西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)と株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(以下、NTTネオメイト)は、酒販店、酒類卸会社、酒造メーカなど酒類業界における商品の受発注や、新商品・売れ筋情報などの電子化された各種情報を、インターネットを介して交換し、酒類業界全体の業務の効率化とスピード化を実現する「酒類業界向け共同利用型EDI※1ソリューション」を平成16年5月1日(土)から提供開始します。
NTT西日本とNTTネオメイトの両社は、業界団体である全国酒販協同組合連合会へのきめ細かいコンサルティングおよびヒアリングを実施することにより、酒類業界の業務に特化した共同利用型EDIソリューションを開発しました。
本ソリューションは、データセンタを活用した共同利用型のEDIシステムを採用するため、ご利用いただく企業においては、インターネット環境さえあれば、サーバやアプリケーションソフトなどの設備を新たに構築・設定する必要がないため、低コストでスピーディーな導入を可能にするほか、万全の運用・保守サービスにより導入後も安心してご利用いただけます。 |
1.背景 |
 | 現在、酒類業界では、平成15年9月の酒販免許の自由化※2により、新規参入業者の増加など競争が激化しており、業界全体が大きな変革期を迎えています。今後、酒類業界の企業が勝ち残っていくためには、受発注や在庫確認などの業務をIT化することにより、経営の効率化と顧客サービスの強化を図ることが必要不可欠となっています。
しかし、導入コストやITの活用知識(ITリテラシー)などの面から、特に中小規模の企業や酒販店の多くで、IT化が普及しておらず、受発注業務における効率の悪さや情報をタイムリーに活用できないことなどが業界全体の課題になっています。
このような中、NTT西日本とNTTネオメイトは、業界団体である全国酒販協同組合連合会と連携し、酒造メーカ、酒類卸会社、酒販店など酒類業界全体に対して、業務フローの細分化や真の課題点を抽出するためのコンサルティングおよびヒアリング調査を行い、業界全体の課題に的確に対応する酒類業界特化型の新ソリューションを開発しました。 |
2.ソリューションの概要 |
 | 本ソリューションは、ご利用いただく企業が、インターネットを介してデータセンタに設置した共同利用のEDIサーバにアクセスすることで、受発注や在庫確認、商品情報の配信などを低コストかつ簡単に行うことができるため、酒類業界全体でのデータ共有によるビジネスプロセスの全体最適化を実現します。 |
 | <本ソリューションの用途・メリット> |
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酒 販 店: |
商品の発注を電子化することで、スピーディーな処理を実現するとともに、発注ミスや漏れを防止できます。また、在庫状況や注文履歴の確認、売れ筋商品など販売促進につながる有益な情報のリアルタイムな入手が可能となります。 |
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卸 会 社: |
酒販店からの受注情報を電子的に受け取れるため、受注処理に係る稼働を削減できます。 |
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酒造メーカ: |
酒販店や卸会社の注文状況がリアルタイムに入手でき、顧客のニーズを即座に生産や開発に反映させることが可能となります。また新商品情報を酒販店などにタイムリーに配信することができます。 |
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 | また、本ソリューションは、システムの運用・保守はもちろんのこと、酒類業界の企業に対してインターネット接続環境の提供から、既存システムとの連携、セキュリティサービスまで、お客様の利用環境に合った最適なソリューションをトータルに提供し、ITの効果的な活用による経営革新の実現をサポートします。 |
3.ソリューションの特長 |
 | (1)酒類業界の商習慣に適応 |
|  | 現在、消費者の嗜好の多様化により、一般的に酒類商品のライフサイクルが短くなっており、さらに同銘柄でも容量や容器の種類が多数あるなど、酒販店が扱う商品は膨大になっています。このような中、電話やFAXを使った注文では聞き間違いや記載間違いなど受発注ミスが発生しやすく、返品や再発送処理の頻繁化が、酒販店、酒類卸会社、酒造メーカ間など業界全体での大きな課題となっています。
本ソリューションは、全国酒販協同組合連合会および愛知県酒販協同組合連合会に所属する多数の酒類業界に携わる企業から入念にヒアリングを実施し、例えば、定期的に発注する商品をあらかじめ登録し、ワンタッチで複数商品を発注できたり、過去の発注伝票を表示し、その伝票画面から商品を発注できるなど、現状の酒類業界の受発注業務と違和感がなく、簡単で確実な発注業務を可能にします。 |
 | (2)低コストかつ短期間での導入を実現 |
|  | 本ソリューションのプラットフォームは、酒類業界向けに新たに開発した共同利用型の「AQStagePF 受発注支援サービス」を採用することにより、ご利用いただく企業には、サーバやアプリケーションソフトなど特別な設備を新たに構築・設定する必要がないため、中小規模の企業でも利用し易いよう低コストでの導入を実現します。自らEDIシステムを構築・導入する場合と比較して、導入コストや構築期間を約50%削減します。 |
 | (3)多彩な端末を利用可能 |
|  | EDIシステムを利用する際に必要な端末は、パソコンのみならず、Lモード端末機やインターネットテレビ、iモード携帯電話など多彩な端末の中から自由に選択・利用することができます。さらに上記端末は、バーコードリーダを組み合わせることもでき、キーボードに不慣れな方でも簡単に操作することができます。 |
4.両社の役割 |
 | <NTT西日本> |
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本ソリューションの全体的な企画およびアプリケーションソフトの開発・バージョンアップ |
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IT化のためのコンサルティング活動(啓発・普及) |
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 | <NTTネオメイト> |
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本ソリューションのプラットフォームである「AQStagePF受発注支援サービス」の提供及び運用 |
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IT化のためのコンサルティング活動(啓発・普及) |
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 | なお、酒類業界の企業に対するIT化のためのコンサルティング活動(啓発・普及)については、NTT西日本、NTTネオメイト、NTTマーケティングアクトの3社で連携し、実施します。 |
5.今後の展開 |
 | 平成16年度中に酒類卸会社100社、酒販店4,000社での共同利用を目指します。また、今後、食品業界など幅広い業種への展開を図っていきます。 |
※1 |
EDI
Electronic Data Interchange(電子データ交換)のことです。異なる組織間で、取引のためのメッセージ(伝票など)を標準的な規約に従い電子化し、コンピュータ相互にネットワークを介して交換することです。
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※2 |
酒販免許の自由化
平成15年9月1日から改正酒税法により酒類販売免許の自由化が始まりました。これまで必要だった酒販免許の取得要件が大幅に緩和されたため、異業種からの新規参入事業者が激増し、酒販小売市場は多様化するとみられます。 |
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