News Release

平成21年1月20日


NGNを活用したデジタルシネマ普及に向けた
TOHOシネマズ、角川シネプレックスとの協業について

−日本初、NGNでDCI仕様*1デジタルシネマを商用配信−


 NTT西日本とNTT東日本(以下、NTT東西)は、デジタルシネマの普及を目的に、NGN(次世代ネットワーク)による映画配信、ODS*2配信における協業について、TOHOシネマズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:村上主税、以下、TOHOシネマズ)および角川シネプレックス株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:北尾知道、以下、角川シネプレックス)から、それぞれ本日合意を得ました。
 今後、NTT東西はデジタル上映設備を有する映画館にNGNを順次展開し、安定した映画配信を可能にするとともに、舞台挨拶や演劇のライブ配信など、ODS配信ができる環境を提供していきます。

*1 平成14年3月、ハリウッドのメジャー映画製作スタジオが設立した「DCI(Digital Cinema Initiatives)」で決定したデジタルシネマの映写および配給に関する技術仕様。ISO TC36で国際標準化。
*2 アメリカの映画興行主組合(NATO)において提唱された「映画以外のデジタルコンテンツ(Other Digital Stuff/Online Digital Source)」の映画館上映という概念。


1.協業に至った経緯
<これまでの取り組み>
 近年、DCI仕様のデジタルシネマが世界標準となり、各国での製作や上映スクリーンのデジタル化が進展していることを受け、東宝株式会社(以下、東宝)とNTT西日本によるデジタルシネマ実証実験、角川映画株式会社とNTT東西による世界初4K*3デジタルシネマ上映、また東宝、TOHOシネマズ、NTT東西とハリウッド映画会社等とのデジタルシネマ配信共同実験「4K PURE CINEMA」*4を経て、DCI仕様のデジタルシネマを高速光ファイバ網で配給から興行まで行う新たなサービスモデルの検討や技術検証を実施しました。【別紙1参照
*3 映像解像度のひとつで、4096×2160画素のこと。
*4 DCI仕様に準拠した4Kデジタルシネマのネットワーク配信共同トライアル。

<映画業界の状況>
 映画業界では、フィルム輸送や上映時の盗撮等による海賊版の市場流出防止が課題となっています。また、興行会社からは、舞台挨拶や演劇の配信といった従来の映画興行とは異なるコンテンツ上映による集客モデルの確立へのニーズが高まっています。
 このような背景のもと、セキュリティ性の高いNGNを有するNTT東西は、映画上映のデジタル化に取り組むTOHOシネマズ、角川シネプレックスから、日本映画業界におけるデジタルシネマの普及を目的に、NGNによる映画配信、ODS配信における協業についてそれぞれ合意を得ました。


2.各社の役割
●NTT東西
 デジタル上映設備を保有する映画館に、NGN(主にイーサネットサービスである「ビジネスイーサワイド」)を順次展開していきます。また、NTT西日本の子会社であるNTTスマートコネクト【別紙2参照】のデータセンターと映画館をNGNで接続し、デジタルシネマ配信ネットワークを構築します。また、NTT西日本は、TOHOシネマズ、角川シネプレックスに、デジタルシネマ配信・運用に関わる技術支援を行います。

●NTTスマートコネクト
 デジタルシネマ配信サービス「PURE CINEMA」を提供します。【別紙3参照】デジタルシネマ配信には、NTT未来ねっと研究所で開発された技術を基盤とした「デジタルシネマ配信・管理システム」を採用します。【別紙4参照
 さらに、デジタルシネマ配信ネットワークを活用し、舞台挨拶配信や演劇配信といったODS配信も行います。【別紙5参照

●TOHOシネマズおよび角川シネプレックス
 NTTスマートコネクトのデジタルシネマ配信サービス「PURE CINEMA」の利用を推進します。

 この協業により、日本映画業界におけるフィルムからデジタルへの転換を加速させるとともに、ネットワークの高付加価値により新たな映画ビジネスモデルの立ち上げを行っていきます。


3.NGNによるデジタルシネマ配信のメリット
 NGNは、従来の電話網がもつ信頼性・安定性を確保しながら、IPネットワークの利便性・経済性を備えた、次世代の情報通信ネットワークです。国際標準に準拠した最先端の技術を利用しながら、NTTグループが世界に先駆けて実現したNGNにより、デジタルシネマ配信ネットワークを構築します。

<セキュリティ性確保による映画配信>
 NGNでは、回線ごとに割り当てたIPアドレスによりIDのチェックを行い、なりすましを防止するなど、高いセキュリティを確保しており、安心、安全に映画ファイルを配信できます。これにより、映画業界にとって収益損失となる海賊版につながる、流通時の不正コピーや盗難のリスクを回避できます。

<品質確保による安定した配信>
 NGNの特徴である「品質確保機能」により、通信に必要な帯域が確保されるため、安定した映画ファイルの配信、ODSコンテンツのライブ配信が可能となります。映画館来館者は公開日から千秋楽まで常に高品質な映像を、ご鑑賞いただくことができます。また、映画の3D上映や舞台挨拶、演劇のライブ配信等、映画以外のコンテンツも迫力のある大画面でご鑑賞いただけます。

<環境へのメリット>
 NGNによるデジタルシネマ配信により、フィルムの製作、運送、廃棄という工程がなくなるため、CO2排出量削減につながり、地球環境にとってやさしい映画配給上映が可能です。


4.今後の予定
 NTT東西は、TOHOシネマズ、角川シネプレックスとともに、NGNを活用したデジタルシネマの配信、興行を推進することで、日本映画業界におけるフィルムからデジタルへの転換を加速させるとともに、ネットワークの高付加価値により新たな映画ビジネスモデルの立ち上げを行っていきます。



【別紙1】デジタルシネマのこれまでの取り組み
【別紙2】NTTスマートコネクト株式会社概要
【別紙3】NGNを活用したデジタルシネマ配信サービス「PURE CINEMA」
【別紙4】「デジタルシネマ配信・管理システム」の特徴
【別紙5】NGNによるデジタルシネマ配信ネットワークを活用したODSライブ配信



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