応援ありがとうございました!
男子
女子
個別認定選手は男女ともに代表権獲得ならず!
秋の天皇賜杯・皇后賜杯に向けて再始動!
長江光一・堀晃大ペア
11月に中華台北・嘉義市で開催される「第7回アジア選手権大会」。その日本代表を決める日本代表予選会が、5月3日(木・祝)から5月5日(土・祝)の3日間、大阪市の靭テニスセンターで開催されました。この大会で選ばれる日本代表は、男女とも優勝ペアのみ。NTT西日本の個別認定選手からは長江光一・堀晃大ペア、村上雄人・中本圭哉ペア、大庭彩加・佐々木舞ペア、小林美咲が、その過酷なサバイバルレースに挑みました。
村上雄人・中本圭哉ペア
男子は、長江・堀ペアがこの予選会を勝ち抜くための新戦術として、ダブル前衛を導入。初戦は圧倒的な攻めを見せて5-0で勝ち抜くも、続く2戦目では、自分たちのミスが原因となって流れをつかむことができず、残念ながら1次リーグで姿を消しました。
また、この4月にペアを組んだばかりの村上・中本ペアも、両選手の高い技量により、初戦と2戦目を勝ち抜いたものの、1次リーグ最終戦で大学生ペアの勢いに敗れて敗退。ペアとしての練度が足りず、代表権獲得を逃しました。
個別認定選手が軒並み本領を発揮せぬままに敗退した中、大躍進したのがNTT西日本広島ソフトテニスクラブ所属の水澤悠太と岩ア圭です。自分たちのペースを確立し、次々と相手ペアを撃破して1次リーグを勝ち上がると、2次リーグでも大学生ペアや実力派実業団選手を安定したプレーで撃破して、3次リーグへ進出。さらに3次リーグでは、日本男子ソフトテニス界のトップに君臨する選手たちを相手に2勝1敗で勝ち抜き、ナショナルチーム以外の選手による国際大会代表権の獲得という快挙を成し遂げました。
大庭彩加・佐々木舞ペア
小林美咲
一方、女子は大会前の﨏田のケガによって別の選手とペアを組んだ小林美咲が奮起。1次リーグを3戦全勝で突破すると、2次リーグの初戦でも伸び伸びとしたプレーで相手を撃破するも、強豪ペア相手に遅れをとって2勝3敗という結果に。残念ながら最終日には残れませんでしたが、大会の約1週間前に組んだ急造ペアながら、小林は秘めたポテンシャルの片鱗を見せました。
佐々木・大庭ペアは、初日の悪天候で1試合が翌日に持ち越しとなりながらも、1次リーグを3戦全勝で通過。しかし、2次リーグの初戦で、これまで2連敗中の実業団ペアに2-5で敗れると、続く大学生ペア相手にも大苦戦を強いられる展開に。結果、マッチポイントを奪いながらもファイナルセットで逆転負け。後の2試合を2連勝と持ち直しましたが、2次リーグ通過をかけた実業団ペアとの対戦でミスを連発し、2勝3敗で涙を飲みました。
水澤悠太・岩ア圭ペア
個別認定選手は結果を出すことはできませんでしたが、水澤・岩アペアが見事に代表権を獲得するなど、選手層の厚さを見せつけたNTT西日本広島ソフトテニスクラブ。今後の各選手たちの活躍に注目です。
選手・監督 コメント
<長江光一>
この大会の前に参加していたナショナルチーム合宿で調子も上がっており、いい感じで大会には入れたと思います。ただ、ダブル前衛を新戦術として取り入れたものの完成度が低く、相手に少し崩されると不安になって、自滅したという感じです。昨年の冬から、何度かダブル前衛を試合で試してきましたが、私たちはもともとダブル前衛が得意なペアではなかったのかもしれません。でも、新しいことをやっていかないとテニスの幅も広がっていかないということも分かっていますので、試行錯誤しているという感じでした。頭では理解していても、身体がまだ反応しきれていないとも感じましたね。
今回の予選会では、結果を出すことができませんでしたが、再来週に全日本シングルスがありますので気持ちを切り替えて臨みます。その後も西日本、社会人、全日本実業団と大会が続きますので、これからもダブル前衛を突き詰めていくのか、元のスタイルに戻すのかなど、戦術についても考えていきたいです。前のスタイルでは全日本4位などの結果は出ていますが、それで本当に優勝できるのかというと疑問を感じているのも確かです。より高みをめざすためにも、さまざまな方法を模索したいと思っています。
<村上雄人>
本当に悔しい、それに尽きます。最低でも3日目の最終予選まで残りたかったのですが…。今振り返ると、ダブル前衛でいくのか雁行陣でいくのかが中途半端だった気がします。今後の課題は、フォーメーションを徹底することですね。特に自分たちがうまくいっていない時に、どちらかに徹底することが大事だと痛感しました。
今大会では、雁行陣でロングラリーになった時は連続でポイントできていたのですが、ダブル前衛にした際に失点するケースが多く、流れに乗れませんでした。その時々の調子を見極め、雁行陣を使い続けるなどの判断を迅速にしながら試合ができれば良かったと思います。個人的には、カットサーブの成功確率は良かったのですが、ボレーで単純なミスが出てしまったという印象です。
今年の目標は、10月の天皇賜杯で優勝すること。また、代表予選会で負けてしまったとはいえ、まだ推薦でメンバーに残れるチャンスはあります。今後も、さまざまな大会で結果を出し、しっかりアピールしていきたいと思います。
<堀晃大>
今回の大会は、自滅というか自分たちのスタイルをやりきることができませんでした。迷いもあって、自信を持ってプレーできなかったのが敗因だと思います。冬から新しい戦術に取り組み、2人で前に出てやろうと決めていたのですが、自然と後衛の自分の所にボールが集まったことが、不安や迷いにつながってしまいました。負けてもいいから、練習してきたスタイルをやり切れば良かったと、試合を振り返ると感じます。
今後は練習方法を変えたり、本番と同じ緊張感をもって練習に取り組むための工夫をするなど、夏に向けて徹底的に取り組んでいきたいです。とにかく前に詰めた時にしっかり攻めきれるように、練習の時から意識してやっていこうと思っています。体力的にはナショナルチーム合宿でも差はないと感じていますので、やはり技術的な自信を持てなかったことで精神的にも強くなれず、今回の結果につながったのかなと自分では感じました。今後、10月の天皇賜杯に向け、技術面を向上させて、精神面の弱さをカバーできるようにやっていきたいと思います。
<中本圭哉>
非常に多くの課題が残る大会だったと思います。国際大会に向けてダブル前衛というスタイルに挑戦してきましたが、それがうまく機能せずに負けにつながってしまいました。ダブル前衛自体は学生時代からやっており、平成23年の世界ソフトテニス選手権大会で優勝もしていますが、村上さんと組んだのは4月からですので「あうんの呼吸」で動けるまでに練度を高めることができませんでした。これからの大会で慣れていき、「あうんの呼吸」で動けるペアをめざしたいですね。
ただ、敗因に関しては、必要以上に緊張してしまったことにもあると感じています。流れを戻したかったのですが、ミスを恐れてしまって、気持ちが受け身になってしまい、流れを取り戻せませんでした。
私の目標は、世界一になることです。でも、そのために、今は代表に選ばれるようにアピールしていかなければなりませんので、国内大会やナショナルチーム合宿でどんどんアピールしていきたいと思います。
<大庭彩加>
大会を通して、自分たちの力は出し切れませんでした。相手もミスはありましたが、自分たちのミスが多く、リードした状態から負けてしまうゲームが多かったように思います。2次リーグの初戦は、2回連続で負けているペアと対戦しました。相手は自信を持って挑んできましたが、それを跳ね返せずに負けてしまっただけでなく、次のゲームも落としてしまいました。その後、2連勝で持ち直せたとは思いますが、全体的に自分たちが楽しめていなかったのが今大会における一番の敗因だと思います。
個人的には、2週間後の全日本シングルスで優勝を狙っていきたいです。もちろん、ダブルスでは10月の皇后賜杯に向けて調整をしていきたいと思います。皆さん、今後とも応援をよろしくお願いします。
<佐々木舞>
相手に何かをされたというわけではなくて、自分のミスでゲームが流れてしまったので、それが一番もったいなかったですね。何より、自分のミスで自分たちを追い込んだのが、今回の敗因だと思います。特に2次リーグの2試合目は、大学生ペアを相手にマッチポイントまで追い込みながら、ファイナルに持ち込まれて負けてしまいました。そのゲームについては、悔やんでも悔やみきれません。
また、勝てば最終日に残れるという試合に臨む際、あまり意識しないようにとは思っていたのですが、目の前のボールよりも勝たないと上がれないということを考えてしまい、ミスにつながってしまいました。
代表入りは推薦しか残されていませんが、あまり考えず、10月の皇后賜杯に向けて調整していきたいと思います。今後とも応援をよろしくお願いします!
<小林美咲>
﨏田さんのケガもあって、今大会は違う方とペアを組むことになりました。急造ペアでいつもと同じようにはいかなかったものの、逆に自分の課題が明確になりました。
勝った試合は自分からテニスができていい流れに持っていけていましたので、収穫もあった大会だったと思います。積極的に自分からポイントを獲りに行き、駆け引きができている試合は流れにも乗れていたのではないでしょうか。緊張はありましたが、5−2で勝利した2次リーグの初戦などは、プレーを楽しむことができました。そういう試合は勝てていたので、この感覚を忘れないようにしたいと思います。
春の一番大きな大会は終わりましたので、次は10月の皇后賜杯が最重要目標です。それまでに国内大会に挑戦して、自分のやりたいテニスを明確にして皇后賜杯に挑みたいと思っています。
<中本裕二NTT西日本女子監督>
女子に関しては、個別認定選手の2ペアとも2次リーグに進んだものの、残念ながら両ペアとも2次リーグで敗れてしまいました。
佐々木・大庭は、2次リーグ初戦と2戦目を落としてしまい、波に乗れなかったようです。大学生を相手にした2戦目は、マッチポイントにまで追い込みながら敗れましたからね。今回、二人ともかなりのミスをしていましたので、本当に驚きました。私が見ていて感じたミスの原因は、力の入り過ぎです。「勝たなければならない!」という気持ちがにじみ出ているテニスで、自分たちが楽しめていなかったように感じました。遊びを少し入れて楽しんでいる時の佐々木・大庭は一番強いのですが、外から見ていても身体が緊張しているのが分かるほどでした。特に、佐々木がチャンスボールを空振りするなんてことは考えられないことです。二人には、もう少し楽しんでテニスをするようにということを伝えました。チャンピオンであることはもちろん意識しなければなりませんが、それは昨年度の世界選手権でのこと。今年度はまた違います。それを意識するようにと言っています。
小林に関しては、﨏田がケガで出場できないという状況でしたが、よく頑張ってくれました。まだ2年目の選手ですが、成長していることを感じますし、きっと日本一の前衛になってくれる、そんな素質を持っている選手だと思います。負けて、負けて、何かを得て、そして最後には負けない選手になってほしいですね。
代表に関しては、まだ推薦での選出が残っていますが、意識はしていません。選手たちには、推薦で選ばれることを待つような選手になるなと言っていますし、自力で代表の座を勝ち取るのがNTT西日本の考えです。もちろん、今回の予選会で結果を出せなかったので、後は推薦で選ばれるかどうかですが、それを特に意識することなく、今年度のさまざまなタイトル奪取に向けて取り組んでいきたいと思っています。まず何より、秋の皇后賜杯で優勝すれば、その年のナンバー1であることが証明されますので、そこにピークを持っていけるように取り組む予定です。
男子については、水澤・岩アが良くやってくれました。その半面、個別認定選手の長江・堀、村上・中本が勝てないというのはちょっと寂しく感じます。実績も実力もあるのだから、これから頑張ってもらいたいですね。
<藤川幸徳NTT西日本男子監督>
取り組みとしては、さまざまなことに取り組んできたつもりですが、本番になるとプレッシャーがあったり、ペア間で信じ合わねばならない部分が信じきれていなかったり、精神的に弱い部分が出てしまった大会だったと思います。
長江・堀ペアは自滅ですね。単純なミスで連続得点ができず、リズムを作れませんでした。堀は大会前にケガをしましたが、致命傷ではなかったと思っています。それが固さにつながったのかも知れませんが、動きが良くなかったですね。
長江・堀は、新しくダブル前衛に取り組んできましたが、戦術的に自信を持てない状態で大会を迎えたのは確かです。いくつかの公式戦で試して、結果を出して臨めたわけではないのが痛かったですが、今回の結果を踏まえてダブル前衛を突き詰めていくのか、元のスタイルに戻すのか、場面に合わせて両方を取り入れるのかなど、柔軟に対応していきたいと思います。
村上・中本ペアについては、自分たちの持っている力を半分も出せていませんでした。向かってくる相手に対して受け身になって、いつものプレースタイルがなりを潜めてしまっていましたからね。2人とも素晴らしい技術を持っているものの、自分たちの良い部分を全く出せないまま終わってしまったというのが、私が見ていて感じた印象です。ダブル前衛など、やっていることは強気ですが、気持ちが弱気になっていました。二人とも、迷いながら試合に臨んでいたようです。まだお互いを信じきれていない部分があるのかも知れません。今後はペアとしての力を高めるための努力を続けてほしいですね。
両ペアとも、今後は個々の能力を高めながら、ペアとしてのあり方を話し合い、理想の形を見つけていくことが課題になると思います。負けによって得たものを糧とし、勝ち続けることの難しさを確認しつつ、再スタートをきってほしいと思います。
また、水澤・岩アは、本当に良くやってくれました。思い切りよくプレーができていましたし、瞬時の判断が必要とされるシーンでも迷わず的確な判断ができていたと思います。この二人の活躍が、個別認定選手の奮起、そしてチーム全体のレベルアップにもつながるでしょう。