平成12年5月19日
(報道発表資料)
西日本電信電話株式会社
株式会社エヌ・ティ・ティ・ダイナミックテレマ
ロータス株式会社

インターネットを利用したデータ会議に関する実証実験の開始について



 西日本電信電話株式会社(以下NTT西日本 本社:大阪市中央区、代表取締役社長:浅田和男)、株式会社エヌ・ティ・ティ・ダイナミックテレマ(以下NTTダイナミックテレマ 本社:大阪市北区、代表取締役社長:松村義弘)、及びロータス株式会社(以下ロータス 本社:東京都品川区、代表取締役社長:安田誠)は、複数地点間で電話会議等を行いながら、インターネットを介して会議資料等のデータをリアルタイムで共有できる「インターネット・データ会議サービス」の実証実験を、平成12年5月22日(月)より開始します。

 実験の開始にあたり、より多くの方からサービスに対する評価やご要望等をいただき、今後の事業化に向けたサービス仕様等の改善を行うために、実験参加企業(モニター)の募集を行います。


1.背景と経緯
 昨今、企業におけるインターネットの利用が急速に拡大していく中で、インターネットの新たな利用形態としてASP*1が注目されています。
 NTT西日本では、今後の情報流通市場の拡大に向け、様々なアプリケーションによるASPの事業化について検討を進めてきました。
 また、NTTダイナミックテレマでは、同社が提供する音声会議サービス「コーラスライン*2」の利用ユーザからの要望もあり、音声会議の付加価値を高めるツールとして会議資料等の画像情報をリアルタイムで共有できるサービスの提供について検討していました。
 こうした中、NTT西日本とNTTダイナミックテレマは、音声会議等を行いつつインターネット上で会議資料等のデータをリアルタイムで共有できるサービスの展開について共同で検討した結果、3〜4人の打合せから大規模な会議まで幅広く対応できるとともに、特別なハードウェアやソフトウェアを必要とせず簡単かつ安価に会議を行いたい等のユーザニーズにも対応できるアプリケーションであるロータスの「Sametime*3」を使用した「インターネット・データ会議サービス」を提供することとし、ロータスを含めた3社共同で本サービスの事業化に向けた実証実験を実施することとなりました。

2.実験の目的
 「インターネット・データ会議サービス」は、電話系サービスとインターネット系サービスを組み合わせて利用することにより、それぞれの利便性を飛躍的に向上させるという意味で、ASPビジネスの新たな可能性を提示するものです。
 本実験では、「インターネット・データ会議サービス」の技術面や保守・運用面における課題の洗い出しや、市場性の分析等、今後の実用化に向けた様々な検証を行うことを目的としています。

3.実験の内容
 本実験では、各会議参加者はインターネットを通じて「Sametime」を搭載したデータ会議サーバにアクセスすることにより、複数地点間で会議資料やプレゼンテーション資料等をパソコンのWWWブラウザ上でリアルタイムで共有することができます。
 また、アプリケーション共有機能により、一つのCADファイルを複数地点間で操作するなどのコラボレーション(共同作業)を行うこともできますので、企業内の遠隔研修や得意先への新製品情報の提供、企業間の共同開発等で利用すれば、従来の音声だけの会議と比較して飛躍的に利便性を向上させることができます。
 なお、これらの機能を円滑に実現するため、データ会議サーバを高速・高品質なインターネット接続環境に設置し、参加者の多い会議でも軽快かつスムーズな動作環境を確保します。
 このように、インターネットに接続できる環境があれば、会議参加者は電話会議等を行いながら、簡単に会議資料等を共有することができますので、遠隔地・多地点間での会議やセミナー等を特別なソフトウェアや大規模な設備等なしに、簡単・手軽に実現することができます。

 なお、本実験では、一般の企業等から実験参加者(モニター)を募集し、実際にこのサービスを利用していただくことにより、以下のような項目について具体的な検証を行います。

(具体的な検証項目)
<1>技術的実現性の検証
(イ)通信量に応じた動作性能の確認(利用者側)
例:同時開催可能な会議数、会議参加者数に応じた音声とのタイムラグ等の測定
(ロ)通信量に応じたシステムリソース使用状況等のデータ収集
例:1システムあたりの最大会議数、最大参加者数の測定
(ハ)提供する機能の過不足・妥当性の確認
(ニ)セキュリティ対策の実効性

<2>保守・運用性の検証
(イ)各種手続き・業務フローの過不足・妥当性の検証
(ロ)保守・運用上必要な機能の過不足・妥当性の検証

<3>市場性の検証
(イ)ユーザのサービスに対する評価(機能、利用意向等)の把握
(ロ)サービスの「値ごろ感」(妥当な価格帯)の把握

4.実験の実施期間
 平成12年5月22日(月)から平成12年7月19日(水)まで

5.各社の役割
<1>NTT西日本
本実験に使用するサーバ構築及び運用に関する技術的なノウハウの提供と本実験の全体的なコーディネートを行います。
本実験においては、システムの運用から得られる各種情報とモニターであるお客様からの評価の収集、分析を行い、発生する通信量に応じたシステムの動作性能、セキュリティ対策の実効性等、本サービスの技術的実現性についての検証を実施するとともに、本実験の結果に基づき、事業性についての評価も行います。

<2>NTTダイナミックテレマ
本実験におけるお客様の申込みから会議予約、会議中のサポート等の運営面を担当します。
同社は、音声会議サービス「コーラスライン」の運用で培った遠隔会議の予約から会議中における様々なお客様サポートのノウハウに基づき、本実験における実際のサービス運用を通じて、各種手続きや業務フローの妥当性を検証するとともに、システムの管理、保守(システム設定データの維持・管理等)について検証を行います。

<3>ロータス
本実験で利用するソフトウェア「Sametime」及び同ソフトウェアに関するシステム構築、設定、運用等の技術的ノウハウを提供します。
本実験を通じて得られたお客様からの評価、要望と同ソフトウェアの仕様との整合性についての検証を実施し、「Sametime」が「インターネット・データ会議サービス」のお客様の要望等に応えられるものとなるよう、同ソフトウェアの開発計画に反映していきます。

6.実験参加企業(モニター)の募集
 本実験では、より多くのお客様からサービスに対する評価やご要望等をいただき、今後の事業化に向けたサービス仕様等の改善を行うために、実際に本サービスを利用していただく参加者(モニター)を全国の企業等から募集します。お申し込み方法等の詳細は以下のとおりです。

<1>参加対象 通信やインターネットを活用した会議サービスについて、ご利用の意向がある企業等(概ね50社程度)
  本実験期間中または終了後にサービスご利用後の感想などアンケートをお願いする場合があります。

<2>対象地域

全国(国外からのアクセスも可能)

<3>参加費用

無料 (「インターネット・データ会議サービス」の利用料金)
  但し、データ会議サーバにアクセスするために必要な通 信料金、インターネット接続料金及び電話会議等の料金は実験参加者の負担となります。

<4>募集期間

平成12年5月22日(月)〜平成12年6月30日(金)

<5>申込み方法  

下記の申込み先に電話または電子メールにてお申し込み下さい。(別途、正式な申込み用紙をファクスにてお送りします。)
 

電子メールでお申し込みの場合は、タイトルに「インターネット・データ会議サービス申込み」、内容として、お申し込みいただく方の法人名、部署名、担当者名、住所、連絡先電話番号、ファクス番号をそれぞれご記入の上、お送り下さい。
  なお、事務局では、お申し込みいただいた方に対し、お申込み受け付け後、概ね3日(土日祝日を除く)以内にモニター登録確認書をお送りします。その際、ご利用の手順等の説明書をあわせてお送りします。

【申込み先】
  「インターネット・データ会議サービス事務局」(NTTダイナミックテレマ内)
      電話:0120−551−998
      E‐mail:chorusdata@ksi.dte.co.jp

<6>必要な環境


パソコンの仕様等
    CPU:Pentium 133MHz 以上
    メモリ:32MB 以上
    通信環境:LANまたはダイヤルアップ(28,800bps以上)によりインターネットに接続できること
  ソフトウェア
    パソコンOS:Windows 95, Windows98 または Windows NT 4.0 (Service Pack 3)
    ブラウザ:Microsoft Internet Explorer 4.01以上または Netscape Navigator 4.06以上
  その他
    パソコンの通信回線以外に音声通話ができる環境(電話会議等)が必要です。

7.今後の予定
 今後3社は、本実験期間中、「インターネット・データ会議サービス」を企業内・企業間での会議、情報共有、または遠隔教育等の分野で気軽にご利用いただけるよう、引き続き共同で機能拡充や運用方法の改善等を行っていく考えです。
 また、NTT西日本とNTTダイナミックテレマは、本実験によって得た技術的実現性や保守・運用性及び市場性等の検証結果等を踏まえ、「インターネット・データ会議サービス」の早期(平成12年8月頃を目途)事業化に向け、技術面や運用面での改善を行うとともに、実験で把握したお客様ニーズを反映したサービスメニュー(機能、価格等)の具体的な検討を進めていきます。


*1「ASP」
ユーザがパソコン等を利用してインターネット経由で業務ソフト等を利用できるようにするネットワークを活用した新たなソフトウェア共同利用型のサービス提供事業です。

*2「コーラスライン」
NTTダイナミックテレマが平成8年8月からサービス提供している多地点の電話を一つに結び音声による会議を実現する(音声会議)サービスです。

*3「Sametime」
インターネット等のネットワーク上で企業内あるいは企業間でのコラボレーション(共同作業)を実現するリアルタイム・コミュニケーションツールです。ユーザは、オフィス内、リモート環境、インターネット上などロケーションに関わらず連絡したい相手を見つけて共同作業をすることが可能になり、グループ・ワークをより効率的に行うことができます。なお、ユーザはインターネットブラウザにより会議に参加することができるため特別なハードウェア、ソフトウェアを必要とせず安価かつ気軽に会議を行うことができ、また、システム構築においては3〜4人の打合せからから大規模な会議まで幅広く対応できユーザ数等に応じて対応することができます。




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