NTT西日本では、遺伝子の構造解析や気象予測など高速で大規模な計算処理※1が必要なお客様に対し、「グリッドコンピューティング」技術を利用した計算処理の受託業務を、グリッドサービス(以下、本サービス)として平成17年12月22日(木)から提供開始します。 本サービスは、NTT西日本のフレッツユーザのCPU等のパソコンの能力を活用し並列計算させることで、仮想的なスーパーコンピュータを実現するものです。
昨今、研究機関や企業等において、遺伝子の構造解析や特効薬開発に代表される、大規模で複雑な情報解析やシミュレーション等の科学技術計算処理の需要がますます増大しています。 しかしながら、科学技術計算処理に用いられるスーパーコンピュータは、数十億円に及ぶものがあるなど非常に高価であり、また、設置するスペース費や高額のメンテナンス費も必要となることから、研究機関や企業等にとっては大きな課題となっていました。 これらの課題を解決するために、複数のコンピュータをネットワークで結ぶことにより、仮想的なスーパーコンピュータとして利用可能とする「グリッドコンピューティング」という技術が注目され始めました。2001年には米国の研究チームが20万台以上のパソコンにより史上最大の素数を発見するなど、実用化に向けた開発や実験がさかんに行われるようになりました。 NTT西日本においては、フレッツユーザのパソコンを利用して、平成16年2月から4月にかけて、国立遺伝学研究所と共同で「グリッドコンピューティング」の技術を活用し、大規模な計算処理能力の実現、データの分散配置、セキュリティ技術等の検証を行なうための共同実験※2を行い、遺伝子研究の分野で大きな成果を収めました。この実験を踏まえ、商用化に向けた検討及び機能改善等を経て、このたび本サービスを提供することとなりました。
本サービスでは、NTT西日本エリアのフレッツユーザから提供されるパソコンをセキュリティレベルの高い地域IP網(v6)で結び、各パソコンのCPUや記憶装置等のうち利用されていない能力を集約することで、仮想的なスーパーコンピュータを実現し、研究機関や企業等のお客様に大規模な計算処理能力を提供します。 各種シミュレーションや情報解析等、膨大な計算処理を必要とするお客様は、本サービスをご利用いただくことで、短期間で大規模な計算処理を実行することが可能になります。
科学技術は、原理の発見など新たな“知”を生み出すと同時に、社会・経済の発展・進歩に大きく貢献しており、今後も科学技術への期待がますます高度化・多様化し、大規模な情報解析やシミュレーション等の科学技術計算処理の需要がさらに増大することが予想されます。 このような状況の下、NTT西日本では、大規模なデータを家庭のパソコンのハードディスクに分散保存するデータグリッドや気象センサー等から得られるセンサー情報を解析するセンサーグリッド等の開発のほか、ゲーム機やHDDレコーダーといったパソコン以外のリソース流通基盤としての整備に向け、今後も積極的な検討を進めてまいります。 また、NTT西日本は、本サービスの提供を通じて、地球環境保護の推進に貢献してまいります。
本サービスに、パソコンの能力を提供していただけるNTT西日本エリアのフレッツユーザを募集します。 なお、パソコンの能力を提供いただいたフレッツユーザには、提供量に応じてNTT西日本から対価をお支払いいたします。 (募集の詳細は「別紙」をご参照ください)
6.お客様からのお問い合わせ先