西日本電信電話株式会社(本社:大阪市中央区、社長:上野至大、以下NTT西日本)と綜合警備保障株式会社(本社:東京都港区、社長:村井温、以下ALSOK)は、先進のITを活用し、安心・安全なビル環境を提供することを目的に、ネットワークセキュリティと防犯・防災などのフィジカルセキュリティをトータルに提供する「ビル施設向けセキュリティソリューション」に関して協業することで合意しました。 |
1.背景 |
 | 近年の犯罪の増加と多様化により、企業や自治体、商業施設などにおいて、安心・安全なビル環境の整備は重要な課題になっており、そのためには高度なセキュリティ対策が必要不可欠になっています。また、重要な情報を大量に扱うブロードバンド時代を迎えた今日、ヒト・モノ・カネ、そして情報をトータルに守るセキュリティサービスへのニーズが高まっています。
NTT西日本は、平成15年11月に「セキュリティサービス推進室※1」を設置し、リスクマネジメントソリューション「D.prosol※2」などセキュリティサービスを地域密着の体制で提供していますが、従来のネットワークセキュリティ分野とオフィスやサーバルームなどを物理的にガードする防犯・防災システムなどのフィジカルセキュリティ分野を融合した総合的なセキュリティソリューションの展開を模索していました。
ALSOKは、全国24時間365日、迅速に現場対応できるサービス体制で、最先端の防犯・防災システムを駆使したセキュリティ事業を展開しています。現在、ホームセキュリティを始めとして位置情報セキュリティ「あんしんメイト※3、カービィボックス※4」などITを活用した各種サービスを提供していますが、ALSOKの強みであるフィジカルセキュリティについて、ITとの融合・連携をさらに推進し、サービスレベルを向上していくことが必要であると考えていました。
今後、セキュリティ全般へのニーズが拡大するとともに、ますます競争が激化するセキュリティサービス市場において、両社がターゲット市場を拡大し事業を発展させていくためには、高い専門性と技術力を有する両社が連携を図り、営業力の強化と付加価値の高いサービスの創出が不可欠であると考え、今回の合意に至りました。 |
2.ソリューションの概要 |
 | 両社は、ビル施設向けに、暗号化技術や電子認証技術を用いたネットワークセキュリティと、防犯・防災システムなどのフィジカルセキュリティのコンサルティングから、設計、構築、保守及び、24時間365日監視・駆けつけなどの運用サービスまで、トータルで提供する「ビル施設向けセキュリティソリューション」を共同で展開します。
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<具体的サービス例> |
 | (1)入退室管理ソリューション |
|  | オフィスへの出入りを管理する入退室管理システムを、暗号化処理を施したインターネットや、フレッツ・オフィスなどのセキュリティが高い閉域網などで集中管理センターなどに接続することで、一箇所で複数のビル施設の状況を一元的に監視し、管理に係る稼働を大幅に削減します。入退室管理システムにて利用される個人IDや、指紋などのバイオメトリクス情報、監視カメラの映像情報は、セキュアなネットワークを流れるため、改ざん・なりすましなどの不正アクセスを防ぐことができます。また、ALSOKの警備サービスや総合管理サービスにより、集中管理センターの運営管理をアウトソーシングすることができます。 |
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(2)ICカードソリューション |
|  | 企業がオフィスの入退室管理や駐車場の入出庫などにおいてICカードを利用している場合、パソコンのログイン認証、勤務管理、食堂決済などさまざまな利用用途をICカード一枚に集約し、利便性を向上させます。各種アプリケーションサーバは、ファイアーウォールなどを利用することで、不正アクセスやコンピューターウイルスなどの被害を防ぐ対策を実施し、セキュリティを高めます。 |
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(3)機密データ保護ソリューション |
|  | 企業のサーバに格納されている重要なデータをバックアップするために、回線の二重化やISDNなどのバックアップ回線の導入、ミラーサーバ・テープバックアップなどの導入など、システムが安定稼働する仕組みを提供します。またそれとあわせて、バックアップされたデータ媒体を、天災や盗難などから守るため、現金輸送のノウハウによる輸送・保管を行い、トータルでお客様の重要なデータを厳重に保護します。 |
3.両社の役割 |
 | <NTT西日本>
ネットワークセキュリティ分野のソリューション・専門技術・ノウハウの提供及びネットワークサービスの提供などを行います。
<ALSOK>
フィジカルセキュリティ分野のソリューション、専門技術・ノウハウの提供及び警備保障サービスの提供を行います。
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4.ソリューションの提供開始日 |
 | 平成16年1月22日(木) |
5.今後の展開 |
 | 両社はブロードバンド・ユビキタス時代における安全・安心なセキュリティサービスの提供に向け、この協業を契機に、パーソナルユース向けのホームセキュリティソリューションや、今後需要が伸びることが予想される介護福祉分野のソリューションなど、さまざまな業種や利用形態に応じた新たなソリューションの開発・提供を進めていきます。
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<用語解説> |
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※1 | セキュリティサービス推進室 |
| 高まるセキュリティ対策のニーズに対応するために、NTT西日本グループトータルで1,000人規模で設置された組織です。セキュリティポリシー策定やセキュリティ監査、社員教育などのソフト的な対策から、データの暗号化や電子認証などのシステムの構築を中心としたハード的な対策まで、一貫した「セキュリティマネジメントサイクル」を構築・維持し、日々タイムリーなセキュリティ対策を提供します。 |
※2 | D.prosol |
| NTT西日本が提供するリスクマネージメントソリューションです。IT時代の便利さ(光)の中に潜む、リスクや問題点(影)を解決し、お客様が情報通信システムを安心して最大限に活用していただくために生まれたトータルソリューションです。高度化・複雑化する情報通信システムの抱えるセキュリティ問題や、ネットワークトラブルなど、多様化する様々な課題(不安)を、高度なスキルと豊富なノウハウによって解決します。 |
※3 | あんしんメイト |
| あんしんメイトは「携帯できるセキュリティ」のコンセプトから生まれたパーソナルセキュリティシステムです。位置情報などを把握でき、緊急時にはガードマンが急行、必要な措置を行います。 |
※4 | カービィボックス |
| カービィボックスは「愛車を手のひらで見守るセキュリティ」をコンセプトから生まれた車両盗難検知システムです。ユーザーは、携帯電話で愛車の位置を検索でき、異常事態を覚知した時に、出動要請すれば、ガードマンが急行、必要な措置を行います。 |
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