NTT西日本では、平成14年7月15日(月)に大阪府下および兵庫県の一部で発生した電話輻輳(電話がかかりにくい事象)について調査を行ってまいりましたが、その内容を次のとおりご報告します。
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1.輻輳原因 |
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今回、輻輳が発生した大阪府下(兵庫県の一部を含む)のネットワークは、 |
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<1> |
910ユニットのお客様収容交換機、27ユニットの中継交換機、11ユニットの関門交換機で構成されており、それぞれ、区域内(市内)の接続、区域外(市外)への接続、移動体等の他事業者への接続を行っている。
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通話の処理は、電話網で一般的に用いられている、通話用の回線と通話を処理するための信号用回線を分離した「共通線信号方式」という方式で実施している。
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という特徴を持っています。
また、調査の結果、最近このネットワーク内の特定のお客様収容交換機から、継続的に大量の機械的な発信がなされていた形跡があり、常態的にネットワークへかなりの負荷がかかっていたと推定されます。
今回の輻輳は、こうしたネットワーク状況に加え、一般的に通信量が最も多くなる週始めの月曜日10時であったこと、及び「五・十日(ごとび)」と言われる集金・支払日であったことなどが重なったことから、発生したものと考えられます。
特に、特定のお客様収容交換機からの大量発信が、
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通常の手動によるダイヤル操作では想定しがたいものであったこと |
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通話が成立しない(相手が出ていない)「不完了呼」であったこと |
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移動体網への接続を要求するものであったこと |
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等のことから、輻輳状況となった直後から、ネットワークの中継段階における通話処理用の信号網で高速かつ繰り返しの処理が大量に発生し、短時間で広域にわたる輻輳が発生したものと考えられます。
また、通常、ネットワークの輻輳は、チケットの予約販売等において特定の電話番号への着信が集中する「企画型輻輳」か、発生エリアが明確な「災害型輻輳」がほとんどですが、今回は特定の回線から大量の「不完了呼」が発信されたことによる輻輳であったことなどから、原因の特定と解決に時間を要しました。
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2.実施する対策 |
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(1) |
当面の対策として、今回輻輳の原因となった特定回線からの大量の機械的不完了呼への監視を強化し、輻輳発生時には、ネットワーク保全のため、当該回線の規制を行います。
また、他の交換機についても、大量の不完了呼により輻輳が発生する恐れのあるときは、同様の対処を行うこととしました。
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(2) |
早急に検討する事項として、機械的不完了呼の発生を短時間で検出し規制できる技術的検討を行います。 |
(3) |
なお、抜本的対策として、大量の機械的不完了呼に対する制度面を含めた対処策を、関係電気通信事業者等とも連携しつつ検討します。
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今後は、全社的なネットワーク監視体制を更に強化し、今回のような輻輳に対しても、迅速な対応を行うとともに、お客様にご迷惑のかからぬよう努めてまいります。
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