『ドラゴン桜』流 人の伸ばし方

写真:竹岡 広信
「信じること」がやる気を生み出す 2007年6月
竹岡 広信/竹岡塾主宰 英語講師
大学進学率2%の高校を、日本一の進学校へと変革していく東大合格請負漫画『ドラゴン桜』。ドラマ化もされたこの人気作品の英語教師のモデルとなった竹岡広信氏は「きっかけさえ与えれば、生徒は自分でどんどん勉強して伸びていく」と言う。東大生に影響を受けた教師を尋ねると、次々にその名が挙がるといわれる竹岡氏に、やる気を引き出す秘訣を聞いた。

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プロフィール

1961年京都府亀岡市生まれ。80年京都大学工学部入学。在籍中に、父が塾長を務める竹岡塾で英語講師に。84年工学部卒業後、英語を学び直すため文学部に編入。86年大学を休学し、塾の英語指導に専念。90年文学部卒業。
竹岡塾のほか、駿台予備学校(京都・名古屋・福岡)、洛南高校などで教壇に立ち、人気講師となる。

主な著書

写真:主な著書

「「君にもできる」ことを実証し自信を植え付ける

― 人のやる気を引き出すために大切なことは何でしょうか。

達成感を味わわせてあげることです。人がやる気になるのは、自分で何かを成し遂げて「できた!」と思ったときに、それを周囲に認めてもらったり、分かってもらったりしたその瞬間なのです。

「自分はできないかもしれない」と思っている生徒はたくさんいます。それは、自ら「できない」という壁を作ってしまっているのと同じです。やる気にさせるためには、まず「君にもできるんだよ」ということを示してあげなければなりません。

病気でも、患者自身が治ると思わなければ、治るものも治らなくなってしまうでしょう。勉強も仕事も同様で、本人が「やれるかもしれない」と思わないことには何も始まらないのです。

―「君にもできるんだ」ということを示すにはどんな方法があるでしょうか。

とても難しいけれど必死に頑張ればクリアできるような、多少高めのハードルを提示することです。

例えば僕は、できないといわれているクラスの授業でも必ず難関校の問題を使います。そして、十分に準備をして正解できるようにセッティングした上で、出題校を伏せたまま解かせてみて、正解できたら「実はこれは東大の問題だったんだよ」と明かすのです。すると生徒は「なんだ、僕にも東大の問題が解けるんだ!」と自信が持てるようになります。

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相手の可能性を本気で信じる

―「できない」という先入観を払拭すれば、可能性が広がるということでしょうか。

そうです。教師はついつい「できる子」「できない子」というレッテルを貼ってしまいがちです。それは、あからさまに言わなくても、ちょっとした言動で相手に伝わってしまいます。例えば授業中、生徒を指名して問題を答えさせるとき、できない子だと思っていると、答えが出るまで待てず、すぐ次の生徒を指名してしまうといったことがあります。できる子だと長く待てるのに。その時間の差やちょっとした表情の違いなどを生徒は敏感に感じ取り、「自分はダメなんだ」と思ってしまうのです。これと似たようなことは、上司と部下の間にもあるのではないでしょうか。

「君はできる」といくら口先で言ったところで、言葉だけでは人は動きません。やる気を引き出すには、その子の持っているポテンシャルを本気になって信じてあげることが必要です。最後まで信じ切ることができれば、その子は伸びていくのです。

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「自分を信じるきっかけ」を与える

―信じるだけで、本当に伸びていくのでしょうか。

信じることは、相手を信頼することです。人は、信頼されていると実感することで、安心して物事に取り組むことができます。逆に、仕事でも、信頼してくれていない人の下では働きたくなくなるでしょう。

幸か不幸か、僕は英語の講師です。英語はしょせん単なる言語であり、アメリカやイギリスでは誰でもしゃべっています。本来、誰にだってできるはずなのです。英語に限らず、受験数学なども同じことでしょう。

なのに、親と学校と地域が生徒に「できない」というレッテルを貼り、それを刷り込み続けてその子の可能性を狭めてしまっているケースが多いのです。

僕は、日本一の営業パーソンも、一般的な営業パーソンも、能力には大差はないと考えています。結局は「全力でやるか、やらないか」の違いでしょう。その違いは何に起因するのかと言えば「自分で自分を信じているかどうか」ではないでしょうか。「自分には無理だ」と思ってしまっている人が全力を出し切ることはないでしょうし、ましてや日本一になれるはずもありませんから。

だからこそ、まずは「できない」というレッテルをきれいにはがし、「自分を信じるきっかけ」を与えてあげることが大切なのです。

やる気を引き出すのは、一瞬でできることではありません。高いハードルを超えられたことを褒め、共に喜ぶという経験を繰り返し、「やっぱりできるじゃないか!」「まだまだいける!」という本気のメッセージを送り続けるのです。そうすることで、人は、何をすべきかを自分で考えるようになり、その目標に向かってどんどん自分で走り出すのです。

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