NTT西日本では、「黒字構造への転換」「情報流通企業への変革」という2つの経営課題に取り組んでおりますが、今後、情報流通市場への取り組みを軸とした中期的な事業展開について次のとおり取り組んでまいります。
電気通信市場は、「固定から移動体」へ、「電話からデータ」へと急激に変化するとともに、地域通信分野における競争も激化しております。また、インターネットは我が国においても飛躍的に普及するものと想定されており、今後アクセスラインを含めたより高速なネットワークサービスが提供されることにより、個人利用に加え、EC等インターネットを活用した多彩なビジネスも、飛躍的に拡大・発展すると想定されます。
このような中、NTT西日本は急激な市場の変化に対応し、将来にわたる収益を確保するため、事業ドメインをIP事業分野に転換してまいります。具体的には、インターネットの普及促進を図るための低廉なインターネット・アクセスサービスの提供や、光アクセスラインを活用した高速のインターネット・アクセスサービスの提供を進めてまいります。
更にビジネスプラットフォーム事業領域等にグループ企業と連携して積極的に事業展開してまいります。 |
1. | インターネット・アクセスサービスのフルラインアップ化 |
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| 1.1 既に提供しているサービス |
| インターネット・アクセスサービスについては、市内準定額型の「i・アイプラン」やダイヤルアップ型として日本初の完全定額制である「IP接続サービス」(試験提供)及び「ADSL接続サービス」(試験提供)などのサービスを提供してまいりました。 |
| (1)「i・アイプラン」 |
| | 平成11年10月から提供している市内準定額型割引サービス「i・アイプラン」については、現在、「i・アイプラン1200」(月額1,200円の定額料で3,000円分まで利用可能)と「i・アイプラン3000」(月額3,000円の定額料で7,500円分まで利用可能)の2つのプランを提供しており、手軽な料金でインターネットの利用が可能なことからご好評をいただいております。(3月末現在で28万契約) |
| (2)IP接続サービスの低廉化 |
| | <1>提供条件の見直し |
| | | IP接続サービスは、平成11年11月から試験提供しているところですが、本年5月11日から、月額利用料金(定額)を8,000円から4,500円へ値下げし、あわせて、新たに収容局単位で接続する新メニュー(月額2,900円)の提供を行います。
また、提供エリアをこれまでの大阪市中央区、北区、吹田市から大阪府下の全ての市制施行都市(33市)へ拡大します。これに先立ち、4月18日より予約受付を開始しました。 |
| | <2>エリア拡大 |
| | | これらの料金値下げ及び提供エリア拡大後の需要動向、トラヒック状況等を見極めたうえで、本年度末までに西日本エリアの政令指定都市や県庁所在地級都市など需要が見込める主要都市へ拡大していく予定です。 |
| (3)ADSL接続サービスの本格提供 |
| | 平成11年12月から、大阪市中央区、北区、淀川区及び大分市の一部地域において、試験提供しており、試験提供期間中の需要動向や技術検証等を踏まえ、平成12年度第3四半期を目途に本格サービス化や提供エリアの拡大を検討します。 |
| 1.2 今後提供するサービス |
| 今後は、インターネットの更なる普及促進を図るため、またインターネットをより快適にご利用いただくために、光アクセス等の多様なアクセスサービスを提供していきます。
なお、高速のインターネット需要に対しては、これまで配備を進めてきたアクセス系光ファイバを活用し、高速の光アクセスサービスを提供していく予定です。 |
| (1)光アクセスサービス関連 |
| | <1>高速光IP接続サービスの提供 |
| | | (個人のヘビーユーザ、SOHOユーザ、一部のビジネスユーザを想定)
平成12年度第3四半期に、大阪の一部地域において、より高速で快適なインターネット利用を実現する光アクセスサービスを、最大10Mb/s、月額1万円程度で試験提供開始します。
試験サービス提供後は需要動向、トラヒック状況等を見ながら需要の見込まれる大都市部へ拡大する予定です。 |
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<2> | ワイドLANサービスの提供(地方自治体や企業等のビジネスユーザを想定) |
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| | | 平成12年度第1四半期に、地方自治体や企業のイントラネット等ビジネスユーザのニーズに対応するため、府県内のLAN同士を結ぶ最大10Mb/sの低廉なLAN型通信網サービスを本格提供します。
ワイドLANサービスは、本社−事業所間等LANを構成する複数の拠点間(府県内)において、マルチポイント接続型のデータ通信を可能とした広域LANサービスです。
当面は、政令指定都市及び県庁所在地級都市のビジネスエリアからサービスを提供し、その他のエリアについては、お客様の要望と需要に応じ、順次サービスエリアを拡大してまいります。 |
| | <3>更なる中高速アクセスサービスの充実
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| | | より高速、低廉で多彩なサービスを求めるユーザニーズに応えるため、超高速光アクセス回線サービス、速度保証型高速インターネットアクセスサービス等光サービスの充実を図るとともに、無線等の技術を活用したメニューを合わせて提供することにより、中高速アクセスサービスのラインアップの一層の充実を図ります。 |
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(2) | アナログ準定額型割引サービスの提供(利用時間の比較的少ないユーザを想定) |
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| | 「i・アイプラン」は、現在、ISDNをお使いのお客様に対してのみ提供しておりますが、更に多くのインターネットユーザに手軽な料金でインターネットをご利用いただけるよう、一般加入電話をご利用のお客様に対しても、一定時間まで定額でご利用できるアナログ準定額型割引サービスを平成12年度夏を目途にNTT西日本エリア全域で提供していく予定です。 |
2.情報流通分野における新たな事業領域への取り組み |
| インターネットユーザの急激な増加及び地域情報の活性化等に伴ない、地域に特化したきめ細かい情報へのニーズが確実に高まることが想定されています。
このような状況の中、NTT西日本は地域に密着した事業展開をしている地域通信会社の強みを活かしつつ、グループ企業とも連携を図りながらビジネスプラットフォームなど今後成長が見込まれる分野に積極的に事業展開し、将来にわたる収益確保に取り組んでまいります。 |
| (1)データセンタ事業等の展開 |
| | 高速ネットワーク環境を構築し、プラットフォームからアプリケーションまで統合的にサービス提供するデータセンタ事業会社「エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト」を本年3月1日に設立しました。
4月3日からは、コンテンツプロバイダーやアプリケーションサービスプロバイダー等のネットビジネスを展開する事業者向けに高速・高品質なインターネット接続環境と充実したファシリティ環境を提供するコネクティビティ・ハウジングサービス及びホスティングサービスの提供を開始しています。また、アプリケーションサービス(ASPサービス)の第一弾として、企業の日々の業務を効率化するためのグループウェアサービスなどの提供も開始しています。 |
| (2)プラットフォーム事業等の展開 |
| | 一般家庭へのインターネットの普及が進んでくると、実生活に密着した地域コミュニティー情報やショッピング、自治体・行政サービス等地域に根ざした情報流通へのニーズが高まってくると考えており、これらの地域コミュニティー情報を利用促進するポータルサイトや、電子商取引の拡大に対応した電子決済や認証等のプラットフォーム事業を展開してまいります。 |
| (3)MI(保守・運用)ビジネスの展開 |
| | 新たなデータセンタ事業、プラットフォーム事業等の展開にあたっては、NTT−ME等のグループ会社と連携を図り、サービスの提供から保守・運用まで、トータル的に提供してまいります。 |