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無人撮影から配信まで。AIカメラ発のスポーツDXが地域を変える

無人撮影から配信まで。AIカメラ発のスポーツDXが地域を変える
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この記事の内容【読了時間18分】

今回は、アマチュアスポーツ大会、地方大会を対象としたスポーツ映像配信「スポ―ツ×ICT」で地域を盛り上げるNTT西日本のグループ会社、『NTTSportict』を取材!NTTSportictはアマチュアスポーツの「スポーツ映像配信ソリューション」の提供で『INTER BEE AWARD 2024』でグランプリを受賞するなど、今まさに勢いに乗っているんだ。そんなNTTSportictの今とこれからを知るために、中村社長と社員の皆さんに話を聞いてきたよ。

interviewee 今回、話を聞いた人

中村 正敏
中村 正敏(ナカムラ マサトシ)
代表取締役社長
川崎 豪己
川崎 豪己(カワサキ ヒデキ)
担当課長
山田 裕也
山田 裕也(ヤマダ ヒロナリ)
事業企画部長

※所属・役職は2025年6月の取材当時のものです

そもそも、どんな事業?スポーツとICTの可能性って?

1.スポーツ×ICTで地域社会を元気に!社長に聞くNTTSportictの挑戦

——現在、志摩市で行われた実証実験についてお聞かせください。

中村社長:スポーツDXによる地域コミュニティ活性化をめざした取り組み「マチスポ」の実証実験です。志摩市では、NTT西日本、そして私たちNTTSportictの3者で協定を結び、AIカメラを使った民間スポーツの映像化、地域の体育館の施設DXといった実験を進めてきました。AIカメラやスマートロックといった高性能な設備を入れることで施設の価値が向上し、住民の方だけでなく他の地域からも施設利用目的の訪問が増加、地域経済にもひと役買うのが「マチスポ」です。他の自治体でも提案を進め、石垣市、別府市、志摩市、上富田町では、実証期間中に得られた成果を踏まえ、2025年7月1日より「マチスポ」を本格導入することを決定しました。

——今後の「マチスポ」にどのような展開を見込んでいますか。

中村社長:先に挙げたように施設への人流、スポーツツーリズムの盛り上がりなどもありますが、社会福祉的観点での地域貢献も大きな役割の一つだと考えています。ある大学の研究ではテレビ・インターネットでスポーツを毎週観戦している高齢者は、全く観戦していない人に比べてうつ傾向のリスクが約3割低いことが確認されました。実際に体を動かすことだけでなく、映像を見るだけでも健康に良い影響を及ぼすそうです。「マチスポ」は地域のスポーツを映像化して配信できるシステムなので、今後超高齢化が進んでいく中でも、例えばお孫さんの活躍を映像で見ることで健康促進が図れるのではないかと考えています。

「マチスポ」は一度使っていただくと受け入れていただきやすいサービスですが、「なくてはならない存在」にまで成長できれば、全国に定着させられるはずです。そのために住民の皆さんの喜びにつながる要素はないか、探っています。色んな方の希望を巻き込み、かけ合わせてローカルスポーツを盛り上げる存在になりたいですね。

広報小林さん、中村社長、川崎担当課長
(左から)広報小林さん、中村社長、川崎担当課長

“スポーツを通じて健康や地域のつながりまで広げられるなんて、マチスポってすごい可能性を秘めてるんだね。

モグラ

なんと!グランプリ受賞のサービスまであるんだって!

2.スポーツを軸に、あらゆる領域で新しい文化をみんなでつくりたい

——注力事業についてお聞かせください。

中村社長:スポーツの映像そのものが持っている力に、私たちがどれだけ価値をプラスして市場に届けられるかということに力を入れています。例えば「INTER BEE AWARD 2024」でグランプリを受賞した「STADIUM TUBE Touch」というサービスは、中継車がなくてもタブレット一つあれば、スポーツ中継のような映像を作れるシステムです。タッチするだけでどなたでも簡単にプロのようなスイッチングができ、カウントや得点などのスコアの表示、テロップ表示、プレーのリプレイ挿入などもボタン一つ。スポーツ映像をもっと多くの方に楽しんでいただけるように、私たちは新たなマーケットを常に探り、新規事業につなげていきたいと思っています。

「STADIUM TUBE Touch」のタブレット端末での
利用イメージ。最大4台のカメラが接続可能

——今後の展望についてお聞かせください。

中村社長:設立2年目までは新型コロナウイルス感染拡大の影響で事業が立ち行かなかったため、現在は自分たちのプロダクトをしっかりマーケットに打ち込み、収益化する段階、スタートアップ企業で言う所のアーリーステージだと捉えています。今後は、事業の中心であるAIカメラを軸としてさまざまなビジネスへ派生させていく予定です。先ほどご紹介した「STADIUM TUBE Touch」はもちろん、2024年11月には泉大津市・朝日放送グループホールディングスと連携協定を締結し、ハイパーローカルメディアの実証実験として地元のスポーツをメインに、ダンスや音楽などの情報発信を行ってきました。

今後はスポーツという最高のエンターテインメントを軸に、医療や教育・食といった領域でもユーザーの皆さまの役に立つ新しい文化を作り、支える事業を推進したいと考えています。

・【INTER BEE AWARD2024 グランプリ受賞】 次世代ライブ配信システム『STADIUM TUBE Touch』サービス紹介動画

スポーツを入り口に、教育や医療、食にまで。やがては暮らしそのものを変え、未来の社会をつくっていく壮大なプロジェクトにつながっているんだね。

モグラ

続いては、営業担当の川崎さんにバトンタッチ!

3.映像×情報発信×施設DXで、地域の未来をアップデート

——「マチスポ」のソリューションについて教えてください。

川崎さん:「マチスポ」は大きく分けて3つのソリューションを持っています。一つはスポーツの映像化、次にスポーツ情報発信、最後にスポーツの施設DXです。これまでもAIカメラを活用した映像の配信は実施していましたが、それだけでは地域課題の解決に至らなかったため、「マチスポ」ではポータルアプリを通じた情報発信や施設DXといった価値をかけあわせることで、地域の一体感醸成、少子高齢化によるスポーツ人口の減少、施設利用率の低下といった課題に広く貢献できるようになったと考えています。

志摩市での実装においては、地域に根差したスポーツであるサーフィン、小中学校の開放授業における施設ソリューションなど日本で初めての取り組みにも挑戦してきました。

——住民の方から見たメリットは?

川崎さん:AIカメラで撮影するだけで、スポーツの種目に合わせてまるでカメラマンが撮影したようなカメラワークが可能です。例えば、サッカーやバスケットなどコートが決まっているものに対しては、コート中央線上からワンカメで撮ったような映像を自動的に作ることができます。野球用のAIカメラにはホーム側とセンター側2つにカメラがあり、バッターボックスにバッターが立つ、ピッチャーが投げるといった場面ではセンター側から、打った瞬間に守備の陣形が崩れた場面ではホーム側からと自動的にカメラが切り替わるので、まるで野球中継を見ているような映像を楽しめます。

体育館などの施設を利用される際も、今までは予約後に施設の鍵を借りに行き、使用後は返却に行かなければいけませんでしたが、オンライン施設予約✕スマートロックサービスではWEB予約でオンラインパスワードが発行されますので、鍵の受け渡しが不要、現場でパスワードを入力していただくだけでシームレスにご利用いただけます。また予約時間に合わせてカメラが撮影を開始するので、その映像を見てプレーの振り返りをするなど、一歩先の楽しみ方を体験していただけます。

試合の得点表も自動で映像に組み込まれる
サーファー向けに波の様子を撮影し常時配信

——今後の「マチスポ」の展望について教えてください。

川崎さん:文部科学省の「GIGAスクール構想」によって、小中学生に一人一台、情報端末が配備されました。ここにどのようなコンテンツをかけあわせて教育をアップデートしていくのか、各自治体いまだ手探りであるとお聞きしています。「マチスポ」としては、今後体育の授業や部活動を撮影し、自分たちの動きやプレーの振り返り、あるいは他校との交流にご利用いただければと考えています。動画であればより直感的な指導が可能になるので、教育現場での「マチスポ」拡大に力を入れたいですね。

・【マチスポ紹介動画】スポーツDXを活用したまちづくり(石垣市)

“マチスポ”は、スポーツをもっと身近にするだけじゃなく、地域や教育の未来まで支えていくんだね。

モグラ

社内の雰囲気ってどんなの?山田さん、ぜひ教えて!

4.多彩なプロが集結。斬新なアイデアを社内でカタチに

——働きやすさへの取り組みや業務外での交流など。社内の雰囲気を教えてください!

山田さん: NTTSportictはNTT西日本と朝日放送との合弁会社です。それぞれの経歴も多彩で、人気TV番組の企画動画制作経験者やテレビ局で活躍していたカメラマン、様々な会社から社員の動画のナレーションやイベントの司会を請け負う元アナウンサー、チラシやホームページなどのデザイナー、設計から実装まで全て実施するシステムエンジニアなど、少人数ながら多様な人材が集まって開発やプロモーション、営業に仕入、工事、保守・アフターフォローまで全て内製で運営しています。

様々なニュースリリースを出してきましたが、記者発表会の企画・開催・撮影配信などは、全て自社で完結させました。PR動画も自社で制作しています。

2024年11月には、沖縄県石垣島で「マチスポカップ」という少年野球の大会を石垣市・沖縄支店と3者共同で主催。大会の運営はもちろん、表彰状やメダル、参加者に配布したマチスポグッズなども全てNTTSportict社員がデザインし作成しました。

事業所は大阪と東京の二拠点、そこから一人ひとりが日々全国を駆け回っています。それぞれの果たす役割が非常に大きい中で、顔を合わせる機会が少ない働き方。だからこそ全員で集合し、対面で話をする貴重な機会を大事にしています。

四半期ごとにキックオフと称し、振り返りと次の四半期の重点取り組みの説明だけでなく、毎回テーマを決めて議論をするようにしています。

キックオフでは四半期ごとの振り返りと来期に向けた議論を展開。
その後は全員でスポーツ大会とバーベキュー。

サービス名やサービスロゴ、これからの注力取り組みにパーパスなど、大事なことは役職関係なく、フラットにみんなで話し合って決める。多種多様な意見を集めることを大切にして、一人ひとりの強みを活かし、顔を合わせ、風通しよく、話し合う。そして終わった後にはみんなで毎回、美味しい料理とお酒で乾杯しています。

2024年12月には、マチスポ導入自治体である沖縄県石垣市、和歌山県上富田町への「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰」授与が決まりました。社会に広く認知され、評価され始めたことは私たちにとっても後押しになります。これからもスポーツの持つ力を信じ、地域課題の解決のお手伝いができるよう、全員が全力投球で事業拡大に取り組んでいきます。

大阪・関西万博でスポーツ庁主催の「Sports Future Lab」に採択されブース出展とステージイベントを実施。
各ステージでは自治体首長や有名スポーツ選手、スポーツ庁参事官をお招きしてのトークセッションを展開。
1週間にわたりスポーツDXで支えるスポーツの未来について来場者にPRしました。

ジャンルを超えたプロたちが集まるからこそ、新しい挑戦を社内からどんどん作り出せるんだね。

モグラ

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AIカメラでの無人撮影から配信・サポートまで一貫して提供する、日本で唯一の会社です。多彩なキャリアを持つメンバーが力を合わせ、お客さまの声に応えながら新たなサービスづくりに挑戦しています。