NTT西日本は、環境保護活動に経営を融合した「環境経営」を推進しておりますが、その取り組みの一環として、更なるエコオフィス活動の推進に向けてNGN対応(IPv6)シンクライアント※1を活用した「エコオフィス環境トライアル」を平成21年12月1日(火)から開始します。 |
 |
※1 |
社員が使う端末に最低限の機能しか持たせずに、サーバ側でアプリケーションやファイル等を管理するシステムの総称。 |
|
1.背景 |
 |
近年、地球環境問題はますます深刻化しており、その解決に向けた取り組みの重要性が指摘されています。NTT西日本グループでは、「NTT西日本グループ中期経営戦略」のもと、「環境経営」を推進しておりますが、具体的な取り組みとして、平成19年度に「Save Resource Program」を提唱し、「お客様宅内機器のリユースの推進」「ネットワーク通信設備の省電力化・効率化」「エコオフィス活動の推進」「環境ソリューション販売の推進」を4つの重要なテーマとして取り組んでおります。
この度は、実際のオフィス環境にNGN対応シンクライアントを導入し、「ワークスタイルの変革によるエコオフィス化」、及び「システムの省電力化によるエコオフィス化」についてトライアルを実施し、更なる「エコオフィス活動の推進」を目指します。 |
2.トライアルの概要 |
 |
(1) |
トライアル期間
平成21年12月1日(火)〜平成22年3月31日(水)
|
(2) |
トライアル場所
「NTT西日本ビル(大阪市中央区)」「NTT西日本神戸中央ビル(神戸市中央区)」「UC和幸ビル(大阪市此花区)」など合計12拠点ビルの一部フロア
|
(3) |
トライアル規模
NGN対応シンクライアント端末を約1,600台導入
|
(4) |
検証内容
実際のオフィス環境においてNGN対応シンクライアント端末をIPv6ネットワークに接続・導入し、「Green by ICT」※2と「Green of ICT」※3の両面からトライアルを行います。
「Green by ICT」の面からは、シンクライアントの特長であるホットデスキング※4を活用し、オフィスのフリーアドレス化※5などワークスタイルの変革を行い、エコオフィス化に向けた検証等を行います。
また「Green of ICT」の面からは仮想化技術等を活用したシステム構築により、システム自体の省電力化によるエコオフィス化を進めるとともに運用管理の評価検証を行います。
※2 |
ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用することによって、人・物の移動の効率化、ペーパーレス等を進め、社会における環境負荷を低減する取組み。 |
※3 |
技術・プロセスの改革によって、ICT設備の環境負荷を低減する取組み。 |
※4 |
移動先のどこでも利用者のデスクトップ環境を再現できる機能。 |
※5 |
座席を決めずに業務を行うスタイル。 |
|
|
 |
<1> |
ワークスタイルの変革によるエコオフィス化の検証 (Green by ICT) 【別紙1参照】
フリーアドレス化によって、社員同士のコミュニケーションを活性化させ、情報の共有・活用の促進を図ることにより業務効率を高めるほか、オフィスの作業スペース集約によるオフィス照明や、空調の効率化などの使用電力量削減の検証を行います。
また、会議スペースにもシンクライアント端末を設置することで、紙資料を配付することなく情報共有を行える会議のペーパーレス化を促進します。これまでの紙資料から電子データ資料への移行を実現し、オフィス内のプリンタ/複写機台数の削減や、資料等の収納スペースの削減に伴う効率化の検証を行います。 さらに検証拠点のひとつであるNTT西日本神戸中央ビルでは、上記のフリーアドレス化や会議のペーパーレス化に加え、LED照明、人感センサ、電力のリアルタイムでの見える化等を複合的に組み合わせ、電力削減効果の最大化を図るとともに、ワークスタイルの変革に向けた働き方の改善に関する検証を実施します。また、再生材料の利用やリサイクルが可能な製品の採用により、オフィス廃棄物の大幅な削減を目指します。NTT西日本神戸中央ビルでの検証は2009年12月中旬に運用開始予定ですが、パソコン・照明の消費電力を50%削減することを目標とします。
|
<2> |
システムの省電力化によるエコオフィス化の検証 (Green of ICT) 【別紙2参照】
シンクライアント端末は、最小限のネットワーク機能や入出力機能に絞られるため、従来のデスクトップ型の利用者端末に比べ消費電力削減につながりますが、その一方で、従来、利用者端末に搭載されていた機能がサーバ設備に必要となるため、システム全体の消費電力を削減するためには、サーバ設備の省電力化を進める必要があります。
本トライアルにおいては、サーバ設備に「仮想化技術の活用」※6と「利用者毎に割り当てられるリソースの最適化」※7等を行うことで、サーバの効率的な運用を実現し、シンクライアント端末とサーバ設備をあわせたシステム全体の省電力化の効果について、検証を行います。また、サーバ設備に機能を集約することによるもう一つの効果として、運用管理稼動の削減や利用者負担軽減についても検証を行います。
※6 |
1台のコンピュータ上で「複数のサーバ」を稼動させる技術であり、サーバを1台に統合することにより省電力化が可能。 |
※7 |
サーバが保有するハードディスク、CPU、メモリ等のリソース(資源)を利用者毎に効率的に配分する技術。 |
|
|
3.今後の予定 |
 | 本トライアルにおいて得られた検証結果を元に、平成22年度中にエコオフィス化のガイドラインを制定し、NTT西日本グループ全体へ展開を図ることを予定しています。また、本トライアルで効果が確認された技術等を活用し、NGNのセキュアな環境下において、パンデミック対策、ワーク・ライフバランス実現等を目的とした在宅勤務への展開についても今後検討を進めていくこととします。 |
(参考)NGN対応シンクライアントの特長 |
 |
本トライアルでは、米国サン・マイクロシステムズ社のシンクライアント(Sun RayTM ※8)を用いており、米国サン・マイクロシステムズ社にて平成21年11月10日(米国時間)にリリースされた最新版では、IPv6対応が実装されています。
なお、この製品はNTTグループのショールーム「NOTE」で展示されていたNGN対応シンクライアントです。
※8 |
Sun、Sun Microsystems、Sun Rayは、米国Sun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標です。 |
【平成22年3月26日 追記】
上記製品のNTTグループのショールーム「NOTE」への展示は、平成20年3月に終了しております。 |
|
● |
省電力化
シンクライアント端末には、ディスプレイ、キーボード、マウス等のシンプルな機能だけが配備されるため、従来のパソコンより省電力化を図ることができます。 |
● |
ホットデスキング
専用のICカードをシンクライアント端末に挿入することにより、どこでも自分自身のデスクトップ環境が再現できるとともに、いつでもどこでも簡単にペーパーレス会議が実現できます。 |
● |
NGN対応
IPv6を利用することでIPアドレス枯渇問題等の課題をクリアし、広域でセキュアなシンクライアント環境が実現できます。 |
● |
強固なセキュリティ
会社情報データはセンタ設備に保存され、利用者端末にはデータが残らないため、より高いセキュリティ性を実現します。 |
● |
OS非依存型のシンクライアントソリューション
ネットワーク環境のOS等への依存がないため、将来新たなOS(Google OS等)が出現してきた際にも容易にシステム拡張が可能です。また1つのシンクライアント端末から、異なるネットワーク環境へアクセスさせることが可能です。例えば、お客様情報を扱うような部門と研究開発部門がシンクライアント端末を共用し、業務にあたることも可能です。
従来は各組織が個別に展開せざるをえなかったシンクライアントシステムを複数組織間で共有して利用することができます。 |
|