このページの本文へ移動

ここから本文です。

第63回じまんの家族図画・作文コンクール
NTT西日本沖縄支店賞(作文の部)

久米島小学校 6年 嘉手苅 志優(かてかる しゆう)

「お母さんへの反抗期」

 ぼくは、反抗期かもしれない。いや絶対そうだ。なぜかというと、お母さんの声を聞くと、なんだかイライラする。そして、ぼくの事に関して、いちいちうるさい。もううんざりだ。
 体育着を洗たくに出し忘れた朝のお母さんは、鬼のようにおこっている。
「志優、夜のうちに確認していなかったの。」
とぼくのイライラする声で言ってきた。ぼくは、思わず
「イライラするから名前よばないで。」
と言った。すると、お母さんは、一しゅんびっくりした顔をして、笑いながら言った。
「はいはい。嘉手苅さん、次からは気をつけてくださいね。」
とぼくの事を名前ではなく「嘉手苅さん」と呼んだ。ぼくはくやしくて、もっとイライラしたけど、お母さんにはどうせかなわない。
だから、もう反抗する事をやめると決めた。
でもぼくが、反抗できない理由はもう一つある。それは、お母さんがいつもぼくのことを一生けん命サポートしてくれていることだ。
とくに野球のサポートだ。毎日の送げいや休日のお弁当づくり、チームのお手伝いもしてくれる。それは、本当に感謝している。
野球での帰り道、ぼくはお母さんに
「いそがしい時は、友達のお母さんが送ってくれるって言ってたよ。」
と言った。するとお母さんは、
「助かるね。でもお母さんはなるべく送げいがんばるね。志優と話ができるこの時間が大切だからさ。」
と言った。ぼくは、不思議に思って、
「なんで。」
と聞き返した。お母さんは、
「志優が今どんな気持ちなのか知りたいし、もしつらかったり、悩んでる事があれば、こうやって会話する事で、少しでも気持ちが楽になればなぁと思ってさ。」
と言った。ぼくはおどろいた。むかえないといけないからやってるんじゃなくて、ぼくの事を想ってしてくれていたんだと初めて知った。お母さんのために言ったつもりだったけど、お母さんの想いに気づけていなくて申しわけない気持ちとお母さんの優しさがうれしかった。でもやっぱり少しイラついた。
 おこられても、優しくされてもどちらにしてもイライラする。そしてそのイライラを止める対処法がないのが反抗期だ。きっと仕方がないのだ。ぼくは、お母さんにかなわない。反抗してもどの道勝てない。でもイライラを止める方法がないので、ぼくは反抗し続けると思う。これからたくさんわがままも言うし、サポートもしてもらうだろう。そして、たくさんイライラもするし、たくさん感謝もするだろう。どうせなら、ぼくはお母さんに最高に幸せで思い出に残る反抗期を届けてあげようと思う。お母さん、これからもよろしくね。

  1. ※掲載画像の無断複写・複製・転載はご遠慮ください。

前のページに戻る