西日本電信電話株式会社(以下NTT西日本、代表取締役社長:浅田 和男)では、情報流通市場の活性化に向けた取り組みを進めておりますが、この度、動画・音声・テキスト(文字情報)等の様々な種類のデータ(素材)を自由にかつ効果的に組み合わせて連動させたマルチメディアコンテンツを作成できるプログラミング言語SMIL※1を使用したコンテンツ編集ソフトウェア「SMIL Editor(スマイル エディタ)」を開発しました。
これまでにもSMILを利用したコンテンツ編集ツールは存在しましたが、日本語に対応したものとしては、「SMIL Editor」が初めてとなります。
また、本ソフトウェアは、NTTグループ企業であるINSエンジニアリング株式会社(代表取締役社長: )が、平成12年8月25日(金)より販売を開始します。 |
商品名 |
SMIL Editor(スマイル エディタ) |
動作環境(OS) |
Windows95、Windows98、WindowsNT4.0 |
販売開始日 |
平成12年8月25日(金) |
※ |
予約受付は平成12年8月2日(水)より開始します。 |
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定価 |
8万円 |
販売地域 |
全国 |
販売予定数 |
約5,000個 |
開発元 |
西日本電信電話株式会社 |
販売元 |
INSエンジニアリング株式会社 |
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「SMIL Editor」はINSエンジニアリング株式会社において商標登録出願中です。 |
1. 背景 |
 | 昨今、インターネット等のIPネットワークの急速な普及・拡大やネットワークの高速化等、情報流通社会を支えるネットワークや技術の進展に伴い、学校教育やビジネス等の様々な場面において、文字情報だけでなく、より効果的に情報を伝えることができる動画や音声を活用したコンテンツのネットワーク上での流通が活発化しています。
こうした中、動画やテキスト等を別々に配信するだけでは内容を十分に伝えられなかったり、データの種類ごとに別々に受信する必要があるなど、必ずしも有効に機能していないことから、テレビ映像におけるテロップ表示のように動画・音声・テキスト等の複数のデータ(素材)を効果的に組み合わせたコンテンツを作成する必要性が高まってきています。
そのようなコンテンツを作成するには、各種のデータ(素材)を自由にかつ効果的に組み合わせて連動させることが可能なプログラミング言語SMILが有効ですが、直接プログラミングする場合は、SMILの専門的な知識が必要であるとともに、再生中の動画のどの部分でテキストを表示させるかなどのタイミングを実際に時間計測して調整する必要があったり、既存のコンテンツ編集ツールを使用しても、テキスト編集時に日本語を入力すると文字化けが生じるため、日本語文字と組み合わせたコンテンツを作成できないなどの問題がありました。
そこで、NTT西日本では、動画・音声とテキスト等の複数のデータ(素材)を効果的に組み合わせて連動させたコンテンツをSMILの特別なスキルや煩雑なプログラミングなどを必要とせず、簡単かつ効率的に作成できる日本語版のSMILコンテンツ編集ソフトウェア「SMIL Editor」を開発しました。 |
2.「SMIL Editor」の概要 |
 | 「SMIL Editor」は、テキスト編集等の各種編集メニューから操作マニュアルに至るまで全て日本語で利用できるSMILコンテンツ編集ソフトウェアです。
コンテンツ制作者は、SMILに対する特別なスキルを必要とせず、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)※2を用いた簡易な操作で動画・音声とテキスト等の各データ(素材)を効果的に連動させたマルチメディアコンテンツを作成することができます。 |
3.主な特徴 |
 | (1)日本語対応 |
|  | 「SMIL Editor」は日本語に対応しているため、テキスト編集時に文字化けを生じることがありませんので、日本語文字をそのまま使用したコンテンツを作成できます。また、各種編集メニューから操作マニュアルに至るまで全て日本語で利用できます。 |
 | (2)タイムライン編集 |
|  | パソコンの編集画面上で、基準となる動画や音声等のデータ(素材)を再生しながら、それに関連するテキストや静止画等のデータ(素材)を表示させるタイミングをタイムライン(時間軸)に沿って任意で指定することができます。例えば水族館の水槽で魚群が泳いでいる動画を再生している時に特定の出世魚の映像が出てくるタイミングでその魚を詳しく説明したテキストや魚が出世魚として成長していく静止画像を表示するように設定することなどができます。
なお、表示するタイミングの指定はマウス操作によって簡単・確実に行うことができますので、編集作業の効率化を図ることができます。 |
 | (3)容易なレイアウト編集 |
|  | 動画や静止画、テキスト等の各データ(素材)をそれぞれ画面のどこに表示させ、どのようなレイアウトにするのかをGUIを用いて容易に編集することができます。基本的な画面様式集(10パターン)の他に、独自にレイアウトを作成・保存することも可能です。 |
 | (4)多彩な表示効果設定 |
|  | テキストのスクロールや静止画のフェードイン・フェードアウトなど、様々な表示効果を与えることができますので、より効果的に演出することができます。 |
 | (5)ハイパーリンク設定 |
|  | 動画、音声、静止画、テキストにハイパーリンクの設定ができますので、関連情報をブラウザで表示させる等、付加情報に富んだコンテンツを作成することができます。 |
 | (6)任意のデータ量設定 |
|  | 使用する回線容量に合わせて、動画、音声、静止画、テキストそれぞれに対するデータ量を設定することができますので、コンテンツを配信するネットワークに最適な映像品質のコンテンツを作成することができます。 |
 | (7)RealSystemTM※3対応 |
|  | 「SMIL Editor」で作成されるコンテンツは、シェアNo.1の映像配信・再生用ソフトウェアであるRealSystemTMに対応していますので、より多くのユーザが作成されたコンテンツを利用することができます。 |
4.主な用途 |
 | インターネットやイントラネット等のネットワーク上で配信することを目的とした以下のようなコンテンツの作成に効果的です。
・ | 動画を中心とした商品パンフレット(例:商品説明の映像を再生しながら、商品の特徴をテロップ表示する) |
・ | 図鑑等の教材(例:水族館の映像を再生しながら、魚の拡大写真を表示したり、解説をテロップ表示する) |
・ | 学習教材(例:英会話の映像を再生しながら、日本語訳などをテロップ表示する) |
・ | 観光情報(例:観光案内の映像を再生しながら、名所旧跡の写真を表示したり、説明をテロップ表示する) |
・ | クッキング教材(例:クッキングの映像を再生しながら、材料や調理のポイントなどをテロップ表示する) |
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※1 SMIL(スマイル) |
 | Synchronized Multimedia Integration Languageの略。
動画や音声、テキスト等の各素材を効果的に時間を一致させて組み合わせたコンテンツを作るための言語。
1998年6月にWWW(World Wide Web)全般の標準仕様を策定する団体であるW3C(World Wide Web Consortium)によって勧告されたマークアップ言語。
マークアップ言語とは、ホームページ作成に使われるHTML(hypertext mark-up language)に代表されるように、文字サイズや色などの指定を文章中に直接書き込み、画面表示などをさせるための言語。 |
※2 GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース) |
 | Graphical User Interfaceの略。
ボタンやメニューなどのグラフィックスの部品を使って設計されたユーザインタフェース。ユーザは各種コマンドを使用することなく、画面上の絵(アイコン)をマウスなどで操作するだけで、簡単にコンピュータを操作することができる。 |
※3 RealSystemTM |
 | リアルネットワークス株式会社が提供する映像配信ソフトウェア商品及び映像再生ソフトウェア商品の総称。 |