自動運転バスって、いまどれくらい身近になっているのかな?
1.自動運転バスはいま、実証から「暮らしの足」へ
「各自治体にとって、2027年が大きな節目になるでしょう」。そう話すのは、NTT西日本で自動運転バスの仕事に携わる小川原汐音さんです。まずは、自動運転バスを取り巻く今の状況から聞きました。
——自動運転バスは、いまどのような段階にあるのでしょうか?
国の後押しが本格的になってきています。2024年度には国土交通省の補助事業で99件が採択されるなど、先行する自治体を中心に実証実験の検討が進められてきました。最近は、実証実験そのものを目的にするのではなく、導入したあとの効果や、無理なく続けられる運営の方法まで見据える自治体が増えています。2026年1月には、政府が2030年度までにバスやタクシーを含む自動運転車両1万台の導入を目標に掲げました。自動運転を暮らしの中に根付かせるための動きが、全国で加速しています。
——NTTグループでは、どのような体制で取り組んでいるのでしょうか?
NTTグループでは、NTT西日本のほかにNTT東日本やNTTドコモビジネス、2025年に設立されたNTTモビリティなどが自動運転事業に取り組んでいます。車両の調達や遠隔監視といった運行の土台をグループで共通化して、導入や運用をスムーズにしていこうとしているところです。
その中でNTT西日本は、自動運転EVバスの導入全体を取りまとめる役割を担っています。2025年には、自動運転車両とシステムを手がけるフランスのNavya Mobility社に出資し、日本の道路や使われ方に合った技術開発や、運用を支える体制づくりも進めています。また、西日本エリアではNTT西日本が多くの実証や導入を手がけてきました。その経験をグループ各社とも共有しながら、全国での自動運転の社会実装を一緒に進めています。
——自治体の関心は高まっていると感じますか?
着実に高まっていると感じます。各自治体がつくる公共交通の計画にも自動運転に関する方針が盛り込まれるようになり、将来の地域交通を支える手段として、具体的に検討される段階に入ってきた印象です。
以前は情報収集や実証実験そのものに関心が集まっていましたが、最近は導入後の運営体制や費用の分担、地域にどんな効果があるのかといった、実際に街で走らせることを前提にしたご相談が増えています。
試しに走らせてみる段階から、街の足としてどう続けていくかを考える段階へ。自動運転バスは、少しずつ暮らしに近づいているんだね。
