”松井秀喜”は社内でも育てられる

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写真:児玉 光雄
会社の「スター人材」育成法 2006年7月
児玉 光雄/鹿屋体育大学 体育学部 助教授
企業が競争社会で生き残っていくには、米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手のような真のプロを組織内で育てることが重要となる。多くの人は、松井選手のことを特別な才能を持った天才だと思っているようだが、実は、彼の成功の要因は後天的に身に付けられるものが多い。では社内で松井≠育てるにはどうすればいいのか。松井選手の姿勢からその方法を探る。

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プロフィール

1947年兵庫県生まれ。71年京都大学工学部卒業、住友電気工業(株)研究開発本部勤務。
78年カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院に学び工学修士号取得。
米国オリンピック委員会スポーツ科学部門本部客員研究員として五輪選手のデータ解析に従事。
82年(株)スポーツ・ソフト・ジャパン設立。
99年から鹿屋体育大学体育学部スポーツパフォーマンス系助教授。日本スポーツ心理学会会員。日本における“スポーツ天才学”の第一人者といわれている。

主な著書

写真:主な著書

真のプロを組織内で育てることが重要

21世紀に入り、間違いなく「人材の時代」から「人財の時代」に突入しています。つまりこれからは、コアの部分を有能なプロフェッショナル集団で固めた組織しか勝ち残れないのです。

これに関して、東京大学経済学部の岩田克人教授はこう語っています。

「これからはタレント(才能)やアイディア(着想)などの、『違い』を生み出す能力、つまり人間が会社の主要な資本になる。『違い』を意識的に作り出すには、人間の創造力が必要だ。特殊な技術や才能を持った人間が希少な価値を持ち、そういう人間を多く集めないと競争力が保てなくなる。タレントのある人間が最も重要な会社の資本という時代が来る」(日本経済新聞)このようなことから考えると、松井選手のように、目の前の仕事でホームランを量産して具体的な形で組織に貢献できる真のプロフェッショナルを組織内で育てることが、厳しい競争社会を生き残る大きな武器になるのです。

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仕事を面白くするのは「内容」ではなく「捉え方」

それではそのような有能な人財を組織内で育てるキーワードは何でしょう?それは「モチベーション」(やる気)である、と私は考えています。モチベーションこそプロフェッショナルにとって不可欠な資質であり、良質の仕事をするためのエネルギー源なのです。

考えてみれば、この世の中に面白い仕事なんてそうそう転がっているものではないのです。たとえ他人のやっている面白そうな仕事でも、いざ自分が担当してみると、思いもよらない困難な要素が内在しているものです。モチベーションを高めて仕事を面白くするのは、「仕事の内容」ではなく「仕事の捉え方」であるべきです。

松井選手は「俺は結構、臆病で、弱い部分もある。好調なとき『この状態が続くわけがない』と思うことがあるし、打てなかったとき『今の俺ではあの投手の球は打てないのでは』と考えることもある」と言う一方で、「自分が打てなくてもチームが勝っていくために何をしたらいいか、それを考えていければいいんじゃないか」と語っています。つまり、「捉え方」によって仕事の面白さを積極的に見つけようとしない人は、一生面白い仕事にはめぐり合えないのです。

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「内発的モチベーション」を高めれば誰でも”松井”になれる

ここで「外発的モチベーション」と「内発的モチベーション」という2種類のモチベーションについて簡単に触れてみましょう。外発的モチベーションの代表的なものは、「肩書報酬」と「金銭報酬」です。これらはそれなりにモチベーションを高める効果があるのですが、一過性であり、しかも一度与えてしまえば与え続けない限りモチベーションは低下してしまいます。

最近の若い社員は肩書報酬にはほとんど興味を示さず、むしろ自分の仕事における「裁量報酬」を欲しがっているというアンケート調査もあります。仕事に責任を持たせて裁量権を与えてやることによりメンバーのモチベーションが高まるのです。これら外発的モチベーションよりも強烈なのが、「自己実現」という内発的モチベーションです。つまり「最高の自分」を鮮明にイメージして少しでもそれに近づく努力をすればいいのです。

高校時代の松井選手は「ストライクゾーンに入ってきたボールは全部ホームランにしてみせる」という目標を掲げていました。プロになってからも「すべてのストライクゾーンに対応できるバッティングですね。すべてのゾーンに対して、自分の一番いい形で、バットの芯で捉える身のこなし。そういうものを身につけたい気持ちもありますね」(「Number」2001年4月号)と語っています。

不可能とも思える高い目標を自ら掲げて、「最高の自分」とめぐり合うために全力を尽くす−。このように、内発的モチベーションを心に満たして仕事をすれば、誰でも組織内の松井選手になれるのです。

もちろんあなたがリーダーなら、部下の結果だけを評価するのではなく、どのような夢や希望を抱いているのかにまで目配りし、目標達成に向けて頑張っている仕事ぶりをしっかり観察してほしいのです。

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