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第63回じまんの家族図画・作文コンクール
特賞(作文の部)4学年の部

沖縄カトリック小学校 山田 親ノ介(やまだ しんのすけ)

「犬のひめ姉」

 うちの家族には、犬のひめ姉がいます。ダックスフンドと言う犬種です。年齢は、十四歳です。ぼくより五歳年上です。色は、体全体は白ですが、顔は、茶色と白です。背中には、点々のような茶色い小さなぶちがたくさんあります。左の脇腹と尻尾の付け根には、大きくて丸くて焦げ茶色のぶちがあります。尻尾も、茶色と白です。脚は、すごく短いです。胴体部分は、すごく長いです。さわると、やわらかくて、ふわふわで、とても気持ちがいいです。
 ひめ姉のお気に入りのものは、窓側に置かれている、赤くて丸い座布団です。ひめ姉はそこで毎日ひなたぼっこをしています。
 お父さんとお母さんは、「ひめちゃん」と呼びます。でもぼくが「ひめ姉」と呼ぶのは、姉と弟のようにして育ってきたからです。ぼくが生まれた時は、一緒に大分県に里帰りをしていたし、赤ちゃんの頃は、一緒に昼寝をしたし、小さい時は散歩にも一緒に行き、公園で一緒に遊びました。
 ひめ姉は、もうおばあ犬になったので、ぼくが学校から帰ってきた時はいつも昼寝をしています。また、ひめ姉は耳が遠いので、ぼくが、
「ただいま。」
と、言っても気づきません。お母さんは、
「起こさないように静かにしてね。」
と、静かに言います。ぼくがおやつを食べる頃にゆっくり背伸びをしながら起きてきます。
お母さんは、ひめ姉を抱っこして、
「ひめちゃんは宇宙一かわいい。」
と、いつも言います。だからひめ姉は、
「私、宇宙一かわいい。」
と、言っているみたいです。
 ひめ姉とぼくは、仲がいいかといえば、そうでもありません。
ぼくがなでようとしたら、
「なでるなんて十年早い。」
と、言っているような顔で、ウウーと、うなってなでさせてくれません。その上、抱っこをしようとしたら、
「抱っこするなんて百年早い。」
と、言っているような顔で、ワンッ!と、吠えられます。なでたり、抱っこをしたいけれど、ひめ姉が、嫌そうなので、仕方ありません。
 また、お母さんがひめ姉のおもちゃを投げたら、うれしそうに取ってくるのに、ぼくが投げたら、取ってこようとしません。まるで、
「あんたが投げたんだから、あんたが取ってきなさいよ。」
と、言っているようです。ぼくは、ちょっぴり残念な気持ちになります。
 でも、ひめ姉は、ぼくがソファーに座っているとき、隣に静かに座ってくれます。時々、優しい顔でぼくのことを見つめています。ぼくは、ひめ姉のことが大好きです。
これからも大切にします。そして、ずっとぼくのひめ姉でいてほしいです。

 

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