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ゼロトラスト時代、グループ内で多くの社員が働く環境を支える。若手主体のIT基盤戦略担当

ゼロトラスト時代、グループ内で多くの社員が働く環境を支える。若手主体のIT基盤戦略担当
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この記事の目次

この記事の内容【読了時間17分】

NTT西日本グループには、社内のPCやソフトウェア、ネットワークなどのIT環境を支える「IT基盤戦略担当」というチームがあるんだ。グループ内の数万人が利用する環境を、実は少人数で運用しているんだって。どんなことをしているのか聞いてみたよ。
※本記事の内容は当時(2026年2月)の情報に基づいています。

IT環境を支えるって、どんな仕事なんだろう?

1.快適さと情報セキュリティ、その両立を支えるチーム

今、多くの企業で導入が進むM365。さらに高度化するサイバー攻撃への備えなど、私たちの仕事環境には、常に“快適さ”と“安全性”の両立が求められています。

NTT西日本グループでは、2022年よりセキュアFATを導入しています。セキュアFATとは、端末の持ち運びが可能で、FAT端末としての高い利便性を備えるとともに、ゼロトラストセキュリティに基づく高度な安全性を実現した業務環境です。オフィス・自宅・外出先など働く場所が多様化する中でも、セキュリティを確保しながら、クラウドサービスを活用した効率的な業務遂行が可能となっています。また、M365をはじめとした業務効率化ツールの活用推進も進めています。

今回は、こうしたIT環境を支えるIT基盤戦略担当の皆さんを取材。多くの社員が利用する環境を支えるこのチームには、若手を中心とした前向きな連携と、気軽に相談できる風通しの良さがありました。

■IT基盤戦略担当とは?

デジタル革新本部 デジタル改革推進部 デジタルガバナンス部門に所属する15名のチーム。セキュアFAT環境の企画・運用をはじめ、セキュリティ強化施策、PC端末の調達、さらにM365など業務効率化ツールの活用推進にも取り組んでいます。

デジタル革新本部 デジタル改革推進部 デジタルガバナンス部門 IT基盤戦略担当の皆さん
デジタル革新本部 デジタル改革推進部
デジタルガバナンス部門 IT基盤戦略担当

快適に働けるようにすることはもちろん、今は情報を安全に扱える環境づくりも大切なんだね。

モグラ

どんな想いで働く環境を支えているのか聞いてみたよ。

2.異動者も活躍。社員の働く環境をアップデート

山口さん
山口さん

——具体的にどのような業務をされているのでしょうか?

山口さん:私たちは2022年度からセキュアFATの導入を進めており、デジタル化の推進によって皆さんの業務を下支えするため、クラウドやゼロトラストセキュリティを中心としたOA環境を整えています。快適で安全な社内IT環境を追求しつつ、社員の皆さんが安心・安全に利用できる環境を確保するのが私たちのミッションです。

社員の皆さんが利用しているセキュアFAT端末は、実際にはM365やAzure、SASEなどの多数のシステムで構成されており、これらの設定や運用も自分たちで行っています。

——セキュアFATの導入で苦労されたことは?

山口さん:導入時は、既存の社内OA環境で利用していた機能、例えば各組織が業務で利用しているSaaSサービスや社内システムとの接続、個別のアプリケーション利用の仕組みへの対応が必要でした。既存環境からセキュアFATへの刷新では、これらを短期間かつ確実に対応しなければならず、そこは大きな苦労でした。

お問い合わせも数多くあり、お待たせしてしまうこともありましたが、皆さんに協力いただいたおかげで、予定より前倒しで移行することができました。

——こうした業務には、どのような経験やバックグラウンドを持った方が携わっているのでしょうか?

山口さん:私は以前、サービスマネジメント部で電柱などを管理する設備系の統括業務を担当していました。今の業務とは全く異なる分野でしたが、大学で情報セキュリティを学んでいたこともあり、「挑戦してみたい」と思い、内田さんと同じ時期に社内公募制度を通じて異動してきました。

この仕事で大切なのは、専門知識だけではなく、「もっと良くしたい」という意欲だと思います。利用者と運用者、それぞれの視点からOA環境の改善を考える姿勢が求められていると感じます。

——内田さんも社内公募制度で異動してこられたのですね。

内田さん:以前は別部署で、データセンターサービスの主管業務を担当していました。Teamsが導入され、「今後さらにM365を活用していこう」という流れになっていたタイミングで募集を知り、異動を希望しました。

現在は、M365などのSaaSサービスを活用した業務のデジタル化推進を担当しています。社員の皆さんが有用な機能を安全に利用できる環境づくりに取り組んでいます。

——様々な機能が業務に浸透し、便利になりましたね。

内田さん:Power PlatformやCopilotなど、自動化ツールや生成AIの活用も広がっています。導入フェーズが一段落した今は、既存業務をどのようにM365へ置き換えていくか、活用をさらに広げていく段階に入っています。

例えば、スマートフォンからでも、Teams上で暗号化されたファイルを安全に閲覧できるようになっています。こうした環境整備もその一つです。

——生成AIの活用が広がる中で、どのような点を意識されていますか?

内田さん:非常に変化の速い分野なので、トレンドに乗り遅れず、同時に安全性も確保する。そのバランスの難しさを感じています。アップデート情報を随時キャッチアップしながら、どのような機能拡大ができるかを検討しています。また、社員の皆さんから「こういう機能は使えないのか?」という問合わせをいただくことも多く、現場の声は大切な情報源になっています。

一方で、クラウドサービスは意図せず外部にデータを送信してしまう危険性をはらみます。運用者としては安全な環境を整えながら機能拡大をしていく必要があるので、セキュリティ&トラスト部と連携しながら検討を進めています。

「もっと良くしたい」という思いがあるから、いろいろアップデートできるんだね。環境づくりって、その積み重ねなんだね。

モグラ

どんな工夫をしながら仕事を進めているのか聞いてみたよ。

3.立ち止まらずに相談、そして前進。チームの運用スタイル

——高田さんもセキュアFAT導入を担当されているのですね。

高田さん:セキュリティ&トラスト部、デジタル改革推進部と連携しながら、セキュアFATシステムのグループ会社への導入拡大を進めています。

現在は、テルウェル西日本、NTTソルマーレ、メディアプラットフォームラボへの導入支援を担当しており、Autopilot(PCの初期設定〈キッティング〉の自動化)を活用した端末運用などの検討も行いました。

各グループ会社はオフィス、電子コミック、メディア配信など様々な事業を展開されており、OA環境に求められるニーズも異なります。その環境を統合していくことに非常にやりがいを感じます。

——セキュアFAT端末導入で工夫したことを教えてください。

高田さん:異動してきたばかりの頃に利用マニュアルの作成も担当したのですが、自分自身もこの環境に初めて触れる立場でした。その分、利用者に近い視点で考えることができたので、結果的には良かったのかなと思っています。実際に端末を操作しながら検討を進め、利用者が戸惑いそうなポイントを意識して整理していきました。

——異動してきたばかりのタイミングでマニュアル作成を担当されたとのことですが、不安はありませんでしたか?

高田さん:マニュアル作成の経験もなかったので、不安はもちろんありました。自分自身も初めて触れる環境だったので、実際に端末を操作しながら、一つひとつ確認していきました。

当時から、困った時は同じチームのメンバーにすぐ相談するようにしていましたし、今もその姿勢は変わっていません。一人でできることには限界があるので、自分から積極的に相談したり、打ち合わせの場を設けてもらったりしています。同期も多く、相談しやすい雰囲気があるのは、このチームの魅力だと思います。

——端末故障などのリスクに備え、セキュアFAT端末を共有する運用もあるそうですね。

S.Oさん:はい。RPA(業務自動化ツール)の実行や、セキュアFAT端末故障時の対応などを想定し、複数人で1台の端末を利用できる「シェアードセキュアFAT端末」の導入を進めています。全体的なコストを抑えながら、利用者の皆さんにとっても便利な運用をめざしています。

——新しい運用を導入する際は、どのようなことを意識しているのですか?

S.Oさん:考え込みすぎず、とにかく動くことですね。ここでは比較的スピード感が求められると感じています。短期間でさまざまな問い合わせに対応しながら、机上の想定だけではなく、実際に端末を使って確認・検証を進めています。課題が見つかるたびに、方針の見直しや周知を繰り返しながら、柔軟に対応しています。

——他にはどのようなお仕事をされているのですか。

S.Oさん:現在は、社内OAネットワークで利用している回線を、各拠点の無線Wi-Fi環境向けインターネット回線(インターネットブレイクアウト回線)へ順次切り替える対応を進めています。西日本全域で約300拠点あるため、現状を整理しながら、各拠点へのヒアリングや切り替え方針の検討を行っています。

——約300拠点それぞれ状況も異なりそうですが、どのように進められているのでしょうか?

S.Oさん:新たに見えてくる課題も多く、社内ネットワークの運用主管であるNTTビジネスソリューションズや、工事統括を担うNTTフィールドテクノとも連携しながら進めています。NTT西日本全体のコスト低減をめざすだけでなく、クラウドサービスを快適に利用できる環境や、通信量の変化にも柔軟に対応できるネットワーク構成を検討しています。

グループ会社ごとに仕事や環境が違うから、求められることもさまざまなんだね。だからこそ、まず動くことや、チームでの連携が大切なんだね。

モグラ

最新の取り組みもあるんだって。どんなことかな?

4.AIチャットボットで変わる、社内問い合わせ対応

——社内OAポータルサイト「OASIS」の主管もIT基盤戦略担当だそうですね。

本間さん:以前は「セキュアFATポータルサイト」として、セキュアFATに関する問い合わせ対応を中心に運用していましたが、2025年4月にリニューアルしました。現在は、セキュアFATに加え、M365や社内OAに関する問い合わせ、各種申請などもまとめて対応できるポータルサイトとして運用しています。

——リニューアルにあたって、特に力を入れたことはありますか?

本間さん:AIチャットボットの導入です。セキュアFAT関連の問い合わせが多い中で、困っている社員の皆さんが迅速に問題解決できる環境を整えたいと考えました。また、問い合わせ窓口を担当する方々の負担軽減も目的の一つです。

現在は、チャットボットに毎日約500件の問い合わせが寄せられています。窓口担当者への問い合わせ件数も、導入前と比較して約40%減少しました。今後は問い合わせ対応だけでなく、エージェントAIや自動化など、活用領域をさらに広げていきたいと考えています。

——実際に運用してみて、手応えはいかがですか?

本間さん:メールなどで個別に問い合わせをいただくこともありますが、私たち自身も、まずはAIチャットボットで確認し、その回答を参考にしながら対応しています。人はどうしても記憶が曖昧になることがありますが、AIに蓄積されたナレッジは一定の精度で参照できるので、かなり助けられています。

——現在は、どのような改善に取り組まれているのでしょうか?

本間さん:チャットボットの回答に対する「よくないね」のフィードバックや応答履歴を参考に、FAQや学習データの見直しを繰り返しています。「いいね」「よくないね」の反応は改善の大切なヒントになるので、利用者の皆さんからのフィードバックは非常にありがたいですね。

——利用者の反応はいかがですか?

本間さん:厳しい意見をいただくこともありますが、改善の糸口として大切にしています。困った時はすぐ仲間に相談するようにしているので、一人で抱え込まずに運営できているのも大きいですね。逆に、「使いやすい」といった声をいただけることもあり、それが大きな励みになっています。

使う人の意見を取り入れて、もっと良くしていく。AIチャットボットも、作って終わりじゃないんだね。

モグラ

快適・安全は誰かに支えられているんだね。

5.見えない場所から、働く環境の「当たり前」を支える

IT基盤戦略担当のメンバー

——実際に利用者の方の声が届く環境なのですね。

山口さん:AIチャットボットで解決しなかった問い合わせについては、オペレータがオンラインで対応する体制を整えています。そこで社員の方から感謝の言葉をいただく場面も増えてきていると聞いています。

高田さん:以前は海外向け配信サービスの開発チームにいたので、利用者の方の声に直接触れる機会が少ない環境でした。今は社員の皆さんのお悩みが直接届く場所にいるので、「使えるようになりました!」というコメントを見るとうれしくなります。

内田さん:感謝されることも多い一方で、ちょっとした違和感でも問い合わせは急増します。このデジタルワークプレイスは、さまざまなチームと連携しながら私たちが支えているものです。「当たり前」に使えている環境も、多くの人の支えによって成り立っていることを知っていただけたらうれしいですね。

——社員の皆さんの「当たり前」を守るチームということですね。

本間さん:私も異動してくるまでは、このチームの存在を詳しく知りませんでした。今は、自分の仕事が全社のIT環境に与える影響の大きさを実感していますし、それがやりがいにもつながっています。

山口さん:NTT西日本グループで多くの社員が利用する環境を、この人数で支えていることに驚かれるかもしれません。ゼロトラストセキュリティや生成AIなどの新しい技術を、自分たちの実環境で導入・運用しながら、社員の皆さんの反応も直接いただけるので、とても貴重な経験になっています。

S.Oさん:新しい機能や利用方法の検討・周知など、仕事の影響範囲はどんどん広がっています。責任の大きさは感じますが、周囲に相談しながら前向きに取り組めています。若手同士でも相談しやすく、協力しながら進めていける雰囲気の職場だということも知ってもらえたらうれしいです。

デジタル革新本部 デジタル改革推進部 デジタルガバナンス部門 IT基盤戦略担当
松本 担当部長

IT基盤戦略担当では、社内IT環境のゼロトラスト化やクラウド活用を推進しています。フィールドテクノやビジネスソリューションズとも連携しながら、設計・構築から運用、問い合わせ対応、維持管理まで、グループ内での推進体制づくりにも取り組んでいます。

対象領域は端末、クラウド、ネットワークまで幅広く、担当者同士が密に情報共有しながら、利用者の利便性向上と安定運用の両立をめざして日々改善を進めています。

今後も、より良い利用環境を提供できるよう取り組んでいきます。

デジタルガバナンス部門メンバーで集合した様子
デジタルガバナンス部門メンバーで集合

「当たり前」の環境は、多くの人の力で支えられているんだね。そして、「ありがとう」や「使いやすくなったよ」の声が、もっと良くする力になっているんだね。

モグラ