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上賀茂神社様・ 対談会 みどりいっぱいプロジェクト  2017年7月

Dialogue NTT西日本グループの地球環境保護活動と地域社会に果たす役割

六月を迎え、緑がとても眩しい季節となりました。生命の息吹、躍動が感じられる6月3日に、京都市北区の賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)、通称「上賀茂神社」で7回目となる「葵植栽会」が、無事に執り行われました。
植栽会を終え、上賀茂神社様から田中安比呂宮司、乾光孝権禰宜にご参加いただき、NTT西日本 黒田吉広副社長、佐々木康之 京都支店長、原美永子環境経営推進室課長とNTT西日本グループの地球環境保護活動と地域社会に果たす役割について、お話しいただきました。

―田中宮司:
「葵プロジェクト」を立ち上げ、毎年多くの皆さまに葵の生育にご協力いただき、感謝しております。
実は、今年の賀茂祭でも、NTT西日本の皆さまに植えていただいた葵の葉も利用させていただきました。

―黒田副社長:
NTT西日本グループが葵プロジェクトという大変素晴らしいプロジェクトに参加させていただき、感謝しております。
あれだけたくさんの葵が一面に広がるのを目の当たりにするのは、初めてでした。今が一番、青々として綺麗な時なのでしょう。上賀茂神社の境内という独特な環境とも相まって、直に葉の勢いを感じることができ、その生命の息吹に圧倒されました。

―佐々木支店長:
私がこの植栽会に参加させていただくのは、去年に続き2回目です。
植栽エリアが徐々に広がっていることがとても嬉しく、今後ますます広がっていくことを願いますし、社を挙げてこの活動に末永く貢献し続けたいと感じました。

―乾権禰宜:
植栽会も今年で7回目を迎え、第1回目からご参加いただいている方もお見受けします。継続して参加いただけるのはありがたく、同窓会を見守るような感覚で「今年も来ていただき、ありがとうございます」とご挨拶させていただけて、とても嬉しく思いました。

【葵祭とフタバアオイについて】

―司会:
先月15日に平安時代から続く「賀茂祭」(葵祭)が斎行されました。この葵祭に欠かせないのが、フタバアオイです。
まず、「葵祭」とこのフタバアオイについてお教えいただけますか?

―田中宮司:
「賀茂祭」に葵を飾るようになった由来は「賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が天から降りてくる時に、この葵という草と桂(カツラ)という木の枝をたくさん束ねて飾りお祭をすれば無事、地上に降りて来てくれますよ」とのご神託だそうです。神の仰せを1450年前からずっと変わらず守り続けているのです。たくさんの葵を飾るから、いつしか「葵祭」と呼ばれるようになったのですね。

―司会:
まさに王朝絵巻を見るようなお祭りです。
賀茂祭に欠かせないこのフタバアオイ、いったい何枚くらい使われているのでしょう?

―乾権禰宜:
当神社だけではなく下鴨神社や京都御所にも飾りますので、全体でおよそ1万4000本です。二つの葉が一つの茎から分かれて出ておりますので、茎の部分を1本と数えて1万4000本です。

―黒田副社長:
1万4000本とは、すごい数ですね。そこまでサステナブルな葵の生育環境を整えるには、並々ならぬ努力がいったことでしょう。

―乾権禰宜:
多くの方のお力をいただきながら自生の葵を増やす取り組みをしております。
実はこの境内の近くに「上賀茂葵之森町(かみがもあおいのもりちょう)」という名前の町があります。下鴨神社のことをしばしば「糺(ただす)の森」と呼ぶのに対し、当社はその町名から察するに「葵の森」と呼ばれていたのではないでしょうか。昔この辺りも葵がたくさん自生していたのでしょう。

―司会:
森深くに棲んでいた野生の動物がこの辺まで降りてきて、葵を食べてしまうなどといったこともあるのでしょうか。

―乾権禰宜:
最近鹿の食害も問題になっています。動物の生態に詳しい方にお話を伺うと、もともと鹿は葵を食べなかったそうですが、群れの中の一頭が食べると、他の鹿も「これは食べられる草なのだ」と理解して、一気に食べていってしまう習性があるようです。

―黒田副社長:
昔は豊かな自然環境があり、葵も育ちやすかったのかもしれませんが、昨今は努力なくしてはなかなか持続できない時代になったと、つくづく感じさせられます。

―司会:
歴史ある祭に欠かせないフタバアオイを植栽するのは、貴重な体験ですね。

―佐々木支店長:
永い歴史のある葵祭に貢献させていただけることを光栄に思います。
私どもはこの葵の植栽だけではなく、「葵サミット」といって、インターネット回線を繋いで、地域の小学生が葵を育てることを通じて、自然環境の保護や文化継承などについても勉強していただく機会をご提供しています。

―司会:
京都市内の小学校を結ぶものなのでしょうか?

―乾権禰宜:
京都の上賀茂神社をキーステーションとして静岡県の静岡市と浜松市、福井県鯖江市、東京の各会場とTV会議システムでラインを繋ぎ、地域の小・中学生を対象に葵の交流学習会を行うというものです。

―司会:
静岡や福井、東京でも、葵を育てているのですか?

―田中宮司:
駿府城跡がある駿府城公園のそばにある「葵小学校」をはじめ、全国に葵がつく地名や学校名は数多くあります。上賀茂神社と同じ御祭神の「賀茂社」も全国におよそ1000社あります。それらの町や社などで祭に葵を飾る風習が残っているのです。
ご縁あって、静岡の葵小学校の皆さんは当神社から株分けした葵を校内で一生懸命育てて、5月の賀茂祭の時にはその育てた葵を返しに来てくださいます。

―司会:
その成長具合などについて子どもたちが学習し、インターネットを活用して報告会をするそうですね。

―乾権禰宜:
年1回、行っています。

―田中宮司:
静岡の葵小学校の皆さんは、葵が取り持つご縁で、6年生の修学旅行で毎年京都を訪れてくれるようになりました。

―司会:
その修学旅行のルートに、上賀茂神社参拝は入っているのですか?

―田中宮司:
当神社のすぐそばにある上賀茂小学校で給食を囲んで交流を深めた後、当社へ来てお参りをしていただいています。葵を植栽していただいた畑も見てもらっています。
こうして各地とご縁ができたことで、いろいろな小学校が葵を育ててくれるようになり、本当にありがたいです。

―司会:
こういった活動は、京都支店ならではですか。

―佐々木支店長:
地元発信で、各地の支店などとも連携を取りながら取り組ませていただいています。

―乾権禰宜:
葵使(あおいつかい)という、静岡の駿府城に葵を届ける儀式があるのですが、それを今回は、「“繋ぐ”という意味合いを大切に、各支店で繋いでいただけませんか」と、NTT西日本京都支店にご提案しましたところ、快くお受けいただきました。京都支店から出発し、静岡支店経由で駿府城に届け、そして静岡の葵小学校の生徒にその葵を育てていただき、最終的に当神社が執り行う「葵祭」に届けていただいたのです。徳川幕府の「大政奉還」から150年目の節目の年に、日本の長い歴史を一人でも多くの方に思い起こしていただき、まさに「繋ぐ」ことの大切さ、素晴らしさを伝えることができました。

―黒田副社長:
我々は、電話やインターネットを繋ぐことを使命としていますので、葵を繋ぐこのプロジェクトに参加協力させていただけることは、本当にありがたいです。

―司会:
葵が人と人を、子どもと子どもを繋いでいくのですね。

―田中宮司:
関ケ原の戦いの10年後の1610年から、綺麗な葵を育てて鉢に入れ、それを唐櫃(からびつ)に入れて、当神社から徳川家に届けていたそうです。「京都から遠路はるばる持って来られた」と、将軍はたいそうお喜びになられたとか。それが明治まで270年もの間、毎年続きました。初めは静岡の駿府城でしたが、二代将軍・秀忠の代には江戸城へ移り、あの有名な江戸城内の松の廊下から一番奥の将軍の間まで入ることを許されたのです。帰りには「これをお供えに」と、たくさんの金銭を頂戴したようです。

―司会:
お話を伺っていますと、フタバアオイが違うものに見えてきますね。

―田中宮司:
徳川家三代将軍・家光の時に、当神社にある60棟の御殿すべてを建て直していただいています。
二代将軍・秀忠の娘にあたる東福門院が、後水尾天皇(ごみずのおてんのう)の皇后になられていますが、当神社の宮司が新年の挨拶に当時の京都御所に伺うと、京都所司代から「賀茂社が傷んでいることを皇后陛下(東福門院)がお聞きになり、すべて遷宮で建て直しては、と仰っています。」と言われたそうです。
当時は神仏習合ですからお寺もあったのですが、その建物の構造なども含めた境内の図面をすぐにお納めしたところ、東福門院がご覧になり「結構でしょう。建て直しの費用は徳川家で持ちます。」と言われたそうです。

―司会:
なくてはならない神社ということですね。

―田中宮司:
本殿以外は400年前、徳川家にすべて建て直していただいた建物がそのまま残っています。

―黒田副社長:
葵が取り持つご縁ですね。

―田中宮司:
葵を届けただけの価値はありますね。

関連サイト

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