NTT西日本

NTT西日本陸上競技部┃堀越 信司

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堀越信司インタビュー~8年間待ち続けた夢舞台 東京の地で最高の走りを見せる~

東京2020パラリンピック 陸上競技 男子マラソン T12(弱視) 日本代表・堀越信司。これまでに3度のパラリンピックの舞台で走ってきた堀越にとって、4度目の舞台となる東京2020パラリンピックは特別なものだという。レースまで1カ月を切った今、特別な舞台を目前にした堀越に、思いを聞いた。

自分に合った練習を着実に積み上げ、過去最高の状態で東京へ

レース当日までついに1カ月を切りました。率直な思いをお聞かせください。

東京2020パラリンピックの舞台に立つことは、僕にとって8年越しの夢です。ロンドン2012パラリンピックの翌年、2013年に東京での開催が決まりましたが、実はこの時、ケガもあって競技を続けていくかどうかを悩んでいた時期でもありました。東京での開催決定は「自国開催のパラリンピックの舞台で走ることができるのであれば、そこまでは頑張って走り続けたい」と、自分の心を再度奮い立たせるターニングポイントになったんです。

そうやって、東京2020パラリンピックまでを見据えて臨んだ2016年のリオ2016パラリンピックでは、メダルまであと一歩足りずに悔しい思いをしました。しかし、感じた悔しさは、東京2020パラリンピックに向けての新たな力になり、今の自分を形作ることにつながっています。

東京2020パラリンピックは、堀越さんにとって4度目のパラリンピックの舞台となります。今のコンディションはいかがでしょうか。

年齢もあるかもしれませんが、今は自分をうまくコントロールできるようにはなってきました。自分に合った練習を積むことができているなと。その成果として、ここ3年でマラソンの自己ベストを5分縮めることができました。確実に力をつけることはできているので、結果につなげたいですね。

出場する皆さん同じだとは思いますが、東京の暑さへの対策が重要だと思っています。僕自身、リオデジャネイロの暑さを体感しましたが、正直、東京の暑さはまた別物だと感じています。気温が33度、34度であっても、湿度が低くてカラッとしているのと、同じくらいの気温で湿度が70%を超えている、となると体が受けるダメージは全くの別物です。それに対応するために、2019年、2020年と、いろいろな夏のレースを経験してきて、東京2020パラリンピックの舞台に近いところでの暑さ・湿度対策もしっかりと積んできました。

東京2020パラリンピックの陸上競技・マラソンの舞台は、2019年に開催されたマラソンの大会と同じです。どう戦いますか?

自国開催、ある種のホームでの戦いではありますが、油断していたら確実に足元をすくわれてしまいます。というのも、その大会のレース模様は広く発信されました。ですので、どんなコースなのか、どこで攻めるのか、コースしかり、そこをどう攻めるかのレース戦略しかり、誰もが研究し尽くしていることが想像に容易いからです。ただ、だからと言って、焦っては元も子もありません。もうレースまで4週間を切りましたから、焦ってオーバーワーク、となってしまうと全てが無に帰します。もちろん、欲は出てくるんですよね。「今、すごく体が軽くて、タイムも出そう。ちょっとやるか」と。でも、そこをぐっと抑えて・・・というのを意識しています。抑えすぎもダメなので、その辺のバランスを取りながら、レース当日まで過ごしていき、当日に最高のピークを持っていけるようにしたいです。

そのために、というわけではないのですが、自分の部屋にテレビがないことが、いい効果をもたらしているなと思っています。今は、連日東京2020オリンピックでの日本代表選手の活躍などが放映されているでしょうから、本当は気になるんです。でも、それを見ちゃうと、どうしても自分のレースのことを考えてしまいます。ですので、部屋にいるときは完全に自分のアスリートとしてのスイッチをオフにして、過ごしています。テレビはありませんが、気分転換に、ネット上の動画で田舎暮らしの動画とかを見たりしています。長野県出身なので、そういう生活に憧れるDNAが騒ぐのかもしれません(笑)。

「最後まで諦めず走り続ける」リオ2016パラリンピックの時から変わらぬ思いが力になる

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、これまで経験されてきた北京2008パラリンピック、ロンドン2012パラリンピック、リオ2016パラリンピックとは全く違う環境でのレースになると思うのですが。

難しいかもしれませんが、本当は、沿道で多くの方に走りを見てもらいたい、それが偽らざる本心です。百聞は一見に如かず、パラ陸上競技を、ブラインドマラソンを肌身で感じてもらえる、こんなチャンスはまたとありませんから。しかし、残念ながら、今の状況では厳しいでしょう。ただ、色々な形で、見ていただくことはできます。テレビ、ラジオなど、何でもいいです。ちょっと朝が早いですが、ぜひ見聞きしてもらえればと思います。僕の東京2020パラリンピックでの走りでパラ陸上競技、ブラインドマラソンを少しでも身近なものにしてもらいたいです。

リオ2016パラリンピックではあと一歩のところでメダルを逃しました。今度こそ、という思いは非常に強いと思うのですが、メダル獲得に向けての決意を。

実は、日の丸をつけてのレースで、過去にメダルを獲ることができています。しかし、パラリンピックだけはまだ獲得できていません。ですので、今度こそはという思いはとても強いです。リオ2016パラリンピックではあと一歩でメダルを手にできそうだったのに、滑り落ちていきました。そうした経験をしたからこそ、リオ2016パラリンピックからずっと思っていることですが、東京2020パラリンピックでも「最後まで諦めず走り続ける」ことが何よりも大切になってくるだろうと考えています。

レースでは、何が起こるかわかりません。レース当日、誰も想定していないような暑さで、自分より上位の選手がリタイヤしていくかもしれない、ライバルが何かの不調に陥っているかもしれない。そういった出来事が起きても、自分がそこに絡めるぐらい、走り続けていないと何の意味もありません。外的要因で上の順位に上がるのも、一つの実力だと思うのです。運も実力のうちって、そういうことなのではないかなと。その運を呼び込むためにも、絶対に、最後まで諦めず走り続けます。

これはいつもいうのですが、正直、走ってみないとわからないんです。でも、後半へたらないように、足にダメージを極力蓄積させないように走るにはどうしたら良いか、ペースをどうするか、そして最後の上りでしっかりスパートして乗り切るか。色々と考えるべきことはあります。いける!と思ってオーバーペースになりすぎないようにとか、考えるべきことはいっぱいありますが、「最後まで諦めずに走り続ける」ことだけは、約束します。

では、最後にファンや会社の皆さん、支えてくれるスタッフの皆さんなどへ、決意表明の一言をお願いします。

8年間、本当に色々とありました。東京2020パラリンピックで走ることを目標に、ここまで来ることができました。その夢のスタートラインに、自信を持って立つことができそうです。残りの時間、決して油断せず、最高の状態でスタートできるように、残りの時間を過ごしたいと思います。支えてくれる皆さん、陸上ファンの皆さんに、自分の走りで感動を与えられるよう、最後まで諦めず走り続けます。応援をよろしくお願いいたします。僕の東京2020パラリンピックでの走りを見て、パラ陸上競技・ブラインドマラソンのことを知らない人に、いっぱい話して、宣伝して、盛り上げていただければうれしいです!

堀越選手から皆様へのメッセージ

堀越選手のパーソナルページへ

堀越選手は視覚障がいT12クラスで競技をしています。
開催年 大会 結果
2010 広州アジアパラゲームズ 5,000m 銀メダル
2011 IPC陸上世界選手権
(ニュージーランド・クライストチャーチ)
10,000m 5位
5,000m 6位
2012 ロンドン2012パラリンピック競技大会 5,000m 5位
2014 仁川アジアパラゲームズ 5,000m・1,500m
金メダル
2015 ロンドンマラソン 兼 IPCマラソン世界選手権 フルマラソン
銅メダル
2016 リオ2016パラリンピック競技大会 陸上競技 男子マラソンT12
4位入賞
「NTT西日本は、JPCゴールドパートナー(通信サービス)」です。

監督のコメント

清水 康次監督

堀越なら、東京2020パラリンピックでリオ2016パラリンピックの悔しさを晴らすことができる!

リオ2016パラリンピックでのレースは本当に厳しいものとなりました。炎天下でのレースで、選手の体力がどんどん奪われていったのが、沿道で観戦している私たちに伝わるほどでした。そんな中でも、堀越は最後まで諦めず、4位でゴールをしてくれたことを、まず労いました。そして、同時にメダルがその手につかめるところまでいったのに、なぜ自分の手からこぼれ落ちたのか、そこについても二人でいろいろと話をしました。

まず、上位3名の選手と堀越との違いなどについて。堀越はまだマラソンの経験が少なく、リオ2016パラリンピックが4回目のレースです。ベテランといわれる選手たちとは、絶対的な経験値の差があります。その経験の差が、全てリオ2016パラリンピックのレース結果につながったわけではありませんが、自分から強気に仕掛けられなかったことに多少なりとも影響したかもしれません。

そして、リオ2016パラリンピックは、堀越にとって、非常に良い経験を積むことができたレースとなりました。2020年に向けて、やるべきことが明確になったからです。「経験を積み、強くなる」という目的のために、何をやっていかねばならないか。夏のマラソンに積極的に出場し、トラックレースでもしっかりと記録を出していく。堀越なら、4年間で一回りも二回りも大きく成長し、東京の地でリオ2016パラリンピックの悔しさを晴らすことができると信じています。

「NTT西日本は、JPCゴールドパートナー(通信サービス)」です。

障がい者スポーツ

堀越選手が参戦する障がい者スポーツについてご紹介します。
障がい者スポーツには様々な種類があります。

屋外での個人スポーツ

  • 陸上競技
  • 自転車
  • アーチェリー
  • 車いすテニス
  • ローンボウルズ
  • 馬術
  • ゴルフ
  • トライアスロン
  • フライングディスク など

屋外での団体スポーツ

  • グランドソフトボール
  • フットベースボール
  • ソフトボール
  • 野球
  • サッカー
  • 5人制サッカー
  • 7人制サッカー など

屋内での個人スポーツ

  • パワーリフティング
  • ボウリング
  • 射撃
  • 柔道
  • 車いすフェンシング
  • 車いす空手
  • バドミントン
  • テコンドー
  • ボッチャ
  • 車いすダンス
  • 車いすビリヤード
  • 卓球
  • サウンドテーブルテニス
  • ブラインドテニス など

屋内での団体スポーツ

  • 車いすバスケットボール
  • 車いすツインバスケットボール
  • シッティングバレーボール
  • ウィルチェアーラグビー
  • ゴールボール
  • 車いすハンドボール
  • 電動車いすサッカー
  • 卓球バレー など

ウォータースポーツ

  • 水泳
  • ローイング
  • シンクロナイズドスイミング
  • カヌー
  • セーリング
  • スキューバダイビング など

ウィンタースポーツ

  • アルペンスキー
  • クロスカントリースキー
  • バイアスロン
  • アイススレッジホッケー
  • 車いすカーリング など
参考:JPSAスポーツガイド

障がいといっても、腕や脚、視覚、聴覚などその種類はさまざまで、程度も人によって異なります。障がい者スポーツでは、障がいの種類や程度によってクラスを分け、そのクラス内で順位を競っています。

たとえば視覚障がいでは「T11、T12、T13、T14」と4クラスに分けられており、軽度弱視の選手は単独で競技し、全盲や重度弱視の選手は晴眼の伴走者がサポートします。
堀越選手はT12クラスに属し、伴走サポート無しで以下のような大会に出場しています。