観光資源を再整備し新たな集客モデルの確立に挑む和歌山県

効率化や作業の安全性を高めるインフラ老朽化対策

和歌山県は、豊かな自然や歴史・文化など多彩な観光資源に恵まれており、観光による地域活性化の潜在力がとても高い地域といえます。一方で、トンネルや橋梁などインフラ設備・構造物の老朽化、台風や地震など大規模自然災害への防災対策やインフラ維持といった大きな課題があります。

私たちは今、こうした和歌山県の課題を、ICTを活用して解決する取り組みを始めています。その一つが高野山での観光振興の実証実験です。観光シーズンには毎年交通渋滞が発生しているのですが、混雑状況が把握されておらず渋滞緩和対策ができていませんでした。そこで産官学が連携し、私たちのICTを活用した「高野山データ分析プロジェクト」を実施しました。実験では「車両認証システム」で収集した車両データを分析し、迂回ルートを自治体ＨＰなどで情報提供して渋滞緩和に役立てました。また、新たな集客モデルの確立を目的に高野山の自然や文化資源、および瞑想などの体験をミックスした「オンラインとリアルを融合させたマインドフルネス研修」も行いました。その結果を解析し、企業向けのワーケーションプランなどに展開して新たな来訪者の獲得をめざします。

インフラ設備・構造物の点検では、ドローンの活用や、車載カメラを搭載した点検車両による高解像度画像データを用いた診断など業務の効率化やコストダウン、技術者不足の解消、そして点検作業の安全性向上を支援しています。

今後も、地域レベルでの産官学連携によってさまざまな課題に立ち向かい、防災対策や観光振興、そしてDXの地域への展開に取り組んでまいります。

※上記は2022年3月4日時点の情報です。