西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:大竹伸一、以下NTT西日本)は、シンガポール国内においてOpenNet社※1(本社:シンガポール、CEO:Tan Kah-Rhu)が構築中の次世代ブロードバンド網「Next Gen NBN(国家高速広帯域網)」※2プロジェクトに従事する光ファイバーによるアクセス回線施工技術者を対象とした技術研修を平成22年10月4日より実施します。
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シンガポール国内にて光ファイバー網の構築を実施しているインフラ会社。詳細については、本リリース末尾の「各社概要」参照。 |
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Next Generation National Broadband Networkの略
シンガポールにおける次世代ブロードバンド網。最大速度1Gbps以上の光ファイバ網を平成24年(2012年)までに世帯及び法人のほぼ全てが利用可能とすることを目標としており、OpenNet社が整備を進めている。 |
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1.実施に至った背景
NTT西日本は、光インターネット接続サービスの提供により培った技術、ノウハウを活用し、諸外国における情報通信分野の発展に寄与することを目的として、海外通信事業者等との関係構築や新規ビジネスの創出に向けた取り組みを行っています。
このような中、国家的プロジェクトとして「Next Gen NBN」構築を進めているシンガポールの政府・企業に対して、NTT西日本がこれまで培った光ファイバー網事業に関する進んだ技術・経験に関し、意見交換・視察受入れを行ってまいりました。
その一環として、シンガポール国内での光ファイバー施工技術研修について、コンサルティング会社であるFiberOpto Asia社※3(本社:シンガポール、CEO:Thiam Boon Kwee)主催のもと、NTT西日本の社員が講師となりシンガポール国内にてOpenNet社関連の技術者向けに平成22年7月5日から7月9日に研修を実施しました。
本研修を受講した研修生からの「NTT西日本の光ファイバー網構築の実績に裏付けされた技術について学べた」といった高い評価を受け、この度、FiberOpto Asia社、OpenNet社から本研修についての継続的な実施要請があり、本格的に研修を実施することとなりました。
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アジア各国の企業を対象に、光ファイバー設計や技術資格の認定等を行っているコンサルティング会社。詳細については、本リリース末尾の「各社概要」参照。 |
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2.実施目的
本研修を通じ、日本の先進的なFTTH技術とNTT西日本が培った光ファイバー網に関するノウハウを提供することで、シンガポール共和国内における人材育成に貢献します。 |
3.実施内容
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実施期間等
平成22年10月4日から10月8日までの期間において、2日間のコースを4回実施
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研修対象
「Next Gen NBN」構築プロジェクトに従事する光ファイバーによるアクセス回線施工技術者
(1コースにつき最大20名までとし、4回で約80名に対し実施する)
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研修概要
光ファイバー技術に関する基本的知識の講義と光ファイバーの敷設、接続、試験を行うために必要な基礎的な施工技術について技術指導を行う。NTT西日本は、講義部分を行い、通信建設会社(株式会社 協和エクシオ)が施工技術の指導を行う。
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研修内容
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講義
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日本のブロードバンド普及状況、サービス紹介 等 |
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FTTH、光ファイバーの基礎
光伝送システムの概要、光ファイバー技術、接続技術、FTTHとDSLの違い、FTTHのネットワーク構成例、運用保守技術 等 |
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安全作業: 施工時の危険予知や安全対策 等 |
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施工技術
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光ファイバーの融着接続、クロージャー組立、光ファイバー正常性試験、等 |
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4.各社の役割
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| 【FiberOpto Asia社】
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研修の主催 |
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場所、教材・機材、評価のとりまとめ等 |
【OpenNet社】
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「Next Gen NBN」構築にかかわる施工業者に対し本研修の推奨・紹介 |
【NTT西日本】
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FTTH技術者派遣による講義及び施工技術研修の補助 |
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施工技術研修実施者の調整サポート |
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5.今後の展開
本研修はシンガポール国内で継続的に実施していく予定です。また、シンガポールに限らず光ファイバー網の整備を進める他国に対しても本研修の実施に向けての働きかけを行ってまいります。あわせて、光ファイバー施工技術のみならず、国内の光インターネット接続サービス等で培った技術・経験を幅広く展開することを検討してまいります。 |
<参考>
◆各社概要
・OpenNet社について
OpenNet社は平成20年(2008年)に創業した、AxiaNetMeida、Singapore Telecommunications、Singapore Press Holdings、SP Telecommunications からなる共同出資会社で、シンガポール情報通信開発庁より全国規模の「Next Gen NBN」の光ファイバー網の構築・運用を任命され、現在、平成24年(2012年)までにシンガポール国内の世帯及び法人のほぼ全てが利用可能とする光ファイバー網の構築を行っている。
・FiberOpto Asia社について
FiberOpto Asia社は、光ファイバー網の設計、コンサルティング、ネットワークインテグレーション、製品エンジニアリング、ネットワーク試験、光ファイバー技術研修と資格認定により、アジアにおける光ファイバーによるコミュニケーションの統合的なソリューションを提供している。本研修において、FiberOpto Asia社はOpenNet社の光ファイバー施工技術者の現地研修パートナーであり、OpenNet社の委託施工技術者への公認資格認定プロバイダーである。また、NTT西日本の現地の研修協力事業者でもある。 |