成功する企画は“考えないで考える”

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写真:おち まさと
ヒットメーカーが明かす企画術 2007年9月
おち まさと/企画家、プロデューサー
数多くのテレビ番組などをプロデュースし、ヒットを連発しているおちまさと氏。世の中にあるモノや仕組みなどのすべてを自分で企画したいというおち氏に、企画力の高め方を聞いた。

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プロフィール

1965年東京都生まれ。85年『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の放送作家オーディションで約3000人の中から選抜され、テリー伊藤氏に師事。数多くのテレビ番組の企画・構成・演出・プロデュースをはじめ、CM監督、ラジオパーソナリティ、作詞、執筆、講演、デザインなど幅広く活動。
NTTドコモやサイバーエージェント、テイクアンドギブ・ニーズなどとのコラボレーションによる新規事業のプロデュースも手がける。代表作に『学校へ行こう!』『「ぷっ」すま』『ガチンコ!』『空飛ぶグータン』『世にも奇妙な物語』(脚本)など。

主な著書

写真:主な著書

企画とは「記憶の複合」

―おちさんは企画を様々なものに例えていますが、そもそも「企画」とは何なのでしょうか。

作る側から言うと「記憶の複合」に過ぎません。今日、面白いなと思ったこと、数日前にちょっと驚いたこと、何年か前に思いがけず発見したこと……。日常生活の中で、いろんな記憶が蓄積されているはずです。それらの記憶が「あれっ?これとこれがくっつけばこうなるじゃん!」というのが企画の原型になるのです。

―どうすれば企画力を高めることができるでしょうか。

企画は「記憶の複合」ですから、必ず自分の経験や記憶から生み出されます。ということは、記憶の仕方を工夫すれば、企画力を高めることができます。つまり、記憶の蓄積を人と違うものにすればいいわけです。

テレビや雑誌といった誰もが見ているようなものから記憶して、そこから企画を作っても、「そんなことはオレも考えてるよ」とか「そうくると思ってたよ」というレベルのものしかできません。

とにかく人と違う経験をして、人と違う記憶を脳にストックしていく。たとえ同じ場所にいたとしても、ほかの人とは違うものを見るようにするのです。僕は「右向け左」を信条としています。みんなが右に行ったら、僕は一人だけ左に走っていく。そこに面白いことがあれば、みんな追いかけてくるんです。そうすると僕はまた移動する。そんな追い駆けっこを繰り返しています。そうやって物事の裏側を見たり、逆方向から見たりする習慣がつくと、人とは違う記憶がインプットされていくのです。

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企画を生み出すのは生理現象のようなもの

―そうした記憶を企画に変えていくにはどうすればよいのでしょうか。

白い紙を前にペンを持って「よし、やるぞ!」と力んでも出るわけがないので、まず、企画という不思議なものが出てくる仕組みをきちんと理解する必要があります。

企画が出てくるプロセスは、生理現象と似ています。生理現象は変なときに起きますよね。電車に乗っているときとか、立ち読みをしているときとか。そうかといって、トイレにこもっていても、出ないときは出ません。

企画も同じで、変なときにできるものなのです。例えば、何かほかのことに五感を集中しているときとか。車の運転中によくアイデアを思いつくというのは、視覚や聴覚は運転することに集中させているけど、頭のどこかでは何となく考えている、という状態ができているからです。僕は「何気の臨戦態勢」と言っていますが、ゴルフでもテニスでもいいので好きなことをやって、あえて五感の力を借りない状況を作った方がいいのです。だけど、何となく考えている。この「考えずに考える」という状態を作ることが大切です。考えようとして考えても企画は出てきません。

―「集中」とは正反対の状態を作り出すわけですね。なぜ考えようとして考えても出ないのでしょうか。

恐らく脳のメカニズムなのでしょう。「明日は朝早いからもう寝なきゃ」というときに、寝よう寝ようと思うと逆に眠れなくなったりするじゃないですか。企画も同様です。

企画は、池に浮かぶゴムボールみたいなもので、近くに引き寄せようと手で水をかくと、余計に逃げていってしまいます。だから、ボールを直視せず、だけど広い目で見ているというか、視野に入れておく。そうやって何気の臨戦態勢を取っていれば、風などで勝手に近づいてきたときに、サッとすくい上げることができるのです。

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大成功をイメージし、そこから逆算でシミュレーションする

―おちさんは「結果が成功してこそ初めて企画」とおっしゃっていますが、結果を出すために効果的な方法はあるでしょうか。

「逆算」することです。自分の立てた企画が大ヒットしたことをイメージして、そこから逆算していくのです。例えば『企画の教科書』という本を出したらベストセラーになった。取材が殺到する。その取材に対して自分が何と答えているかを詳細にシミュレーションしていくのです。

「どうしてこんな本を出したんですか?」「僕は常々、学校にはなぜ『企画』の授業がないんだろうっていう疑問を感じていたんです。だって、社会人になってみんなこれだけ『企画を出せ』って言われるのに、企画なんていう科目の授業はなかったから、方法も分からないじゃないですか。企画の先生もいないし。だったら、自分は企画家なんだから自分で教科書を作ってしまおう、と思ったわけです。それも毎年4月にドカッと売れるような……」という感じで。

続けて、想像上のインタビュアーに「何から着手したんですか?」などと質問させて、「○○から始めました」とか。そうすると、我ながら結構いい回答をするんですよね。その回答の内容を実行してしまえばいいのです。

実を言うと、『企画の教科書』を出すときには、もう『初対面の教科書』や『時間の教科書』などのシリーズ展開まで考えていました。普通ならそんなところまで思いつきません。でも、逆算で、あり得ないほどの大成功を想像することで、発想の幅までも広げることができるのです。

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