平成15年3月24日

(報道発表資料)

西日本電信電話株式会社
クボテック株式会社
富士通株式会社


IPネットワーク上でテレビ画質並みの高品質な映像伝送を実現する

Bフレッツ向け映像伝送CODECの共同開発について



 西日本電信電話株式会社(以下 NTT西日本)、クボテック株式会社(以下 クボテック)、富士通株式会社(以下 富士通)は、本格的なブロードバンド時代における大容量コンテンツ流通のニーズにお応えするために、光ファイバを使った超高速インターネットアクセスサービス「Bフレッツ」を利用し、テレビ画質並みの高品質なMPEG-2※1映像の伝送を実現する映像伝送CODEC※2を共同開発しました。
 今回共同開発したCODECは、クボテック、富士通の両社が商品化・販売※3し、NTT西日本は本商品を活用した高品質な映像伝送ソリューションを展開していきます。

※1   国際標準ISO/IEC13818によって定められたデジタル動画符号化規格。
※2 coder/decoder(符号器/復号器)の複合語。音声や映像の信号をデジタル化する際に、基本的なデジタル信号から高効率なデジタル信号へ変換あるいはその逆の処理を実施する符号化(復号化)装置・モジュール。
※3 クボテック社製:「MpegBlock II」、富士通社製:「Nexteye IP700 II」


1.背 景

 現在、インターネットの急速な普及とともに、IPネットワークサービスの高速化が急速に進み、ネットワークを介した映像など大容量データの伝送が可能になっています。例えば、デジタル化が進む放送業界や、事務所や店舗内のカメラ監視などセキュリティ分野、交通や災害などの監視、遠隔講義などの教育分野、プロモーションや宣伝などの広報活動をはじめ、さまざまなビジネスシーンにおいて、高速のIPネットワークを活用した映像伝送のニーズが拡大しています。
 しかし、これまでは、放送分野などでも使用可能なテレビ画質レベルの高品質な映像を安定して伝送するためには、専用線などのギャランティー型※4のネットワークを利用することが必要でした。また、ベストエフォート型※5のネットワークを利用する場合は、パケットロス※6等による映像の乱れや品質の劣化が生じ、特にMPEG-2映像を伝送する場合、1つのパケットロスが複数の映像フレームに影響を及ぼすという特性を持つため、その影響が顕著でした。
 このような状況の中、NTT西日本、クボテック、富士通の3社は、高品質な映像伝送を安全・便利にかつ低コストで実現したいというお客様ニーズにお応えするため、安価な超高速インターネットアクセスサービス「Bフレッツ」を利用した高品質なMPEG-2映像の伝送を実現する映像伝送CODECを共同で開発しました。

※4   エンドツーエンドでのスループットやデータの遅延、信頼性などのサービス品質を保証(guarantee)するタイプの通信形態。
※5 一定のサービス品質を保証しない通信形態。
※6 送信側から発信されたパケットのうち、着信側まで届かなかった事象。
 


2.商品概要

 本商品は、これまで高いコストを伴っていた高品質な映像伝送※7を、Bフレッツと組み合わせる※8ことで、より低コストにご利用いただけるIPネットワーク対応の映像伝送CODECです。
 MPEG-2映像を伝送する際の一般的なパケットロスなどによる映像の乱れを防止する高度な補正機能を有するとともに、高いセキュリティを実現します。(詳細は別紙1参照)

※7   ベストエフォート型のネットワークでは、利用地域や時間帯等によっては、通信速度が大きく変動し、安定した高品質な映像送受信ができないことがあります。適用するサービスメニューやネットワーク構成については、NTT西日本にご相談下さい。
※8 専用線やワイドLANプラス、アーバンイーサのようなギャランティー型のネットワークでの利用も可能です。


3.主な特徴

(1)高信頼・高画質の映像伝送※9
 映像送受信用の専用機として設計されているため、24時間365日の連続稼動が可能です。また、伝送途中のネットワーク上でパケットロスが発生しても、高速・低遅延のエラー訂正機能※10により、受信映像を乱さず、放送映像レベルの画質※11と同等の鮮明な映像を配信することができます※12。さらに、遅延時間もリアルタイムより0.2〜0.8秒という低遅延を実現しています。
 なお、本商品のエラー訂正機能及び関連技術については、特許出願中です。

※9 本商品のエラー訂正レベルを超えるパケットロスが発生した場合には画像に乱れが生じる可能性があります。
※10   損失したパケットを修復し、受信映像を乱れさせない機能。
※11 送信レートを6Mbpsに設定時。
※12 画質については、複数の放送局関係者の方から、放送分野でも使用できるレベルであるとの評価を頂いています。

(2)小型でBOX型タイプ
 小型でBOX型タイプのため持ち運びが容易で、室内や屋外※13の様々な場所での設置を可能とします。また、Bフレッツへの接続時にはブロードバンドルータが不要で、直接本商品に接続するだけで使用することができるなど、お客様の設置・利用形態に柔軟に対応します。

※13 防塵防雨のために、専用のケース内などに設置する必要があります。

(3)高いセキュリティ機能
 エンコーダ、デコーダで事前にネゴシエーションを行い、確認できた相手のみと映像の送受信を行うので、第三者からの割り込みやなりすましを防止することができるため、オープンなネットワークでも安心してご利用いただけます。

(4)簡単、便利な設定
 本商品の設定は、Webブラウザを利用しわかりやすい画面で簡単に行うことができます。また設置場所から離れた所からでも、ネットワーク経由でさまざまな設定変更が可能であるほか、事前の設定により電源を入れるだけですぐに映像の送受信を行うことができます。

(5)伝送状態をリアルタイムに確認可能
 管理ツールを使用することで、伝送途中のネットワーク上で損失したパケット数やエラー訂正機能により回復したパケット数等を着信側で確認することができます。また、送信側のCODECがネットワークに正常に接続されているかどうかの確認も可能で、トラブル発生時における迅速な対応を可能にします。



別紙1
別紙2 利用イメージ図


トップへ戻る
Copyright(c) 西日本電信電話株式会社