GRAND Xの誕生にはもうひと つ、大きく関わっているものがある。 同社が2006年に発売した土鍋釜 を使った炊飯器だ。当時、通常の炊飯 器が高くても約3万円程度だったと ころ、その2倍を超える高級炊飯器を 発売。炊飯器に本物の土鍋を採用した 驚きとその感動のおいしさで、人気を 博すことになったこの製品が、後の GRAND Xへの道標となる。 　「おいしい！という��感動を呼ぶ. ことができたなら、価格は関係がない 間違いない」と 思ってもらえる ��信頼性.を至上 の価値とする Value。使う 人たちが体験し たことのないよ うな便利さ・楽し さ・豊かさを提供 し、食卓に新たな 常識を創り続け ていくという Mission。 そして、「製品を通じて、日本だけで はなく世界のすみずみまで、幸せな団 らんを広めたい」というVision の3本柱だ。 　「新たな企業理念は、創業者の思い を受け継ぐ我々が、ユーザーに何を伝 えたいのか、何を届けたいのかを必死 で考えた結晶。独創性を強みに、新し い常識を創り続けたいという思いが、 GRAND Xの『感動の、おいしさ を。』というコンセプトにもつながっ ています」とソリューショングループ 統括マネージャーである金丸等氏は 語る。 　炊飯器やホームベーカリーなど、当 たり前のように家庭にある調理家電 を昇華させ、高級調理家電としてタイ ガー魔法瓶が提供している商品群が GRAND Xだ。 　三重県四日市の萬古焼の本土鍋を 用いた炊飯器や、同じく萬古焼を用 いた陶板プレートといったように、 技術と手間を惜しみなく投入し、高 価格帯ながら多くの人々から支持を 集めている同シリーズは、誕生から 3年目となった今も色あせることな く、輝きを放っている。 　そんなGRAND Xの誕生は、タ イガー魔法瓶が2012年に策定し た、新たな企業理念なしには語れな い。近年、市場競争が激化する中、よ り高い価値を提供するためにはどう するべきかという思いが社内からわ き起こってくる中で生まれたものだ という。 　新たに策定された企業理念は、3 つの柱からなる。「お客さまにとって 何が大切なのか」という本質を突き 詰めた��独創性.、「壊れない・買って のだということがわかったのです。価 格では測れないものをお客さまは求 めているのだなと。そうやって感動を 呼び、『タイガー魔法瓶の炊飯器で炊 くとおいしいご飯ができるよね』とい うイメージを持っていただくための ブランドづくりが必要だという気付 きをもらえた商品でした」（金丸氏） 　GRAND Xは、新たなブランド づくりも視野に入れて誕生したフ ラッグシップモデルでもあるため、 「感動を届けたい」という 思いをカタチに 「タイガー魔法瓶だからおいしい」 というブランディング 「感動の、おいしさを。」追求し、 食卓に幸せな団らんを届ける GRAND X。 ��驚き.を ��感動.に変える 　究極の調理家電。 深く愛されるための 「キープ・コンセプト」 タイガー魔法瓶株式会社 「食卓に、温もりの魔法を。」―これはタイガー魔法瓶株式会社（以下、 タイガー魔法瓶）が掲げるスローガンだ。そして、そんなタイガー魔法瓶 が、ユーザーをさらに幸せにする魔法をかけるべく2014年にリリースし たのが、「GRAND X（グランエックス）」シリーズ。「感動の、おいしさを。」 と銘打たれたGRAND Xの商品群はどのようにして生まれ、どのようにし て人々に“感動”を与えているのか。 特 集 第一線を走り続ける理由 FRONT RUNNER 感動 テーマ 5 　vol.20 　vol.20 4