報道発表資料

2001年3月23日

西日本電信電話株式会社
学校法人塚本学院 大阪芸術大学


ブロードバンド向けネットワーク教育配信
プラットフォームを利用した
E-Learning公開講座トライアルの実施について



 西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本 本社:大阪市中央区 代表取締役:浅田 和男)と学校法人塚本学院 大阪芸術大学(以下、大阪芸術大学 本部:大阪市東住吉区 理事長:塚本 邦彦)は、来るべきブロードバンド時代を見据え、NTT西日本サイバービジネスワールド*1(以下、CBW)のブロードバンド向けE-Learning*2検証環境を利用して、ネットワーク上で公開講座を開設し、芸術分野における教育ビジネスモデルの確立に向けたトライアルを2001年6月1日(金)より実施します。
 なお、トライアルに先立ち、公開講座の受講生を募集します。


1.背景

 近年の少子化、社会人教育や生涯学習に対する関心の高まりに伴い、大学や予備校、研修会社等の教育業界では、既存の学生以外へのアプローチを強化しており、また、学ぶ側にとっても、自分のライフスタイルに合わせた受講形態(学習スタイル)を望む声が高まっています。一方、インターネットの普及により、ネットワークを利用した双方向の教育が実現できるE-Learningのニーズも顕在化しつつあり、今後の教育方法の新たな潮流として期待されています。
 このような状況の中、NTT西日本と大阪芸術大学では、IT技術を利用したオンライン教育の活性化に向けた取り組みの一環として、芸術教育分野を中心とした音楽や映像等の大容量コンテンツを、簡単かつ高品質に配信するための技術やサービスの有効性などを検証するために、ネットワーク上で公開講座を開設し、受講生に教材コンテンツを配信するビジネストライアルを実施することとしました。


2.トライアルの概要

(1)公開講座の内容

 通常、大学や公民館など指定の場所でないと受講できない大学の授業を高速ネットワークを利用し、かつNTTの研究所の著作権保護技術などを盛り込んだ「ネットワーク教育配信プラットフォーム」を用い、各家庭までオン・デマンド形式で配信します。授業(教材コンテンツ)内容は、大阪芸術大学の小池一夫教授(別紙1参照)が講義する「キャラクター原論」(別紙2参照)をメインに、動画を用いたキャラクターや漫画作成の過程を学習できる教材を提供していく予定です。授業の中では一部リアルタイムでのオンライン授業も予定しています。

<1>実施期間 2001年6月1日(金)〜12月末を予定
(1クールを約3か月とし、同内容の授業を2回実施いたします。)
<2>対象者 インターネット利用者
<3>構築環境 CBW内に構築する「ネットワーク教育配信プラットフォーム」から高速ネットワークを介し、受講生に対してオン・デマンド形式で配信される構成となっています。
<4>講師 小池一夫
<5>教材内容 オンラインWeb講義 「小池一夫のキャラクター原論」

(2)トライアル環境(E-Learning検証環境)

 CBW内に、E-Learningを行う上で必要な下記の機能を共通して有する「ネットワーク教育配信プラットフォーム」をNTTの研究所の技術を利用し、構築・提供するとともに、その機能に関する技術検証を行います。

<1>

教材配信機能
 インターネットを通じて、ブラウザ(Web)上で学習するための教材を配信する機能で、HTMLで作成された教材を配信し、様々な角度から受講生の学習状況を分析・評価できます。また、教材内容に沿ったテスト等も実施することができます。
 受講生は自分のペースで、好きな時間に学習することができ、教員側は受講生の学習状況の把握等により、学習のサポートをすることができます。

<2>

動画配信機能
 映像教材を活用した授業を想定して、ブロードバンド向けの動画像ファイルをストリーミング形式*3で配信し、回線速度環境の異なる受講生に対しても遅延することなく、回線速度に合ったスムーズな配信を実現します。

<3>

著作権管理機能
 NTTの研究所が開発した著作権保護技術を活用して、教材の静止画コンテンツの保護を行うための機能です。電子透かし技術*4やカプセリング技術*5により、事業者の大切な教材コンテンツの不正コピーを防止する等、著作権を保護します。

<4>

コミュニケーション機能
 学習を進める際に不可欠なレポート提出やアンケート、講義中での質疑応答やフリートーク及びディスカッションを可能とするQ&A機能や掲示板機能等により、対話型学習を行うための機能です。受講生の学習をサポートし、教員側とのきめ細やかなコミュニケーションを実現します。

<5>

課金機能
 事業者側で発生する課金業務を想定して、受講料や教材コンテンツの購入等、利用者の講座学習に関わる課金データのログを取り、各種電子決済方法との親和性等を検証します。


3.役割分担(別紙3参照)

(1) NTT西日本
ネットワーク教育配信プラットフォームの提供及びその機能に関する技術項目の検証
(2)大阪芸術大学
教材コンテンツの作成や授業運営(学生募集等含む)


4.モニタ−(受講生)の募集

(1)募集期間 2001年4月2日(月)〜5月18日(金)
(2)募集定員 400名(1クール200名:応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。)
(3)応募資格 キャラクター創作等に興味のお持ちの方。(学生・社会人等)
インターネット利用者で、インターネット接続環境が、ADSL以上推奨(ISDNでも可)の回線スピードをご利用の方。
(詳細なスペック等につきましては、順次、下記URLで公開していきます。)
(4)応募方法 下記、ホームページ上で募集を行います。
http://www.cbw.osaka.isp.ntt-west.co.jp/edu/oua.html
*4月2日(月)オープン予定
(5)その他 公開講座の受講料は無料です。ただし、通信に関わる料金はお客様負担となります。


5.今後の展開

 大阪芸術大学ではこのトライアルの結果とノウハウを、4月から始まる通信教育部の教材作成及び授業運営に活かし、より良いものにしていくつもりです。また、NTT西日本では検証環境を利用していただく中で得た検証結果やモニターからの要望等を踏まえ、ブロードバンド時代におけるネットワーク教育のためのプラットフォーム配信の課題を明確化し、次世代の新しいサービスとしての実現性を更に追求していく考えです。


6.参考URL

http://www.cbw.osaka.isp.ntt-west.co.jp/edu/


7.その他

 今回利用する「ネットワーク教育配信プラットフォーム」について、共同でトライアルを実施していただける事業者を募集しており、様々な事業者の方々と連携を図りながら、継続して検証を行っていきます。


*1:

NTT西日本サイバービジネスワールド(大阪市中央区博労町2-5-15 OCBビル内)
 光ネットワーク時代に相応しいプラットフォームやアプリケーション、コンテンツ等を実現するため、お客様がご検討されているインターネットや高速ネットワークを活用した新たなビジネスについて、実際のサービス提供に向けた様々な課題の解決方法やビジネスとしての可能性を、NTT西日本のソリューション能力やNTTの研究所の技術を利用して、お客様とのコラボレーションにより検証していく場(技術検証施設)として2000年12月1日にオープンし、現在までに210社約1500名の方にお越し頂いております。

*2:

E-Learning
ネットワークを利用した双方向の教育方法。

*3:

ストリーミング形式
Webページから動画像ファイルをダウンロードしてから再生するのではなく、データを転送しながらリアルタイムに再生する配信形式。

*4:

電子透かし技術
画像や音声などのデータの一部を、人間には知覚できない程度で微少量だけ変更し、データ内に商号のキーとなる情報を埋め込む技術。

*5:

カプセリング技術
コンテンツを暗号化すると共に、利用回数等の利用制限を付与したり不正コピーを防止する技術。



(別紙1) 小池一夫プロフィール
(別紙2−1) オンラインWeb講義 小池一夫のキャラクター原論(1)
(別紙2−2) オンラインWeb講義 小池一夫のキャラクター原論(2)
別紙3 ネット教育配信プラットフォーム・イメージ図


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