News Release

平成16年6月7日


「百貨店業界向けEDIソリューション」の提供開始について



 NTT西日本は、百貨店に商品を納入している卸会社やメーカ向けに、百貨店店頭での売上処理に必要な商品マスタ※1を簡易に作成することができ、また、自社納入商品の店頭での売上データや取引データなどをタイムリーかつ多角的に分析することを可能にすることで、戦略的なマーチャンダイジング※2の実現をサポートする「百貨店業界向けEDI※3ソリューション」を平成16年6月10日(木)から提供開始します。
 なお、本ソリューションは、大手百貨店12社で構成される「百貨店eMP連絡会※4」の推奨を受けるなど、業界特有の業務内容や課題にマッチした最適なソリューションであり、またあらかじめパッケージ化したイージーオーダー型ソリューションのため、低コストかつスピーディーな導入を実現します。


1.背景
 現在、百貨店業界は、長引く個人消費の低迷や専門店の台頭などにより競争が激化しており、百貨店や百貨店に商品を納入している卸会社やメーカなどでは、取引業務を効率化するとともに、商品の売上状況をタイムリーに把握・分析し、顧客のニーズにマッチした適正な品揃えと在庫の実現など、生産や物流までも含めたトータルな視点での経営が必要不可欠になっています。
 このような中、大手百貨店は、平成14年9月からインターネットを介して売上や仕入情報などの電子データを交換できるプラットフォーム「百貨店eMP」を利用して取引業務を行なっており、現在、約400社の百貨店や卸会社などが「百貨店eMP」を利用しています。
 NTT西日本は、この「百貨店eMP」で得られた売上情報などの数値データを、卸会社やメーカがマーチャンダイジングの強化など収益向上に直結する重要な情報として迅速かつ柔軟に活用いただけるような、百貨店業界に特化した新たなソリューションの開発を進めてきました。


2.本ソリューションの概要
 本ソリューションには、「商品マスタ作成システム」と「売上分析システム」の2つのシステムメニューがあり、お客様の利用環境やご要望に合わせ最適なシステムをご提供します。

(1)「商品マスタ作成システム」
 百貨店に商品を納入している卸会社やメーカは、従来、百貨店店頭での商品の売上処理に必要となる商品マスタを作成する際、別々の入力フォーマットで商品マスタを作成する必要があり、作成作業に膨大な時間と稼動がかかっていました。本システムは、「百貨店eMP」に対応しているため、フォーマットの共通化やデータベースの共有化により、スピーディーにかつ簡単に商品マスタを作成することができます。また入力の際には、画面の遷移にあわせ、画面ごとの操作ガイドを自動的に表示するヘルプ機能を搭載するなど高いユーザビリティを実現しています。

<特長>
「百貨店eMP」のインターフェースに準拠
 百貨店eMPのインターフェースに対応しているため、システム導入後すぐに百貨店との商品マスタデータの交換が可能になります。
百貨店値札レス※5を実現
 商品マスタを電子データ交換にて百貨店店頭POSレジに格納することにより、世界標準の商品コードであるJANコードでの商品スキャンを実現し、どの百貨店に納品する際にも共通で使えるJANコード付き値札を利用できます。これにより、従来、卸会社やメーカは、百貨店ごとに異なっていた百貨店値札とJANコード付き値札を商品に貼付していましたが、JANコードでの商品スキャンにより、百貨店値札を省略することができるようになり、納品業務の効率化、迅速化を達成することができます。

(2)「売上分析システム」
 「百貨店eMP」によって得られる店頭での売上状況などの数値データを多角的に分析し、その結果をわかりやすくグラフや表などを用いて、卸会社やメーカにご提供するシステムです。用途毎に以下の4つのメニューがあります。

<1> 売上推移分析
 自社の商品の売上状況を、時系列で、百貨店(店舗)毎、商品属性(ブランド、型番、色、サイズなど)毎に把握することができます。また、バーゲンやイベントなどの実施効果も簡単に把握できます。
<2> 売れ筋商品分析
 店頭での売れ筋商品を商品属性(ブランド、型番、色、サイズなど)毎に把握することができます。分析結果を商品開発や在庫コントロールに活用することにより、マーチャンダイジングの強化につなげることができます。
<3> 対前年比売上レポート
 売上情報を前年と比較して分析することができます。また、季節やイベント(中元、年末商戦)など変動要素を踏まえた分析も可能です。
<4> 対計画比売上レポート
 売上情報を計画値と比較して管理することができます。店舗別・商品別の売上管理など営業部門のマネジメントツールとしてご活用いただけます。

<特長>
「百貨店eMP」のインターフェースに準拠
 「百貨店eMP」のインターフェースに対応しているため、システム導入後すぐに百貨店店頭の売上分析が可能になります。
多角的な売上分析
 百貨店別、店舗別、売場別、商品属性別(ブランド、型番、色、サイズなど)、期間別など多角的な切り口から売上情報を分析することができます。
グラフィカルで見やすい分析結果
 分析結果は、グラフィカルなグラフや表で表示できますので、売上特性を視覚的に捉えることが可能です。


3.本ソリューションの特長
(1)マーチャンダイジングの強化を実現
 百貨店店頭における単品レベルでの売上情報を多角的に分析することができ、商品企画や品揃え、在庫コントロール等に活用することができます。
 客観的なデータに基づく効果的なマーチャンダイジングの実現により、売れ筋商品を販売機会ロスや在庫ロスなく販売することができるようになるため、在庫回転率を向上させることが可能となります。

(2)低コストかつ短期間での導入を実現
 本ソリューションは、「百貨店eMP」をプラットフォームとして提供するため、ご利用いただく企業においては、インターネット接続環境さえあれば、新たにサーバなどの設備を構築する必要がなく、また、各システムはあらかじめパッケージ化されたソリューションのため、低コストかつスピーディーに導入いただくことができます。

(3)「百貨店eMP連絡会」の推奨
 本ソリューションは、「百貨店eMP」統一フォーマットに対応しているだけではなく、百貨店業界が目指す取引業務の効率化、品揃えや在庫管理の最適化等マーチャンダイジングの強化に寄与するもので、「百貨店eMP連絡会」の推奨を受けた、業界特有の業務内容や課題にマッチしたソリューションです。

(4)トータルソリューションの提供
 NTT西日本では、導入のためのコンサルティングから、ネットワーク環境の整備、システム構築、運用・保守、セキュリティサービスまでトータルソリューションをご提供し、お客様の利用環境にあわせ最適なシステムの導入を行います。


4.販売価格
商品マスタ作成システム:84,000円〜(税込み)
売上分析システム:504,000円〜(税込み)


5.今後の取り組み
 NTT西日本は、「百貨店eMP連絡会」と連携し、平成16年度に百貨店や卸会社など200社への販売を目指し、営業活動を展開します。



※1 商品マスタ
商品コードと商品属性を示した商品台帳のこと。百貨店店頭のPOSレジに格納することにより、バーコードスキャンで読み取った商品コードから商品を特定し、価格の提示等を行うことを可能にする。
※2 マーチャンダイジング
販売ターゲット、販売形態に合わせ、商品企画、品揃え、仕入れ、店頭補充等を最適化する一連の活動のこと。
※3 EDI
Electronic Data Interchange(電子データ交換)のこと。異なる組織間で、取引のためのメッセージ(伝票など)を標準的な規約に従い電子化し、コンピュータ相互にネットワークを介して交換すること。
※4 百貨店eMP連絡会
「百貨店eMP」(百貨店eマーケットプレイス)は、百貨店とその取引先とのデータ交換を実現するASP型サービスで、NTTコミュニケーションズが開発、運用を行っており、現在、12社の百貨店、約400社の取引先が利用している。(平成16年5月末現在)
百貨店eMPの活用を通じて多様な局面で百貨店業界標準を創出し、取引先とのコラボレーションを促進することを目的に結成された。
【加入百貨店】 近鉄百貨店、京王百貨店、さいか屋、大丸、島屋、鶴屋百貨店、天満屋、東急百貨店、阪神百貨店、松坂屋、三越、ヤマトヤシキ(平成16年5月末現在)
※5 百貨店値札レス
JANコードを付与したソースマーキングタグを活用することにより、現在商品への貼付が必要とされている百貨店ごとの百貨店値札の貼付が不要となる。百貨店取引先は、百貨店値札レスにより納入作業の効率化を図ることが可能となる。



(別紙1)百貨店業界向けEDIソリューションの概要
(別紙2)「売上推移分析」画面イメージ
(別紙3)「対前年比売上レポート」画面イメージ


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