区間賞を獲得する力走で順位を一気に
押し上げた竹ノ内選手(3区、前回)
関西実業団対抗駅伝競走大会が開催されるのは、“日本三大美人の湯”としても名高い龍神温泉が湧く和歌山県田辺市龍神村。そんな龍神村に設定された駅伝コースは、「高低差200m」という選手たちに過酷な試練を与える存在でもあります。
龍神村の駅伝コース・全7区間(80.45km)の中でも、レースの勝敗を左右する重要区間が、最長区間「5区(16.0km)」。最長区間かつ区間後半に10km以上の上りがある難区間で、一気に100m近くも高度を上げなければならないため、速さとタフさの両方が求められます。
5区が重要区間であるのには理由があります。それは、1区から4区の選手の走りにより、5区ランナーに求められる役割は刻々と変化するからです。大きなリードをもらって走りだしたならば、自分が走る5区でその差をより決定的なものにして勝利をたぐり寄せる。トップから僅差でタスキを受ければ、形勢逆転してトップの座を奪う。また、トップや上位陣と差をつけられていたら、エースとして一気に巻き返しを図るなど、状況に応じた様々な重要な役割が課せられるわけです。そのため、5区走者には、たとえ厳しい環境であっても臨機応変に対応できるフィジカル・メンタルの両面での強さを兼ね備えていることが求められます。当然、それを考えるのは各チームとも同じ。どのチームもエース級の選手を投入するため、毎年、この5区では激しいデッドヒートが繰り広げられるのです。
だからこそ、龍神駅伝における観戦ポイントで押さえておきたいのは、5区走者によるデッドヒートが観戦できる場所。中でも、おすすめなのは、スタート地点であり4区から5区へのタスキリレーが行われ、第5中継所へ向かって疾走していく5区復路の様子も見られる「龍神行政局」です。龍神行政局でなら、5区走者の熱い走りに加え、スタート前の緊迫した空気感、レーススタートの瞬間も見ることができるわけです。他にも、龍神行政局前では、アンカーである7区ランナーのラストスパートも観戦できます。
そんな龍神駅伝でのおすすめの観戦の仕方の一つが、龍神行政局前で5区復路まで応援した後、ゴール地点である龍神体育館へと移動し、ゴールシーンも押さえるというコース。しかも、今年は60回目の記念大会として、龍神体育館では大画面でのパブリックビューイングも実施される予定ですので、ゴールまでの時間もパブリックビューイングで応援するといった新しい観戦スタイルも可能に。龍神体育館が新しい観戦スポットとして注目される可能性大です。ただ、昨年までとは異なり、龍神体育館周辺は、関係者の車両以外、進入禁止となります。駐車場情報などをしっかりとチェックして、応援ポイントの検討をお願いします。
1区 | [スタート] 龍神行政局 →(温泉方面)→ 上湯ノ又バス停 | 12.6km |
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2区 | 上湯ノ又バス停 →(温泉方面)→ 大熊・高硲谷 | 7.68km |
3区 | 大熊・高硲谷 →(折り返し)→(温泉経由)→ 青少年交流センター | 10.87km |
4区 | 青少年交流センター → 龍神行政局 | 9.5km |
5区 | 龍神行政局 →(北野バス停折り返し)→ たまや商店 | 16.0km |
6区 | たまや商店 →(上湯ノ又バス停折り返し)→ 青少年交流センター | 11.0km |
7区 | 青少年交流センター → 龍神体育館 [ゴール] | 12.8km |