News Release

平成12年10月17日

フレッツ・ISDNの故障原因及び今後の対応について



 平成12年9月24日から9月28日にかけ断続的に、インターネット接続用の完全定額制サービス「フレッツ・ISDN」が、NTT西日本管内のサービス提供エリア(13府県・54市)においてつながりにくくなる故障が発生したことに関し、NTT西日本で、その発生原因について調査を進めてまいりましたが、この度、発生原因が明らかになりましたので、発生原因及び再発防止に向けた取り組みについてお知らせいたします。
 また、故障回復のため緊急避難的に取り替えた現在使用中のISP接続制御装置を最新の装置に取り替えることとしており、その際、サービスが一時中断しますので併せてお知らせいたします。


1. 故障概要
(1) 発生日時
(1) 発生日時

(2)故障内容
<1>9月24日及び26日の故障内容
 フレッツ・ISDNの接続先であるISP(インターネットサービスプロバイダ)をお客様毎に識別するとともに同時接続数を制御するISP接続制御装置に不具合が発生し、不具合発生後、新たに接続しようとした通信の一部が接続不能となりました。(別紙参照)
 なお、故障発生前からインターネットに接続されていた通信への影響はなく、また同時接続数が設定値以下のISPへの新たな接続は可能でした。

<2>9月28日の故障内容
 ISP接続制御装置のメモリーが不足し処理能力オーバーとなったことから、故障発生後、新たに接続しようとした全ての通信が接続不能となりました。
 なお、故障発生前からインターネットに接続されていた通信への影響はありませんでした。


2.故障原因
(1)9月24日及び26日の原因
 ISP接続制御装置は主に、<1>接続先の識別、<2>接続数の制御の2つの機能を有していますが、今回の故障は7月から順次フレッツ・ISDNのサービス提供エリアを拡大した際に、接続数の制御を行うためのデータベースの値を適正なものに変更していなかったため、実際にはまだ接続可能範囲内であるにもかかわらず、接続許容数をオーバーしたとISP接続制御装置が判断し、接続要求を拒否するという事象が発生したことが原因でした。(別紙3参照)

(2)9月28日の原因
 9月26日に発生した故障を復旧させるにあたり、上記(1)の原因が明らかになっていなかったことから、サービス回復を優先するため、ハードウェア故障またはソフトウェアの不具合を原因と想定し、緊急避難的にISP接続制御装置(運用機・予備機)を別の一式に取り替えました。その後、根本的な故障原因を追究するために、取り替えた装置でプログラムの走行調査(ログの収集・分析等)を実施していましたが、原因が判明するまでに時間を要したため、調査データの収集に伴うISP接続制御装置のメモリが不足し、処理能力オーバーとなったことが原因です。


3.原因判明に伴う対策の実施
 ISP接続制御装置の調査データの分析を行った結果、網終端装置毎のデータベース値の設定は適正に行われていたものの、その合計であるISP毎のデータベース値の設定が提供エリア拡大に合わせて適正に変更されていなかったため、接続されにくい事象が発生したことから、データベースの値を本来設定すべき値に変更しました。これにより、リソースに見合った通信が確保できます。


4.再発防止等に向けた今後の対策
(1)各種データの再確認の実施(一部措置済み)
 ISP接続制御装置に設定する各種データについて、今回と同様なデータ間の不備がないことを再確認しました。
 また、今回の事象の発生を踏まえ、作業マニュアルの内容について見直しを行うとともに、今後、システム的な対処も検討し、再発防止に努めます。

(2)ログ情報などの監視体制の強化(措置済み)
 故障や不具合の前兆を見落とすことなく迅速に対処するため、フレッツ・ISDNの運用状態を監視している装置に出力されるログ情報などを自動的に保守者に通知するようシステム化を図るなど、運用状態の監視体制を強化しました。

(3)サービス回復時間の短縮
 故障時における各種バックアップ手順を関係者全員に再周知するとともに、模擬演習を実施するなどし、保守者のスキルアップを図り、サービス回復の時間の短縮を図ります。

(4)ISP接続制御装置の信頼性向上
・ISP接続制御装置の分散化
 故障による影響エリアが極力小さくなるように、10月6日に提供エリアを拡大した地域については既にISP接続制御装置を県単位で分散を図っておりますが、今回故障した装置についても分散化を図ります。

・ISP接続制御装置の取り替え
 9月28日の故障原因となったISP接続制御装置は、技術検証用として使用していたものを緊急避難的に使用しているため、最新の装置に取り替えます。


5.ISP接続制御装置の取り替えに伴うサービスの一時中断について
 ISP接続制御装置の取り替えにあたっては、30分程度のサービス中断が発生します。
 (なお、サービスの一時中断については、お客様に個別にお知らせいたします。)

取り替え予定日時     平成12年11月13日(月)
午前4時〜 約30分程度
 (取り替え時間前からインターネットに接続されている通信への影響はありません。)



別紙1 フレッツ・ISDNの構成
別紙2 故障発生時のフレッツ・ISDN提供エリア
別紙3 セッション管理方法


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