西日本電信電話株式会社※1(以下、NTT西日本)と株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティングアクト※2(以下、NTTマーケティングアクト)は、日本電信電話株式会社※3(以下、NTT)が開発した超小型赤外線送受信機「ボイスユビーク*」と無線ICタグを利用した音声情報システムについて、新しいビジネスモデルの構築や商品化に向けての技術面・サービス面での検証を行うことを目的に平成17年2月18日(金)から山口県の中原中也記念館※4においてフィールドトライアルを行ないます。 |
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* | 「ボイスユビーク」はNTTが開発した超小型音声送受信ユニットで、音声や音楽などを送信する赤外線送信機と指輪型やイヤホン型の赤外線受信機で構成されています。また、受信機の超小型化および低消費電力化を実現するなど、音声情報システムに適した様々な特徴を有しています。「ボイスユビーク」に関する情報は、専用のWebサイトのボイスユビーク・ドット・コムで御覧いただけます。
(http://www.voiceubique.com/) |
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1.トライアルの目的 |
 | 博物館等展示施設において、超小型赤外線送受信機「ボイスユビーク」と無線ICタグを利用した音声情報システムを用いて、来場者が各展示物からそれぞれの情報(音声ガイダンス)を「必要な場所で」「必要な時に」「必要な情報を入手できる」といったユビキタス環境の実現に向け、技術面およびサービス面に関する検証を行うことを目的とします。 |
2.トライアルの内容 |
 | 中原中也記念館への来場者に指輪型やイヤホン型の「ボイスユビーク」受信機を貸し出します。来場者は、今までの視覚による展示物の鑑賞に加え、貸し出された「ボイスユビーク」受信機を通して、詩の朗読や各展示物の詳細な説明等の音声情報ガイダンスを聞くことができ、展示物に対する新たな演出やバリアフリー化を来場者に提供いたします。
「ボイスユビーク」受信機に内蔵した無線ICタグにより、使用者を識別して言語の切り替えを行い、外国語による音声ガイダンスを提供します。あわせて、無線ICタグの読取り履歴を活用して、音声ガイダンスの利用回数や来場者の観覧順序などの動線把握を実施します。
また、「ボイスユビーク」送信機とブロードバンド回線を接続することにより、遠隔地からの音声情報コンテンツの一括配信、電源操作や稼動状況の把握など管理・運用面での作業をサポートします。 |
3.各社の役割 |
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NTT西日本 |
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ブロードバンドサービスの提供および技術面の検証、ビジネスモデルの検討 |
NTTマーケティングアクト |
: | サービス面を中心としたマーケティング面の検証 |
NTT |
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「ボイスユビーク」およびアプリケーションソフトに関する開発・ノウハウ提供 |
中原中也記念館 |
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トライアルフィールドの提供およびシステム運用 |
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4.トライアル実施場所と実施期間 |
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トライアル実施場所 |
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中原中也記念館
(住所:山口県山口市湯田温泉1−11−21) |
トライアル実施期間 |
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平成17年2月18日(金)〜3ヵ月程度 |
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5.「ボイスユビーク」の特徴 |
 | 超小型赤外線送受信機「ボイスユビーク」にはNTTマイクロシステムインテグレーション研究所が開発した1ビット赤外線デジタル音声伝送方式※5が用いられており、以下のような特徴を持っています。 |
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(1)受信機が小型軽量 |
|  | 「ボイスユビーク」受信機側の回路構成が大幅に削減され、受信機の体積3cc、重さ4g(電池含む)を実現しました。 |
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(2)個人の属性に応じた情報提供 |
|  | 無線ICタグを「ボイスユビーク」受信機に内蔵することにより、個人の属性に応じて送信機から提供する言語や説明内容などの音声情報を提供することが可能です。 |
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(3)誰でも使える簡易な操作 |
|  | 特別な操作や事前の設定は必要なく、その場所に立ち、無線ICタグを無線ICタグリーダにかざし「ボイスユビーク」受信機を耳に当てるだけで音声情報を聞くことが可能となります。 |
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(4)高音質で伝送遅延がない |
|  | ノイズに強く音楽鑑賞も可能なFM放送並みの高音質を実現しました。また、ブルートゥース※6のような伝送遅延も発生しません。 |
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(5)低消費電力 |
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「ボイスユビーク」受信機において受信時3mW、待受け時15μWという低消費電力を実現。これは、一般的な小型コイン電池(55mAh)を使用した場合、連続使用時間55時間、連続待受け400日が可能となります。 |
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(6)赤外線ならではの多様な使い方 |
|  | 赤外線送信機の設置方法を工夫することにより、音声情報を特定の場所にいる人だけでなく、一定範囲内における多人数への同報提供まで可能となります。
また、赤外線使用のため、電波の利用が制限されている病院、飛行機内などでも利用可能です。 |
6.今後の展開 |
 | フィールドトライアルで得た検証結果を踏まえ、NTT西日本グループ会社において本システムの商用化を検討していきます。 |
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