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沖縄支店

特賞(作文の部)

6学年の部 泡瀬特別支援学校小学部 仲泊 厚志
「ぼくの応援団長」
 
「お母さんどうする。先生が十三祝いの余興お父さんとギターひいたら、って言ってたけど。」
夕飯を作っているお母さんへ相談すると、
「やっていいんじゃない。」
と嬉しそうに言いました。ぼくのお母さんは、歌が大好きで普段からよく歌っているので、
「お母さんも出るよ。」とぼくが言ったら、
「うそでしょう。」
と目を丸くして、料理している手が止まりました。お母さんが出るとは信じていないようです。  お父さんが仕事から帰ってきました。
「お父さん、十三祝いの時、一緒にギターひこう。そして、お母さんも一緒に出よう。」
とぼくが言うと、お父さんは、
「いいよ。お母さんに内緒で、本番でぶ台によぼうぜ。」
と言ってくれました。それから、ぼくとお父さんは、毎日夕飯前にギターの練習をしました。曲は、ミスタービックの『トゥービィーウィズユー』です。
 十三祝いは、学校の体育館で行われました。朝から式服を着て、ドキドキしながら学校に行きました。友達もきれいな格好をして、お母さん達と来ていました。
 一人一人のこれまでの成長を見ました。ぼくたちの学年、八名全員のスライドが終わると、いよいよ余興です。六年生と四年生の余興の後、司会の先生が
「五年生の我こそは我こそはと言ってくれた、厚志君とお父さんがギターをやってくれるそうです。それでは、よろしくお願いします。」
 ぼく達は、ドキドキしながらぶ台に上がりました。お父さんがマイクを持ってあいさつをした後、ぶ台の上にお母さんをよびました。お母さんは、ううんと手をふっていましたが、ぶ台に上がって来てくれました。そして、三人で歌いました。
「イエイ。ワォ。フゥ。」
 ぼくが、間奏のソロを真剣に弾いている後ろで、ノリノリのお母さんの声が聞こえました。お母さんが大きな声で歌ったら、ギターの音が聞こえないから、静かに歌ってと思いました。けれども、ぼくとお父さんとお母さんの三人で出れて良かったと思いました。
 その後、お母さんからの手紙がありました。長い手紙でした。手紙の最後に
「仲泊厚志の応援団長仲泊和代、副団長仲泊保。」
と言ってくれました。それを聞いて、ぼくは応援されているんだなと思いました。
「お母さん、いつも応援してくれてありがとう。」
ぼくは、心の中で言いました。
 ときどきお母さんとケンカすると、違う家が良かったと思う事もあるけれど、ぼくは、やっぱりお母さんの子供に生まれてきて良かったです。なぜなら、ぼくが落ち込んでいる時もいない時もお母さんが大きな声で歌って盛り上げてくれるから、いつも楽しいです。
 ぼくは将来、車イスバスケットの選手になりたいと思っています。自分の夢をかなえるため、バスケットが上達するように努力し続けたいと思います。
 それまで、お母さん、これからも応援よろしくお願いします。
 
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