲載しています。

定期刊行物の純正パルプ使用量(20005年度 単位:t)
定期刊行物名 fromNTT西日本 西広場 合計
純正パルプ使用量 2.4 0 2.4
紙使用量 6 66 72
純正パルプ使用率(%) 40 0
主な配布先 社外 社内

■請求書

お客様にお届けする「請求書」や「口座振替のお知らせ」は年間約3通にのぼり、紙使用量は封筒を含め約3,500tにもなります。紙資源を節減するため、2005年度は請求書で50%、封筒で70%の古紙を配合しました。

また、純正パルプ使用量を抑えるだけでなく請求書や封筒自体を削減するため、複数の電話をご利用のお客様には、「請求書を一枚に合算したり、1つの封筒でお送りするサービス(無料)」や、「ご請求額の内訳書を磁気媒体やオンラインでお送りするサービス(無料)」をお勧めしているほか、電話料金を口座振替でお支払いいただいているお客様には、「口座振替のお知らせなどを、書面でのご案内に代えてweb上(インターネット)で提供するサービス(無料)」(*1)もお勧めしています。

*1:「Myビリング」サービスで紙資源削減・消費エネルギー節減

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お問い合せ先:環境対策室