最後の仕上げに向けて
真剣な表情で練習に臨む選手たち
12月中旬、淀総合運動場グラウンド。朝から降っていた雨が止み、強風も収まりつつある中、NTT西日本陸上競技部は、ニューイヤー駅伝に向けての調整を行っていました。
先日の龍神村での予選会の後、ニューイヤー駅伝当日を見据えて様々な準備・調整を行っていた陸上競技部。11月末から12月2日まではコースを確かめつつレース当日のイメージトレーニングをするため、群馬県へニューイヤー駅伝コースの試走合宿に赴き、さらに12月3日から12月14日まで、宮崎県で強化合宿を実施。宮崎県では、20km走、30km走などを積極的に行い、長距離を中心にしっかりと走ることを主眼に置き、練習を課しました。
強化合宿を終えて、本拠地である淀総合運動場グラウンドで行われたこの日の練習には、個別調整などを行う選手以外、ほぼ全員が参加。1,000mと2,000mをそれぞれ実戦さながらのスピードで走るトレーニングを行いました。
雨が止んだ直後の厳しい寒さの中での練習でしたが、選手たちは自身のコンディションを確かめながらトラックを疾走。選手によって仕上がりの状況は違うものの、ニューイヤー駅伝当日に向けて、着実に準備が進んでいることがうかがえる状況でした。
清水監督は、そんな選手たちを見つめながら、「強化のタイミングというのは本当に難しい。どこまで追い込んで、どこからクールダウンさせるか。スピードとスタミナを付けるのにある程度の厳しい練習は必須だが、選手たちが動き過ぎないように見守るのも大事な役割になる」と現在のチームについて分析します。
「全員がベストを尽くすことが必須だ」
と語る清水監督
ニューイヤー駅伝で軸となる選手については、龍神駅伝で結果を出してくれた選手が軸になると前置きした上で、「昨年の1区で6位という結果を出してくれた加田は頼りにしている。また、龍神で区間新を叩き出した監物にも期待をしたいし、エースである池田の存在は欠かせない。とはいえ、キーパーソンを中心に据えつつも、わがチームで重要になってくるのは、全員が100%、欲を言えば120%の力を発揮して走ること」と語る清水監督。
続けて、「ニューイヤー駅伝での大きなポイントの一つは、向かい風(空っ風)に阻まれてタイムを伸ばしにくい後半部分の前、1区から4区の前半区間で良い流れを作り順位を伸ばせるかどうか。1区から3区で良い流れをしっかり作り、4区で全国区のエース選手と競り合い、5区で空っ風に向かいながら順位を少しでも伸ばし、6区・7区でスパートをかけるという流れの、どこが欠けても結果は出ない。そのために、選手全員が『どの区間でも走ってやる!』という思いを持ってレースに臨んでもらいたいと思っている」と気を引き締めます。
加田(右)と監物(左)の走りに
期待がかかる
ニューイヤー駅伝当日に向けて準備に余念のない陸上競技部は、12月25日までは最後の強化練習を淀などで実施。12月30日には群馬へ向かい、決戦に臨みます。
2013年は18位、2014年は27位と、レース運びによって順位に動きがあるものの、関西の出場枠を確保する30位以内という最低限の目標は達成し続けているNTT西日本陸上競技部。「ここ何度かのニューイヤーでの走りはもちろん、先日の龍神駅伝での結果を受け、選手たちは皆、自分たちはやればできるという意識を持ちつつある。私自身も、チーム自体の力が増し、層も厚くなっているため、必ず結果は出せると信じている。今まで以上の上位進出をめざすことは、応援してくださる方々への恩返しでもあるし、自分たちのより一層の成長にも欠かせない。全力を尽くしたい」と抱負を語る清水監督。
期待に応えることはもちろん、チーム全体が更なるレベルアップを遂げるために、より上をめざすことが求められるニューイヤー駅伝。元日の朝、上州路を疾走するNTT西日本陸上競技部の熱い走りにご期待ください!(12月16日取材)