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の 極意 アンド ードラマ・映画・CMなどで、非常に 幅広い演技で人々の心をガシッとつか んでいる遠藤さんですが、演じるお仕 事を始めたきっかけはなんだったので しょうか。  俺は、高校を中退していろいろなア ルバイトをやっていたんですけど、その 中のひとつみたいな感じで、劇団員に なったんです。ただ、そこで芝居に触れ て、役を作っていくことに次第に引き込 まれていきました。元々、モノを作ると いう行為自身は好きだったんです。絵 を描くのも好きでしたし。まぁ、絵につ いては、才能がないってわかっていたん ですけど(笑)。いろいろな芝居をしてい くうちに、役を演じるっていうクリエイ ティブな作業をやっていきたいという思 いは、徐々に強くなっていきましたね。 ー演じるというお仕事を一生やっ ていこうと決意したのは、いつごろ だったのですか。  劇団に入ってすぐの段階で、そう考 えていました。だって、高校を中退して いますからね。もう、これ一筋でやるし かない、という決意はしていました。  一生やっていけるなという自信につな がったのは、劇団に入って2年半くらい 経って受けた、仲代達矢さんの「無名 塾」の試験に合格したときかな。800 名くらい受験したうちの5名に残りま したから。やり続けていけば、形になる かもって思ったんです。それまで、ずっと やっていきたいなって思ったものはな かったのに、唯一やり続けたいって思え たっていうのもあります。まあ、無名塾 は10日で辞めちゃったんですけど(笑)。 ー160分の1 !! すごいですね。や はり、他者に何かを感じさせるような ビジネス上はもちろん、様々なシーンで人との関係を築いていく上で、相手の心に響く 意志伝達の方法は重要なもの。だが、そのように、相手の心を響かせることは容易ではない。 そこで、俳優・ナレーターとして、様々なドラマ・映画・CMなどで、 視聴者の心をつかんで離さない演技を見せる遠藤憲一氏に、 “コミュニケーション”の極意につながる話を聞いた。 顧客との関係づくりの プロに聞く オーラがあったのでしょうね。そんな遠 藤さんが、演じる際のポリシーについ てお聞かせいただけますか。  自然体.で演じるってことかな。ナ チュラルな状態にいかにして持ってい くかが、大事だと思っています。ただ、 劇団でやっていたことで、必要以上に オーバーリアクションしたり、変なク セもいっぱい付いてしまってたんで、自 然体で演じるところにたどり着くま で、ずいぶん時間がかかりましたね。  そうやって自然体を意識してやって いく中で、たとえば、初めは自分の声 にしても別に良いなんて思ってなかっ たんですけど、自然な状態になってい くにつれ、自分の良さみたいなものが 出てきたみたいですね。結局、心の中 が大事だっていうことが途中でわかっ てきたんですよ。どういう言い方をす ればいいかとかじゃなくて。  ナレーション自体も、心の中で思っ ていることを声にして響かせていく作 業ですからね。心の中をしっかりと定 めて伝えればいいということは、2 0代 のころから思い始めてましたね。 ー心の中をどのように伝えるかが大 事だと考えるようになったきっかけはな んだったのですか。  映画『ゴッドファーザー』で、マーロ ン・ブランドの芝居を見たときですね。 心.さえ定まっていれば 何を演っても見る者の心に響く 心の中がにじみ出るのが 良い演技 遠藤 憲一俳優・ナレーター や 15 vol.9  vol.9 14